16年1-3月期GDP統計(中国)

2016/04/15
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+6.7%でした。第三次産業の減速で7年ぶりの低成長です。
  2. 個人消費が減速する一方、固定資産投資は持ち直し、輸出回復で外需もプラス寄与と見られます。
  3. 中長期的には減速するものの、当面は積極的な金融・財政政策の効果で景気は底堅く推移しそうです。

徐々に減速、政策主導の成長

本日、中国国家統計局が発表した16年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.7%でした。前期から0.1ポイント減速し、09年1-3月期以来の低成長となりました。中心的存在の第三次産業が同+11.9%から同+11.2%へ減速しました。

主な経済指標の動きは、1-3月の小売売上高が前年同期比+10.3%と、10-12月期の同+15.8%から大幅に減速しました。一方、1-3月期の固定資本投資は同+10.7%と3期ぶりに2ケタを回復しました。国営・国有企業の投資が同+23.3%と急増し、財政主導の増加と見られます。また、不動産開発投資が同+6.2%で、3期ぶりにプラスとなりました。また、輸出入は、3月の輸出が9カ月ぶりにプラスに転じたことで貿易数量も輸出優位で推移しており、成長率に対してプラス寄与になったと見られます。

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当面は政策対応の成果を享受、元は安定へ

中国経済は、消費主導の経済への移行期にあり、中長期的には減速する方向にあります。IMF(国際通貨基金)は16、17年共に減速すると予想しています。

しかし、足元は約1年半にわたって続けられた金融緩和(利下げや預金準備率引き下げ)や財政出動の効果が出てくる段階にあり、減速ペースもごく緩やかなものにとどまると見込まれます。中国元は、15年8月の突然の切り下げ以来、下落基調が続き、切り下げ前の1ドル約6.2元から約6.6元へ下落しました。年明け後は底打ちし、現在は6.48元近辺です。景気持ち直しの方向にある中で、当面、中国元の下落リスクは後退し、安定して推移すると思われます。

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