インドの金融政策と今後の市場展望

2016/02/03 <>
  1. 政策金利は6.75%で据え置きでした。安定したインフレの下、利下げの効果を見極める姿勢です。
  2. 15年は新興国経済への不安から通貨、株価共下落しましたが、新興国の中では底堅い展開でした。
  3. 相対的な景気の強さから通貨ルピーは底堅く推移し、株価は増益予想を背景に反発が期待されます。

世界的な市場、経済の動揺をにらみ様子見

インド準備銀行(RBI)は、2日に政策決定会合を開き、政策金利を6.75%に据え置くことを決定しました。世界的に市場、経済が動揺する中、12月に実施した0.5%利下げの効果を見極める姿勢です。

足元のインド経済はやや減速しています。鉱工業生産は10-11月平均が前年同期比+3.4%と7-9月期の同+4.8%を下回っています。投資需要の伸び悩みで資本財の生産が振るわなかったことが影響しました。一方、12月のCPIは同+5.6%と、引き続き目標(+6%)を下回っています。RBIは中期的におおむね+5%台の上昇が続くと予想しており、安定した物価環境の下、政策金利は当面据え置きになると思われます。

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相対的な経済情勢の良好さからインド投資の妙味が再認識される可能性

15年は国際商品市況の下落から、新興国経済の先行き不安が醸成され、インドもその一環で、通貨、株価が下落しました。通貨ルピーは対円で4.3%、株価(センセックス指数)は5.0%のいずれも下落でしたが、新興国の中では底堅い展開でした。

その背景にはインド経済の好調さがあります。16、17年共に+7%台の実質GDP成長率が予想されています。モディ政権の下で改革も徐々に進展していくと見込まれ、金利水準も利下げされたとはいえ6%台は高水準です。企業業績は15年は小幅減益でしたが、16年は5~10%程度の増益に転じるとの予想がもっぱらです。こうした中、インド投資の妙味が再認識される可能性があると期待されます。

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