7月のオーストラリア(豪)の金融政策と豪ドルの見通し
2016/07/05
<投資信託>
- 政策金利は1.75%で据え置かれました。低インフレと緩やかな景気拡大の下、引き続き様子見です。
- 商品市況の緩やかな回復が続き、豪ドル相場は対米ドルで底堅く、RBAが警戒するところです。
- 対円では米ドル安・円高の影響を受けて弱含みですが、Brexitショックは吸収され、落ち着く方向です。
前回に続き政策効果を見極め
本日、RBA(オーストラリア準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを1.75%に据え置くと決定しました。
豪経済は、今年春先までの国際商品市況低迷の影響から企業投資の不調が続いています。一方、良好な消費マインドを背景に個人消費は底堅く、景気は緩やかに拡大しています。労働コストの伸びは依然低く、期待インフレ率とされる月次推定CPIは、6月は前年同月比+1.5%に回復したものの低水準です。RBAは現在の政策金利の水準で、中長期的に適切な経済成長とインフレ率が達成されると予想しており、今回は前回に続いて政策効果を見極めるスタンスです。
Brexitは豪ドルを押し上げ
豪ドルは、対米ドルで強含みで推移しています。Brexit(英国のEU離脱)が決まったことは、一時豪ドルを押し下げましたが、その後は底堅く推移しています。RBAは豪ドル高は景気回復の妨げになるとして依然警戒しています。
豪ドルの底堅さは、Brexitが国際商品市況上昇につながったためで、欧州債務危機の局面(2010~12年)でも見られました。先進国経済に対する不透明感が強いと、リスク回避の一環で金融商品よりも現物商品に投資資金が向かいやすくなるためです。豪ドル相場は国際商品市況の動きとの連動性が高く、対米ドルで押し上げられたと見られます。一方、対円相場は、Brexitによる急激な米ドル安・円高で下落しています。ただし、ショックはほぼ吸収されており、落ち着く方向にあると見られます。
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