米企業の景況感(5月)について
2020/06/04
<投資信託>
- ISM景気指数は、経済活動の一部再開でPMI、NMIが小幅上昇しました。厳しい局面は変わりません。
- 経済活動再開の初期的な反動が見られる一方、物流障害が緩和しているようすもうかがわれる展開です。
- 行き過ぎの反動に要注意も、景気回復期待と金融緩和による低金利で株価は底堅いと見込まれます。
厳しいながら最悪期脱出へ
ISM(全米供給管理協会)が発表した5月のPMI(製造業・景気指数)は、前月比+1.6の43.1、NMI(非製造業・景気指数)は同+3.6の45.4でした。一部の州で経済活動が再開されましたが、まだ新型コロナウイルスの感染拡大を強く意識した状態であり、企業の景況感も小幅な改善にとどまりました。
個別の構成指標では、生産指数(NMIは活動指数)、新規受注指数の上昇が目立ち、停止していた活動を再開した初期的な反動が見られます。一方、ネット通販の急増で物流が障害を来し、納品指数が急上昇(納品までの時間が長期化)していましたが、5月は一転して急低下しました。通販利用の安定化に加え、業者側の対応の進展もあったと見られます。雇用指数は製造業、非製造業共に上昇しました。雇用者数の減少は5月も続き、失業率は20%前後まで上昇する可能性がありますが、週次統計の失業保険申請状況を見る限り、雇用の減少は最悪期を脱した可能性があります。
金融相場から現実としての景況感改善を見据える段階へ
米国では株価が堅調です。NYダウは3ヵ月ぶりに2万6000ドル台を回復しました。足元の状況よりも、年後半以降の景気回復に対する期待感が株価を底上げしているのに加え、国債の無制限購入など強力な金融緩和によって、長期金利が低位に維持されている安心感も影響していると見られます。
企業業績の悪化はある程度織り込んでいると見られますが、来月は4-6月期決算の発表が始まり、現実を確認する段階に入ります。夏場から秋口にかけては行き過ぎた部分の反動もあると思われます。一方、秋以降は政策効果が顕在化し、企業の景況感改善を後押しする状況になってくることも見込まれるため、株価は基本的に底堅く推移すると考えられます。
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