インドの金融政策と、今後の市場展望
2016/06/08
<投資信託>
- 政策金利を6.5%に据え置きました。緩和的なスタンスの下、政策効果の浸透を見極める姿勢です。
- 企業活動が一部活発化してきていますが、当面は低金利による投資需要刺激を必要としています。
- 総体的に好調な経済を背景に通貨ルピーは安定、株価は業績回復観測から堅調に推移しそうです。
確実に高成長を達成すべく、低金利で企業活動支援
インド準備銀行は(RBI)は7日、金融政策決定会合を開き、政策金利のレポ金利を6.5%で据え置くと決定しました。インフレの安定を背景に、4月5日の会合では景気刺激のために利下げしましたが、今回は政策効果の浸透を見極める姿勢です。
インドは、主な新興国では最高の+7%台の実質GDP成長率が予想されています。ただし、季節風の影響で農業が必ずしも安定していないという構造的懸案があり、最近では企業の設備投資がやや弱い状況です。そこで、モディ政権による構造改革や積極的なインフラ投資の経済効果を着実に浸透させるべく、緩和的な政策スタンスを採っています。企業活動は一部の業種で活発化の兆しはありますが、RBIは、低金利によって資金調達コストを抑え、投資需要を刺激する必要があるとしています。
企業業績大幅回復への期待強い
市場は、主な新興国の中では好調な経済を好感しています。主要株価指数であるSENSEX指数は8カ月ぶりに2万7000ポイントを回復しました。EPS(1株当たり利益)は15年は前年比-8.4%でしたが、16年は同+19.9%と2ケタ増が予想されており、企業業績が大幅に回復すると期待されています。
通貨ルピーについては、RBIが国際収支の悪化を防ぐために過度なルピー高にならない政策方針を採っていますが、好調な経済を背景に対ドルでは当面安定して推移しそうです。一方、対円相場は年初からのドル安・円高を受けて下落しています。ただし、一方的な円高は一巡しつつあり、下げ止まりそうです。
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