インドネシアの15年10-12月期GDP統計
2016/02/09
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比+5.04%でした。市場予想を上回る、4期ぶりの+5%台でした。
- インフラ投資など積極財政による景気押し上げ効果が大きく、輸出の不振を補いました。
- インフレ率がターゲット内に収まるなど、安定した経済情勢を受け、当面通貨、株価は底堅そうです。
積極財政主導の成長続く
2月5日、インドネシア中央統計庁が発表した15年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.04%と、+4%台後半の市場予想を上回りました。+5%台の成長率は4期ぶりです。中国需要の減退などから輸出が同-6.44%と大幅に減少したものの、最終消費が同+5.35%、固定資本投資が同+6.90%と堅調でした。政府は、道路、灌漑、電力設備への新規投資を推進しており、15年後半から成長率を押し上げています。
インドネシアは15年後半以降CPI(消費者物価指数)上昇率が鈍化し、現在は+3~5%のインフレ目標内に収まっています。これを受けてインドネシア中央銀行が1月に利下げを実施し、インフレ安定→利下げ余地拡大→景気刺激の好循環となっています。IMF(国際通貨基金)によると、今後も+5%台の成長ペースが続くと予想されています。
良好なファンダメンタルズは通貨、株価にプラス
堅調な実質GDP成長率を受け、通貨ルピアは底堅く推移し、JCI(ジャカルタ総合指数、インドネシアの代表的株価指数)は前日比3%近く上昇しました。
経常赤字体質が変わっていないこと、緩やかなルピア安を政策面で指向していることなどは、ルピアの上値を抑える要因ですが、景気の好循環が当面続くとの見方から下値不安は小さそうです。また、企業業績回復への期待から株価は底堅く推移すると期待されます。
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