ユーロ圏の3月物価・2月雇用~ユーロ相場の展望
2019/04/03
<投資信託>
- 3月HICPは総合が前年同月比+1.4%、コアが同+0.8%。インフレ目標を下回る推移が続いています。
- 2月失業率は7.8%と、金融危機後の最低水準で横ばいでした。ドイツが史上最低を更新しました。
- 年前半は景気減速で低インフレが続きそうです。雇用環境はペースを緩めつつも改善すると考えます。
景気減速の影響が徐々に浸透
Eurostat(EU統計局)が1日発表した3月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+1.4%(前月比-0.1)、コアが同+0.8%(同-0.2)でした。最近の原油価格上昇からエネルギーが同+5.3%(同+1.7)となった一方、全体の44%を占めるサービスが同+1.1%(同-0.3)と鈍化したことが影響しました。サービスは一部の動きの大きい品目に引っ張られた可能性がある(詳細は未発表)ものの、すでに1年近く続く景気減速傾向がインフレ指標にも反映され始めた面もあると思われます。年前半は景気減速傾向から低インフレが続くと見込まれます。
また、同日発表された2月の失業率は7.8%でした。金融危機後の最低水準ですが前月比横ばいでした。ドイツが前月比-0.1の3.1%と、東西統一後の最低を更新しました。ほか、フランス(8.8%、同-0.1)、スペイン(13.9%、同-0.2)が約10年ぶりの低水準となりました。失業者数は18年10月に小幅増加したものの、その後は4ヵ月連続で減少しています(2月は前月比-7.7万人)。雇用環境も、景気減速傾向から徐々にペースを緩めつつも、改善傾向は続くと考えています。
Brexitが影を落とすユーロ相場
ユーロ相場は、欧米当局双方が景気重視の姿勢となっており、金利差に大きな変化が期待しにくくなり、金利面では上下に振れにくい展開です。
混迷を深めるBrexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)もユーロ相場に影を落としていると見られます。ユーロ安は景気刺激要因であり、年後半の景気にプラスと期待されますが、当面は足元の政治要因から方向感を見出しにくい展開が見込まれます。
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