2月の小売売上高と足元の消費マインド(米国)

2016/03/16 <>
  1. 2月小売売上高は前月比-0.1%でした。1月が下方修正でマイナスとなり、冬場消費は低調です。
  2. 3月月初までの消費マインドは横ばい、景気認識は底堅いものの、資金繰りがやや弱い状態です。
  3. 賃金の伸びは徐々に加速してきており、第2四半期以降は堅調に推移すると期待されます。

2年連続の冬場低調

米商務省が15日発表した2月の小売売上高は前月比-0.1%でした。1月分が速報の+0.2%から-0.4%へ下方修正されたことで、2カ月連続マイナスとなりました。自動車販売の下方修正が大きく影響しました。冬場の小売売上高は15年に続き2年連続で低調です。14業態中、前月比プラスは飲食サービス、娯楽など5、残り9はマイナスでした。ガソリン価格下落による売上高減少が響きました。

実質個人消費を見る際に参考となる、CPIを使って実質化した「実質小売売上高」は1-2月期平均が10-12月期に対して+0.6%となっています。10-12月期は前期比+1.0%だったので減速気味ですが、底堅く推移しています。

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マインドは良くも悪くもない水準、株価への反応は限定的

足元の消費マインドは、ほぼ横ばいで推移しています。週次発表のBloomberg消費者安心度指数は年初からほぼ横ばいで推移しています。この間株価が大幅に上下しましたが、反応は限定的です。

同指数は経済環境、資金繰り、購買意欲の3指数で構成されています。このうち、経済環境と購買意欲はまずまずですが、資金繰りがやや弱い状況です。賃金の伸びが十分ではないという認識から、消費を積極化させることに慎重なようすがうかがわれます。しかし、FRB(米連邦準備理事会)のイエレン議長が利上げの条件として掲げていた「雇用のたるみ」はほぼ解消しており、労働需給改善で賃金の伸びは押し上げられやすくなっており、小売売上高、ひいては個人消費は第2四半期以降堅調に推移すると期待されます。

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☆雇用のたるみ:FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを判断する際に重視している概念。たるみは英語では”slack”。長期失業者数やパートタイム労働者の割合、失業期間などが、少なくとも前回の景気後退期(07年12月~09年6月)以前に戻る展望が描ける状態になることが、たるみ解消と見られている。

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