ユーロ圏の9月景況感について

2020/09/25 <>
  1. ユーロ圏の9月の景況感は改善方向ですが、コロナ禍における経済活動再開の限界を示しています。
  2. 経済活動の再規制は限定的で、景気がリバウンドから安定的な回復に向かう流れが続くと考えます。
  3. 市場は、依然新型コロナの感染状況に敏感です。目先は神経質ですが次第に落ち着くと見込まれます。

リバウンド後の回復度合いがカギ

ユーロ圏の9月景況感指標は、経済活動再開の広がりを受けておおむね改善しました。ただし、コロナ禍において、景況感回復に限界があることも示されました。IHSMarkitが発表したPMI(総合)は、前月比-1.8の50.1と2ヵ月連続で低下しました。サービス業が3ヵ月ぶりに50を割り込みました。景気はリバウンドの先を見据える段階になってきましたが、接客を伴うサービス業の活動には依然として制限があり、今後の緩和次第で、景況感の回復度合いが影響を受けると見られます。

また、CESifo発表のドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比+0.9の93.4と上昇が緩やかになりました。こちらもサービス業の景況感改善が抑えられています。市場参加者を調査対象とする景況感指標では、ZEW指数(期待)は前月比+9.9の+73.9と強気な見方がさらに優勢となっています。欧州主要国では新型コロナの感染が再拡大していますが、経済活動の再規制は限定的と見られ、景気が7-9月期にリバウンドした後も安定的に回復していく方向は変わらないと考えます。

※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出

◇センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出

市場はスピード調整中

ユーロ相場と欧州株は、経済正常化への期待で、これまで底堅く推移していました。しかし、割安感が乏しくなってきたことに加え、新型コロナの感染再拡大への懸念など、リスク回避指向が台頭してきたことから、このところ調整局面にあります。

目先は神経質な展開は避けられないものの、為替、株価共に次第に落ち着くと考えています。景気回復の方向は変わらないと見込まれ、割高感が是正された後は再び底堅さが増してくると考えます。

※ユーロ・ストックス指数はSTOXX Limitedが発表しており、著作権はSTOXX Limitedに帰属しています。

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