メキシコ経済の動向~2020年4-6月期GDPと市場展望
2020/08/04
<投資信託>
- 実質GDPは前年同期比-18.9%でした。ロックダウンの影響で過去最悪のマイナス成長となりました。
- 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、経済活動を再開しながらも依然として手探りの状態です。
- 景気回復が遅れるとの懸念から金利低下観測が強く、ペソは方向感のない展開が予想されます。
経済活動再開もサービス業で依然制限強い
7月30日、メキシコ国立地理統計院(INEGI)が発表した2020年4-6月期の実質GDPは、前年同期比-18.9%(前期比-17.3%)でした。新型コロナウイルス感染防止のため、3~5月にロックダウン(都市封鎖)を実施した結果、過去最悪のマイナス成長となりました。産業別では第二次産業が同-26.0%と最も厳しく、第三次産業は同-15.6%、第一次産業は同-0.3%でした。
メキシコ政府は、6月から本格的な経済活動再開を実施するに際し、4色(赤、橙、黄、緑)の信号情報で活動の指針を示しています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、全地域が赤または橙となっており、サービス業は再開できないか、業容の半分以下の活動に制限されます。期待された観光地の再開も現時点では見通しが立たない状態です。ただ、企業の景況感は回復しており、7月のIMEF景気指数は、製造業、非製造業共に、2月の水準近くまで上昇しています。企業の生産が回復しており、7-9月期はリバウンドのプラス成長が期待されます。
不安要素多く方向感のない展開か
メキシコペソ(以下、ペソ)相場は、6月中旬以降もみ合っています。新型コロナウイルスへの対応のため景気回復が遅れる、または緩慢なものにとどまるとの懸念が強まっています。
また、現在の政策金利が5.0%と、インフレ率(6月CPI〔消費者物価指数〕は前年同月比+3.3%)を差し引いた実質金利では諸外国と比べて高く、景気下支えのための追加利下げが予想されます。景気面、金利面が相乗的にペソにとって逆風となり、当面は方向感のない展開が見込まれます。
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