南アフリカの金融政策と今後のランド相場について

2016/07/22 <>
  1. 南ア準備銀行(SARB)は71921日の金融政策委員会で、政策金利を7.00%で据え置きました。
  2. インフレ上昇懸念は依然根強いものの、ぜい弱な経済に鑑み、金融引き締めを先送りしました。
  3. 世界的な高利回り指向が、引き続き南アフリカランド(以下、ランド)の下支えになる見通しです。

2会合連続据え置き

南アフリカ準備銀行(SARB)は7月19~21日の金融政策委員会で、政策金利を7.00%のまま据え置きました。インフレ上昇懸念は依然根強いものの、ぜい弱な景気に鑑み、金融引き締めの先送りの余地があると判断したためです。

6月のCPIは前年同月比+6.3%と、5月の同+6.1%より加速し、依然中銀のインフレ目標上限+6%を超えて推移しています。内需低迷にもかかわらず、干ばつの影響で食料品価格が高止まりしていることが主因です。農作物や食肉価格の値上がりを受け、CPIは年末にかけてピークを迎えると予想されているものの、中銀はインフレ見通しを前回より若干下方修正しました(16年:同+6.7→6.6%、17年:同+6.2%→+6.0%)。主に原油価格値下がりによる管理価格インフレの落ち着きが理由です。

一方で、中銀は厳しい国内経済見通しを背景に、16年の成長見通しを+0.6%→0.0%へと下方修正しました。1-3月期のマイナス成長に引き続き、予断を許さない状況です。クガニャゴ総裁も「インフレ見通しが著しく悪化すれば、適切に対応する。」として、追加利上げも辞さない構えです。

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利回り指向がランドを下支え

ランド相場は、先進国の国債利回りの多くが長期までマイナス利回りに沈む環境下で、高利回りを指向する海外投資家からの旺盛な投資資金流入により、反発に転じています。

世界経済の不確実性の高まりは否めないものの、相対的な高金利や商品市況の持ち直しは今後ランドにとって下支えになると考えられます。

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