5月の「街角景気」について(日本)
2016/06/09
<投資信託>
- 現状判断DIは前月比-0.5ポイントなのに対し、先行き判断DIは同+1.8ポイントと改善しました。
- 小売関連全般に業況改善期待が高まっているほか、企業活動、雇用情勢にも改善期待が見られます。
- 所得環境が改善しているほか、企業業績懸念も一巡しており、景気が上向く兆候かもしれません。
先行き判断DIが4カ月ぶりに上昇
「街角景気」は正式には景気ウォッチャー調査といい、小売店員、サービス業者、中小企業主など、全国2,050名の「景気ウォッチャー」によって、経済の末端の景況感を測ったものです。5段階で景気の現状、先行きを評価し、判断DI※を集計します。50が景気に対する中立点です。
8日、内閣府が発表した5月調査は、現状判断DIが前月比-0.5ポイントの43.0、先行き判断DIが同+1.8ポイントの47.3でした。先行き判断DIの上昇は小売関連全般に見られるほか、企業動向関連、雇用関連も改善しており、景気が上向く兆候ともとらえられます。
景気刺激的な政策スタンスに期待感が高まる?
今回、先行き判断DIが上昇したのは消費税増税の再延期の影響が大きいと思われます。先行きに対する景気判断理由集をみると、消費税再延期で家計の財布のひもが緩むのではないかと期待を寄せる向きが多く、全コメント中、百数十カ所で言及されていました。一方、レジャー関連は、円高進行によって外国人観光客が頭打ちになることを懸念する向きが見られました。
また、今後は追加財政支出による景気刺激策が打ち出される公算が大きく、雇用・所得環境のさらなる改善が期待されたと見られます。所得環境については、厚生労働省の統計によると、実質賃金が4月時点で3カ月連続でプラスとなっており、先行き個人消費が増加する兆しが出てきています。また、年初以来の急激な円高がここにきて一服しており、企業業績に対する先行き懸念が和らいでいます。先行き判断DIの改善は、景気が上向く兆候を経済の末端でも感じられるようになっているのではないかと思われます。
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