ファンデリー<3137> 「食事で健康増進」の考え方から生まれた高収益ビジネスモデルが最大の武器

2016/08/05

栄養士によるカウンセリングを特徴とするカタログ主体の健康食宅配会社
「食事で健康増進」の考え方から生まれた高収益ビジネスモデルが最大の武器

業種:小売業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・ファンデリー(以下、同社)の中核事業は、医療機関等で配布されるカタログからの注文を主体に健康食の宅配を行うMFD(Medical FoodDelivery)事業である。カタログを配布してくれる紹介ネットワークのほか、栄養士によるカウンセリングをセットにした、高収益のビジネスモデルを特徴としている。

2.財務面の分析
・10/3期~16/3期に、売上高は年平均27.1%、経常利益は同67.7%の成長率で拡大してきた。この期間は6期連続増収だったが、12/3期は、他社仕入品の取り扱いの中止、価格引き下げ、告知のための広告宣伝費の増加により、減益を経験した。
・他社との比較では、収益性についての優位性が目立っている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、創業来一貫してぶれない事業目的を追求する経営陣の資質にある。食事の宅配と栄養士によるカウンセリングを組み合わせたサービスを志向し、そのサービス確立に向けて組織資本や関係資本が蓄積され、現在の高収益のビジネスモデルが出来上がった。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、MFD事業での定期コースの利用率引き上げ、栄養士有資格者を中心とした人材の確保、知名度の向上があげられる。
・MFD事業の更なる拡大を進めつつ、MFD事業で培われたカタログ配布の紹介ネットワークを活用したマーケティング事業を強化する戦略を進めている。中長期的には、ヘルスケア総合企業となることを志向している。

5.アナリストの評価
・「健康増進は第一に食事コントロールで、それでも困難な時に医療を行う」という「一食二医」の考え方に基づいて事業を定義し、高収益のビジネスモデルを構築した点を評価する。
・同社のビジネスモデルでは業務プロセスの要所を栄養士が主導する体制となっているため、今後の成長のためには、栄養士の確保と育成が必要条件となろう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。