7月の米国雇用統計と今後の金融政策

2016/08/08 <>
  1. 非農業部門雇用者数は前月比+25.5万人でした。幅広い業種で雇用増加が見られました。
  2. 民間時間当たり平均賃金は前年同月比+2.6%と好調維持。先行きインフレ率を押し上げそうです。
  3. 早期利上げ期待が再び台頭していますが、低インフレ率、大統領選等を受け、年末以降が有力です。

5月の不振を挽回

8月5日、米労働省が発表した7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+25.5万人と、2カ月連続で増加幅が20万人超となりました。5月に同+2.4万人と失速しましたが、その後の増加で挽回した形です。なお、失業率は4.9%で前月比横ばいでした。

業種別では、企業向けサービスが前月比+7.0万人、レジャー・接客業が同+4.5万人、政府部門が+3.8万人など、サービス業が好調です。また、財生産業(製造業、建設業など)も2カ月連続で増加し、幅広い範囲で雇用の増加が見られました。また、雇用全体の動きに対して2〜3四半期先行する傾向のある人材派遣業は同+1.7万人と、5月に減少した後2カ月連続で増加しました。これは、来年春頃まで雇用増加が続くことを示唆するものです。

201608081

来年にはインフレ目標達成に近付く

民間の時間当たり賃金は、前年同月比+2.6%と前月から横ばいでしたが、労働需給が徐々にひっ迫化しており、伸び率は徐々に上がってきています。

一方、インフレ率については、PCE価格指数(コア指数)が6月時点で前年同月比+1.6%と、このところ横ばい傾向です。しかし、賃金のプラス幅が広がる方向性が維持されれば、インフレ率は押し上げられ、17年には金融当局のインフレ目標である+2%に近付くと思われます。好調な雇用統計を受けて再び早期利上げ期待が台頭していますが、足元のインフレ率や、大統領選が近いこともあり、実際には年末以降になる公算が大きいと予想しています。

201608082

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会