金融政策期待で相場が動意付くのか?

2015/11/06

11月を迎えた今週の国内株市場ですが、月初であり、週初でもある2日(月)の日経平均終値が前営業日比で約400円も下げるスタートとなりました。「2日新甫(しんぽ)の相場は荒れる」という相場格言が頭をよぎる滑り出しとなりましたが、その後は比較的堅調に推移し、19,000円台水準での展開が続いています。また、今週は注目の大型新規上場(郵政3グループ)もありましたが、上場初日の初値は揃って公募価格を上回り、幸先の良い船出となった印象です。

あらためて日経平均の動きを振り返ってみると、10月は月間を通じて上昇基調を辿りました。9月28日の安値(16,901円)が底となり、足元で回復した19,000円台は、8月下旬以来でしたので、「9月に下げた分を10月で取り戻した」格好です。10月下旬からは、中国に対する過度な警戒が落ち着いたことや、国内外の金融政策への期待と思惑などを背景に戻りのペースに勢いが出ました。

とくに金融政策については、10月後半に色々と動きがありました。22日にドラギECB総裁が「12月の理事会で金融政策を見直す」と緩和含みの発言をしたほか、翌23日には中国人民銀行が基準金利と預金準備率の引き下げを決定し、28日の米FOMCでは、声明文に12月の利上げ実施の可能性を強調する内容が盛り込まれました。一方、国内では30日の日銀会合で追加緩和は見送られたものの、次回の会合が11月18~19日とさほど間隔がないことや、直前の11月16日に7-9月期のGDP公表が予定されることもあって、緩和への期待は持続している印象です。

足元の日経平均は19,100円台を超えると上値が重たくなる展開が多いですが、金融政策への期待はすでに10月の相場回復局面である程度織り込まれた可能性があるほか、注目度の高い欧米の金融政策イベントが予定されている12月までにはまだ日数があります。今週はイエレンFRB議長が議会証言で12月利上げの可能性に言及しましたが、相場のムードをガラリと変えるほどの反応はなく、本格的に先取りするにはまだちょっと早いのかもしれません。

とはいえ、金融政策絡みで相場が動意付くタイミング自体は意外と多いと思われます。まずは今週末の米雇用統計のタイミング、先ほども触れた次回の日銀会合(11月18~19日)前や、次回のECB理事会(12月3日)前、次回の米FOMC(12月15~16日)前などが想定されます。もっとも、金融政策への期待はマクロ環境の悪化によって高まる面もありますが、これらのタイミングで相場が短期的に上下のブレが発生し、ムードを次第に固めながら年末までの方向性を決定していくというのが基本的なシナリオとなりそうです。

 

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