RBI、政策金利据え置き~今後の市場動向は?
2016/08/10
<投資信託>
- 政策金利を6.5%に据え置きました。インフレ率が高めですが、政策効果の浸透を見極める姿勢です。
- 企業活動は堅調、農業もおおむね安定した気候の下で順調です。インフレ率は横ばいが見込まれます。
- 堅調な景気と高金利を背景に、インドルピーは対ドルで底堅く、対円でも下げ止まりが期待されます。
インフレ率は年度内ほぼ横ばいへ
RBI(インド準備銀行)は9日、金融政策決定会合を開き、政策金利であるレポ金利を6.5%で据え置きました。前回(6月)に続いての据え置きです。これまでの金融緩和政策の効果の浸透を見極める姿勢です。
6月のCPIは前年同月比+5.77%と、インフレ目標(+4%±2%)の上限近くに上振れしています。食品が全体を押し上げています。RBIは、雨期の農作物の作付は、おおむね安定した気候の下で順調で、今後食品は落ち着くとしています。公務員の賃金上昇が住居費を押し上げる可能性があるものの、両者相殺で16年度末(インドの年度は日本と同じ)にかけて、インフレ率はほぼ横ばいで推移すると予想されています。
7%超の経済成長と改革の進展でインド市場は引き続き注目
また、景気は引き続き堅調と予想されています。鉱工業生産が底打ちし、農業も上記のとおり好調が予想され、16年度のGVA(総付加価値、GDPとほぼ同じ)は実質で+7.6%とRBIは予想しています。また、8月3日に可決成立した物品・サービス税(GST)で、国内の間接税体系が統一され、経済活動の活発化が期待されます。
インド株式市場は堅調です。代表的株価指数のSENSEX指数は、世界的に年初来の安値となった2月11日を基点にすると22%上昇、年初来高値近辺です。業績見通しも良好で、上値をうかがう展開が期待されます。また、通貨ルピーは対ドルでは底堅く、対円でも、大幅なドル安・円高にならない限り底打ちしてくると見込まれます。新興国のトップパフォーマーともいえるインドの市場は引き続き注目されそうです。
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