オーストラリア(豪)16年4-6月期GDPについて
2016/09/07
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前期比年率+2.1%と減速しました。外需に大幅プラス寄与の反動が出ました。
- RBAは8月の金融政策報告書で、景気が底堅いとの見方から成長率見通しを据え置いています。
- 年後半も金融緩和が維持されるものの、国際商品市況に対する割安感から豪ドルは底堅そうです。
公的支出が下支え、外需は高水準続く
本日、豪統計局が発表した16年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.1%(前期比+0.5%)でした。民間の経済活動が湿りがちだった一方、公的支出が加速し、景気を下支えしました。この結果、最終消費支出の寄与度は1-3月期と大きく変わらず、固定資本投資はマイナス寄与の幅が縮小しました。また、外需はマイナス寄与に転じましたが、高水準の輸出超(貿易黒字)を維持しました。
8月にRBA(豪準備銀行)が発表した金融政策報告書(四半期毎発表)によると、16年の実質GDP成長率(予想)は+2.5~3.5%と、5月報告から据え置かれました。17年も同様です。また、新設された18年は+3~4%でした。4-6月期は減速したものの、16年前半は+3.1%と高いため、下方修正にならなかったと見られます。
金融緩和にもかかわらず底堅い豪
豪経済はおおむね底堅いものの、RBAは低インフレを背景に、年初来2回利下げを実施しました。しかし、豪ドル対米ドル相場は底堅く、1月に1豪ドル0.68米ドル台まで下落したあと反発し、現在は0.76米ドル台まで上昇しています。
豪ドル上昇の背景には、国際商品市況の回復が挙げられます。しかし、RBAが過度な豪ドル高を警戒する政策スタンスを採っているため、4月以降はCRB商品指数◇を相対的に下回る状態が続いています。本来、豪ドルは国際商品市況との連動性が高く、同指数の水準に照らして割安感があります。原油価格をはじめ国際商品市況は安定しつつあるため、豪ドルは底堅く推移すると期待されます。
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