4-6月期法人企業景気予測調査

2013/06/13

「アフター雇用統計」となった今週の株式市場。日経平均は大きく上昇してスタートするも、その後は軟調な展開が続いています。また、今週は日銀の金融政策決定会合が開催されましたが、特に目新しいものが出ませんでした。一部では「固定金利オペ」の貸出期間延長などが期待されていたため、売りにつながった側面もあります。

もっとも、PERなどの株価指標やテクニカル指標で見ると現在の株価に対して値頃感が出てきつつあるものの、週末(14日)にはSQが控えていることもあって値動きが大きく、積極的に買いを入れづらい状況で、売買もやや減少傾向となっています。休場明けの中国上海株市場が軟調であることや、来週には米FOMCが予定されており、相場が落ち着くまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。

さらに今週は4-6月期法人企業景気予測調査が11日に発表されました。この法人企業景気予測調査は、3月の当コラムでも触れましたが、法人企業(資本金1,000万円以上)を対象に、景況感や売上高、設備投資などの項目についてアンケート調査しているもので、四半期毎に財務省と内閣府が共同で実施しています。7月1日に発表される日銀短観の先行指標としても注目されています。

その結果と内容は概ね良好でした。企業の景況感を表すBSI(景況判断指数)が大企業全体で5.9%ポイントと前回(1.0%ポイント)に続いて改善しているほか、前回マイナスだった製造業も5.0%ポイントと3期ぶりにプラスに転じました。先行きの見通しについても、大企業については7-9月期、10-12月期ともに2桁の上昇が続き、過去の景気拡大期に匹敵する高水準です。さらに、中小企業の見通しについても、2004年の統計開始以来ではじめてプラスとなりました。

設備投資計画については依然としてやや慎重で、上方修正の伸びがイマイチではありますが、売上高や経常利益については順調な見通しとなっていることから、アベノミクスの影響や効果は少しずつ出てきていると言えます。とはいえ、今回の調査が5月15日時点なので、日経平均が1,140円下落した5月23日よりも前になります。そのため、これから発表される日銀短観に、相場急落以降の状況がどのように反映されているかが注目されそうです。

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