インドネシアの金融政策と今後の市場展望

2016/04/22 <>
  1. インドネシア中央銀行は(BI)20-21日の定例理事会で、政策金利を6.75%で据え置きました。
  2. インフレは引き続き安定。先進国の緩和的政策スタンスから当面は順調な資本流入も期待されます。
  3. 資本流入による国際収支改善により、通貨ルピアは底堅く推移し、株価にも追い風になりそうです。

堅調な内需から景気は良好、インフレは安定

インドネシア中央銀行(Bank Indonesia、BI)は20-21日に定例理事会を開き、政策金利を6.75%に据え置くと決定しました。

3月のCPIは前年同月比+4.45%とインフレ目標の範囲内にとどまっています。国内景気は、政府支出の増加と、個人消費の好転で内需が堅調なのに加え、パーム油などの主要な輸出品目の価格上昇などを背景に貿易収支が黒字傾向となっています。また、日本、ユーロ圏のマイナス金利をはじめ、先進国が強力な緩和政策を続けている影響で国内への資本流入が活発化し、通貨ルピアが対ドルで堅調に推移したことから、インフレ圧力も後退しています。「インフレなき好況」の兆しから、利下げはひとまず一巡の様相です。なおBIは、金融政策の透明性向上のため、1年を基準としていた政策金利を8月から1週間を基準にすると15日に発表しました。ちなみに現在発表されている1週間物政策金利は5.5%です。

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年後半にかけての景気見通しは良好、追い風の投資環境

ルピアは1ドル=13000ルピア台で底堅く推移しており、株価は年初以来上昇基調です。代表的な株価指数であるジャカルタ総合指数(JCI)は、4月21日時点で年初来高値となっています。

BIは、政府による活発なインフラ投資と個人消費の回復を中心に、国内景気は年後半にかけてさらに良くなっていく一方、インフレは安定した状態が続くと予想しています。先進国の金融緩和スタンス(米国は利上げペースの後退)が早期に転換するとは予想しにくく、通貨、株式に対する投資環境は当面良好な状態が続くと期待されます。

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