シルバーライフ<9262> 調達資金で建設する第2工場が中長期の成長を左右する

2017/11/01

店舗数で業界首位の高齢者向け配食サービスの大手
調達資金で建設する第2工場が中長期の成長を左右する

業種:小売業
アナリスト:藤野敬太

◆ 高齢者向け配食サービスを展開
シルバーライフ(以下、同社)は、高齢者向け配食サービスのフランチャイズ(以下、FC)本部の運営及びFC加盟店等への調理済み食材の販売を行っている。販売先に応じて、売上高は、FC加盟店、高齢者施設等、OEMの3つの販売区分に分類される(図表1)。
主力は「まごころ弁当」と「配食のふれ愛」の2つのブランドで展開しているFC加盟店への販売である。同社からFC加盟店にクックチルド(調理済み冷蔵食材)の形で卸販売される。FC加盟店は、自ら炊飯した米とともに盛りつけ、高齢利用者に配食する。直営店はなく、FC加盟店は17/7期末時点で全国に563店(「まごころ弁当」367店、「配食のふれ愛」196店)、17/7期におけるFC加盟店向けの売上構成比は77.6%である(図表1)。
高齢者施設等向けは、老人ホームや通所介護施設といった高齢者施設に
対する食材の直接販売となる。高齢利用者への配食は高齢者施設が行う が、高齢者施設までの食材の配送は、近隣のFC加盟店が行う。FC加盟店 への卸販売とは異なり、直販価格での販売のため、FC 加盟店への食材配 送委託料が発生するものの、FC 加盟店向けよりも利益率は高くなる。17/7 期における売上構成比は 14.1%である。
OEM は、他の弁当配食事業者に対し、相手先ブランドで販売される冷凍弁 当を卸販売するものである。17/7 期における売上構成比は 8.3%である。

◆ 2種類の FC契約
主力の FC 加盟店への売上高は、食材販売の代金と、ロイヤリティで構成さ れる。同社の FC 契約として、通常プランとゼロプランの 2 種類のプランがあ る。ゼロプランは初期費用やロイヤリティ、システム利用料が発生しないもの の、食材の卸価格が通常プランより高く設定されている。契約開始時の出費 が少なくて済むプランを用意することで、FC 加盟店を集めやすくしている。

◆利用者の個別の事情に合わせた形で食材を提供
食材はクックチルドの形で FC 店舗や高齢者施設等に提供される。注文の 翌日から届けることができるほか、1 食だけ、食べやすいように刻む、大盛り、 アレルギー対応といった、利用者の個別の事情に合った形で提供すること が可能である。

利用者ごとの細かい注文に合わせた食材提供を可能にしているのが、13年 に取得した、群馬県にある自社工場である。自社工場では、1,000品目以上 の食材を同じ製造ラインで作ることが可能である。なお、同社の調理済み食 材には、自社工場で製造されたものと、仕入先工場で製造されたものがある が、約 40%が自社工場で製造されたものである。
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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。