豪中銀、今年2回目の利下げ~豪ドルの行方は?
2016/08/02
<投資信託>
- RBA(豪準備銀行)は本日の理事会で政策金利を1.5%に引き下げました。利下げは今年2回目です。
- 豪経済は底堅いものの、インフレ率が目標を大幅に下回るため、インフレ期待の醸成を狙います。
- 主要国の緩和姿勢が維持される中、豪ドルは依然「金利のある」通貨との認識から下値は堅そうです。
ディスインフレが進行、インフレ喚起
本日、RBA(オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に引き下げました。利下げは今年2回目です。
豪経済は、国際商品市況低迷の影響がまだ残っており、企業投資が芳しくありません。一方、個人消費は幾分伸びが鈍化しつつも、良好な雇用環境の下で底堅く推移しており、全般的には着実な成長を続けています。しかし、インフレ率が低下を続けており、4-6月期のCPIは前年同期比+1.0%にとどまりました。非耐久財やサービスの一部が下落しており、ディスインフレが進行しています。今回の利下げは、目標を大幅に下回るインフレ率を押し上げるべく、景気刺激によってインフレ期待を喚起することが主な目的と見られます。
「信用度の高く、かつ金利のある通貨」の位置づけは変わらず
豪ドルは、利下げ直後こそ対米ドル、対円双方で下落しましたが、足元は落ち着いた動きとなっています。
原油価格下落の影響でCRB商品指数が下げていることは、資源国通貨の色彩が濃い豪ドルにはマイナスです。しかし、主要国が緩和姿勢を維持し、マイナス金利が広がる中で、豪ドルは数少ない「信用力が高く、かつ金利のある通貨」という位置づけから、利回り追求の投資資金が集まりやすいと思われます。また、国際商品市況が弱いとはいえ、年初の頃の下落局面と比べると、商品によって価格の動きがまちまちで、下値余地は大きくないと見られます。これらの情勢を受け、豪ドルは底堅く推移すると思われます。
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