ロジザード <4391> E コマースの拡大につれて需要が増加

2018/07/20

物流・在庫にフォーカスしたクラウドサービスを提供
E コマースの拡大につれて需要が増加

業種: 情報・通信業
アナリスト: 小枝 善則

◆ 商品の在庫管理システムをクラウドサービスで提供
ロジザード(以下、同社)は倉庫や配送センターなどにおける商品の在庫管 理システムをクラウドサービスで提供している。設立当初はアパレル企業を ターゲットとしていたが、現在は水産など温度帯管理が必要な商品以外は 業種・業態にとらわれず幅広く扱っている。

18/6 期第 3 四半期累計期間のサービス別販売高構成比をみるとクラウドサ ービスが62.9%、開発・導入サービスが29.7%、機器販売サービスが7.4%と なっている(図表 1)。

クラウドサービスでは倉庫在庫管理システム「ロジザード ZERO」、「ロジザー ド PLUS」、店舗在庫管理システム「POS ぴた RBM」、オムニチャンネル注 1 支援システム「ロジザード OCE」の各システムを提供しており、システムで利 用する端末機器のレンタルなどのサービスを月額利用料として徴収している。

倉庫在庫管理システムは倉庫内に保管されている商品の入荷から庫内の 棚の移動、出荷、返品などの情報を、バーコードとそれを読み取るハンディ ーターミナル注 2 を用いて管理するシステムである。「ロジザード PLUS」は 01 年にアパレル商材を対象として開発されたが、現在は継続使用のみで新規 の販売は行っていない。

「ロジザード ZERO」は後継サービスとして 12 年に開発されたものであり、賞 味期限管理やシリアル注 3 管理、また海外での利用を想定した多言語対応 (日本語、英語、中国語の 3 カ国語)などの機能が付加されている。

「POS ぴた RBM」は店舗における在庫管理を目的に複数の店舗の在庫や 売上データを本部において一元管理するシステムであり、実店舗を保有す るメーカーなどを対象顧客としている。09 年 9 月に販売を開始したが、売上 規模は年間で 1 億円前後と推定される。

「ロジザード OCE」は「ロジザード ZERO」や「POS ぴた RBM」などの商品情 報を連動させることで、商品の購入者が望む受取り方法に対し、在庫の確 保や出荷作業指示などの情報を提供するシステムであるが、18年5月時点 ではまだ販売実績がない。

開発・導入サービスではクラウドサービスの顧客に対して機能をカスタマイ ズするほか、利用開始時の設定作業などを行っている。また、機器販売サ ービスではクラウドサービスで顧客が利用する機器やラベル等のサプライ品 の販売を行っている。

販売チャンネルは顧客に直接サービスを提供する場合と代理店・OEM 供 給先を介して提供する場合があり、前者の比率はおよそ 9 割程度となって いる。また16年に「ロジザードZERO」の販売を目的に中国に子会社を設立 している。

基本的に顧客はシステムを継続的に利用し、継続利用による月間利用料な どの収入が 17/6 期の売上高の約 7 割を占めており、ストック型のビジネスと の見方ができる。

なお、上場時点でフューチャー(4722 東証一部)が同社株式の 29%を所有 しており、同社はフューチャーの持分法適用会社となっている。以前はベン チャーキャピタルが保有していた同社株式をフューチャーが買い取ったとの ことである。ただ現在のところ同社の経営には関与していない。
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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。