トルコが緊急利下げ
2020/03/18
<投資信託>
- トルコ中央銀行は金融政策委員会を繰り上げて実施し、政策金利を1%引き下げ、9.75%としました。
- 民間部門に対する資金繰り支援の必要性が高まっており、潤沢な資金供給のための施策も発表しました。
- 中長期的な景気刺激要因でリラには追い風も、経済外的リスクが根強く、当面は安値圏が続きそうです。
資金コスト抑制に加えて資金繰り支援も
トルコ中央銀行(以下、中銀)は17日、金融政策委員会を開きました。予定していた19日から繰り上げされました。政策金利(1週間物レポ金利)は1%引き下げられ、9.75%となりました。月1回開催となった今年は、3ヵ月連続の利下げとなっています。
中銀はそのほか、潤沢に資金を供給する政策も発表しました。主なところは①日中もしくは翌日物の資金需要を全額供給する、②1週間物レポに加えて91日間を上限に必要に応じて資金を供給する、③外貨預金の預金準備率を5%引き下げる、といったところです。これらの施策は、新型ウイルスの感染拡大で世界的に経済活動が制限される中、輸出業者など、民間部門に対する資金繰り支援の必要性が高まってきたことが背景にあります。
根強い経済外的リスク
トルコリラ(以下、リラ)相場は、2月以降下落基調が強まっています。新型ウイルスの感染拡大を受けた世界的な景気先行き不安から、市場のリスク回避傾向が急速に強まり、多くの新興国通貨が下落する流れに巻き込まれました。
緊急措置に対する市場の反応はおおむね良好で、17日の為替市場でリラはやや持ち直しました。しかし、まだ世界的に市場が混乱しており、リスク回避指向が根強いため、安値圏での推移であることに変わりありません。
諸外国、地域での金融政策面での対応と同様、今回の政策判断は中長期的な景気刺激要因となり、現在、回復傾向が鮮明化しているトルコの景気をさらに押し上げると見込まれます。シリアをめぐる軍事的緊張や、強権的政治姿勢に対するイメージの悪さなど、経済外的要因でリラの価値がおとしめられるリスクは相変わらずですが、少なくとも景気面ではリラに追い風になると考えます。
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