予想通りの結果なのに・・・
今週最大の注目イベントだった米FOMCですが、資産購入額を100億ドル減額して月650億ドル規模と、市場の予想通りに量的緩和策の縮小を決めました。これを受けた米株市場が下落、日本株市場も日経平均が大きく下落するなど、予想通りの結果だった割にはかなりネガティブな反応でした。
テクニカル分析面では、日経平均は75日移動平均線を下回り、26週移動平均線も視野に入るまで下落していますが、昨年(2013年)も、この二つの移動平均線水準までの株価調整の場面があるため、今のところはまだ上昇トレンドは継続し、昨年末の過度な楽観の修正が進んでいる状況と見て良いと思われます。
とはいえ、前回のFOMCで量的緩和策の縮小が決定した際は、米国景気の回復基調と、日米の金融政策の方向性の違いで、株高と円安が進みましたが、今回のFOMCでは逆の動きとなっています。ご存知のように、アルゼンチン通貨ペソの急落をきっかけに、先週末あたりから新興国への不安が高まっており、FOMC後の米10年債利回りがやや低下したことからも、リスク回避ムードが意識されている印象を受けます。
そのため、しばらくは新興国不安を材料に不安定な相場展開が続きそうです。米量的緩和策の縮小をきっかけに新興国から資金が流出し、経常赤字国や対外債務の大きい国の資産が売られ、さらに経済がハードランディングするのではという一連の不安が「モヤモヤ」と意識されていることが、極端な相場の値動きとなって現れている段階と言え、具体的な不安要素の整理が進むにつれて市場も落ち着いていくと思われ、レンジ相場の格好となりそうです。
また、今年に入り、世界銀行やIMFが2014年の世界経済の見通しを発表しましたが、新興国の成長率の下方修正が目立っていた地合いだったことも、不安を助長させている面があるかもしれません。こうした新興国への不安の高まりと、2月はFOMCの開催がないこともあり、来月(2月22日~23日)に開催されるG20に注目が集まりそうです。
少なくとも、年末の株価上昇の中心材料だった、日米金融政策の方向性の違いによる円安観測は、株高材料としての推進力が弱まってきていると考えたほうが良さそうです。足元では国内企業の決算発表が本格化していますが、「円安効果以外で今後業績を伸ばす要素があるか」という点に注目が集まり、銘柄選別が進んでいきそうです。
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