7月の「街角景気」について(日本)
2016/08/08
<投資信託>
- 判断DIは現状、先行き双方が前月比大幅上昇しました。センチメントはひとまず落ち着きました。
- 海外経済への不安は残るものの、景気対策への期待が見られます。景気判断も上方修正されました。
- 年度後半は大きな市場の混乱がない限り、景気対策効果によるセンチメント押し上げが期待されます。
市場心理の落ち着きによる反動高
「街角景気」は正式には景気ウォッチャー調査といい、小売店員、サービス業者、中小企業主など、全国2,050名の「景気ウォッチャー」によって、経済の末端の景況感を測ったものです。5段階で景気の現状、先行きを評価し、判断DI※を集計します。50が景気に対する中立点です。
8日、内閣府が発表した7月調査は、現状判断DIが前月比+3.9ポイントの45.1、先行き判断DIが同+5.6ポイントの47.1でした。Brexit(英国のEU離脱)決定に伴う市場の混乱が落ち着いたのに加え、8月2日に閣議決定された景気対策に対する期待もあり、半ば反動で上昇したと見られます。景気判断も「引き続き弱さが見られる」から「持ち直しの兆しが見られる」へ上方修正されました。景気判断の上方修正は1年3カ月ぶりです。
困難乗り越えてきた信頼性の向上も垣間見える
今年は、年初からの原油安、円高による企業業績不安、世界経済減速、繰り返されるテロ、Brexitなど、多くのリスクにさらされ、センチメントが押し下げられてきました。特に、今年最大のリスクとされていたBrexitが予想外に決定してしまい、世界の目が一気に先行き悲観に向きました。ところが、約1カ月半経過して市場は落ち着いています。足元のセンチメント改善は、これまで多くの困難を乗り越え、経済に対する信頼感回復が反映され始めたことを示唆しているのではないかと思われます。
年度後半は、景気対策等によって景気下支えが切れ目なく執行されると見込まれます。先行き判断DIの大幅な上昇に見られるように、Brexit並みの大きな市場の混乱がない限り、個人消費や設備投資が活発化するといった経済効果でセンチメントが押し上げられると期待されます。
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