トルコ経済の現状(2020年7-9月期GDP)~当面のリラ相場展望

2020/12/01
  1. 実質GDPは前年同期比+6.7%でした。内需のリバウンドが大きく、コロナ前の水準を上回りました。
  2. 新型コロナの感染再拡大で経済活動の制限が再開され、年末にかけて景気の伸び悩みが懸念されます。
  3. 景気、経済外でリスクを抱えつつも、市場のリスク選好改善で、リラの下落圧力は和らいだと見られます。

早くも「コロナ前」を回復、目先は懸念も

11月30日、トルコ統計局が発表した2020年7-9月期の実質GDPは前年同期比+6.7%、前期比は+15.6%でした。トルコ政府は新型コロナ対策を6月から緩和し、7-9月期はその恩恵を受ける形となりました。内需のリバウンドが全般的に大きく、実質GDPの水準は「コロナ前」である2019年10-12月期を上回り、諸外国と比較しても景気回復は順調でした。製造業PMIは7月が当面のピークですが底堅く、小売売上高、鉱工業生産といった実際の経済活動も順調に回復しています。

しかし、新型コロナの感染再拡大を受けて、11月に経済活動の制限を再開し、12月からは強化されました。11月時点では消費マインドに大きな動きはありませんが、今後はサービス業の景況感後退が懸念され、10-12月期は景気の回復が鈍化する可能性が高まっています。

下落要因一辺倒ではなくなったリラ相場

トルコリラ(以下、リラ)相場は、10月下旬から11月上旬にかけて急落しましたが、その後反発しています。大幅な利上げで金融面での妙味が回復したほか、順調な景気回復が確認されたことも好感されています。

景気が目先伸び悩むリスク、内政、地政学などの経済外的リスクがくすぶっていることはリラ安要因です。一方、外貨準備高については、11月20日時点で437億ドル、前年末比-46%と急減しているものの、10月以降は400~450億ドルで安定してきています。また、新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいることで市場のリスク選好が高まっています。したがって、リラ相場は、引き続き不安定ながらも下落圧力はひと頃より和らいだと見られます。

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