ユーロ圏の2月景況感について
- ユーロ圏の2月景況感指標は、製造業が不調であった一方、全体的にはバラつきが見られました。
- ifo指数が特に弱く、ドイツ企業の景況感悪化が目立ちましたが、非製造業は下げ止まりも見られました。
- 欧米金融当局が緩和姿勢に変わったことは景況感には追い風です。ユーロ相場を支えると考えます。
弱めながらまだら模様も
ユーロ圏の2月景況感は引き続き弱く、年前半は減速傾向が続くことを示唆する内容でした。ただし、全体的にはバラつきが見られました。21日、IHSMarkitが発表したPMI(総合)は、前月比+0.4の51.4でした。うち、製造業が同-1.3の49.2と13年6月以来の50割れでした。景気が拡大に転じた時以来です。一方、サービス業は同+1.1の52.3と、内需には下げ止まりも見られました。
また、22日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は、前月比-0.8の98.5(15年=100)でした。現況指数(同-1.1、103.4)、期待指数(同-0.5、93.8)双方とも弱く、ドイツ企業の景況感の弱さが目立ちました。ただし、業種別には流通、建設で期待指数が前月比上昇し、変化も見られます。この他、ZEW指数※(期待)は同+4.3の-16.9、センティックス経済信頼感指数☆(ユーロ圏、総合)は同-2.2の-3.7など、全体的に弱いながら動きにバラつきも見られました。
金融政策の姿勢の変化が景況感に与える影響に期待
ユーロ相場は、景況感の冷え込みによる金利上昇期待の後退で、昨年は軟調な展開でしたが、11月頃から対ドルでは小動きです。対円では、円高・ドル安の進行で年初までは円高傾向、その後は動きが落ち着いています。
景況感の冷え込みは、むしろユーロの下落が一巡した後ですが、これは、世界的な景気減速が懸念される中で、欧米の金融政策の姿勢が、中立化もしくは引き締めから緩和気味へ変化したためです。景況感の下支え、もしくは欧米金利差拡大の一巡への思惑から、ユーロの割安感が強まったと見られます。これで、企業の景況感、特に先行きに対する見方の好転が鮮明化すれば、ユーロには追い風になると考えます。
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