ユーロ圏の5月物価・4月雇用~金融政策、ユーロ相場への影響は?

2019/06/05
  1. 5HICPは総合が前年同月比+1.2%、コアが同+0.8%と特殊要因剥落で減速。低位安定です。
  2. 4月失業率は7.6%と、金融危機後の最低を更新しました。独以外の国の独への追随が続きます。
  3. 景気減速の影響で低位のインフレが続く一方、景気失速リスクは小さく、雇用増加が続くと予想します

低インフレ変わらず、雇用は緩やかな増加

Eurostat(EU統計局)が4日発表した5月のHICP(統合消費者物価指数)速報は、総合が前年同月比+1.2%(前月比-0.5)、コアが同+0.8%(同-0.5)と低下しました。4月に、外泊費、旅客サービスといった、上下動が大きい一部のサービス品目が上振れした反動が出た形です。ちなみに、これらの品目を除いた「修正後コア」を試算したところ、14ヵ月連続で前年同月比+1.0±0.1%となっており、低位で安定しています。

また、同日発表された4月の失業率は7.6%でした。金融危機後の最低を更新し、2008年8月以来10年8ヵ月ぶりの低水準です。今回は、スペインが13.8%(前月比-0.2)と、2008年11月以来の低水準となり、全体の低下をけん引しました。今年に入ってから、これまで雇用環境改善を先導したドイツに他国が追随する傾向となっており、景気回復の域内全般への浸透が見られます。

インフレ率は、これまでの景気減速の影響で、金融当局のインフレ目標(+2%弱)を下回る傾向が続く一方、景気が失速するリスクは小さく、緩やかに雇用が増加すると見込まれます。

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金融緩和傾向を確認、ユーロはもみ合い

ユーロ相場は英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる混乱や、低金利長期化観測等からさえない展開です。直近では、米利下げ期待が強まり、若干戻しています。

低インフレに変化がないことから、緩和気味の金融政策スタンスが確認されました。米国も緩和傾向にあるため、ユーロ相場は対ドルでもみ合い、対円は円高・ドル安となっている分、上昇が抑えられると考えます。

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