テラスカイ<3915> エンジニアの層の厚みが競争力の源泉

2016/02/02

salesforce.com の成長に併走する有力クラウドインテグレーター
エンジニアの層の厚みが競争力の源泉

業種:情報・通信業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・テラスカイ(以下、同社)は、クラウドコンピューティングの分野で世界有数の salesforce.com のクラウドシステムの構築・導入支援を行うクラウドインテグレーターである。
・salesforce の認定資格を有するエンジニアを国内で最も多く抱えていることが競争力の源泉となっている。

2.財務面の分析
・10/2 期~15/2 期は、売上高は年平均 44.0%の成長率で拡大してきた。子会社設立で 13/2 期以降連結決算に移行した。子会社の赤字により13/2 期~14/2 期は経常赤字で推移したが、15/2 期に黒字転換した。
・他社との比較では、成長性が高いこと以外、収益性や安全性で特に優位にある財務指標はない。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、エンジニアの層の厚さにある。質と量の両面での充実が取引実績の増加につながり、ブランディングとノウハウ蓄積に貢献している。その結果、新たなエンジニアが集うという好循環が生まれている。

4.経営戦略の分析
・競争力の源泉であるエンジニアの確保・育成による競争力の強化は継続される方針である。
・salesforce への過度の依存の解消が中長期的な課題である。その方法として、salesforce 以外のプラットフォームをカバーすることと、インテグレーションの周辺分野への展開を模索している。

5.アナリストの評価
・これまでの成長の原動力は、salesforce 関連に経営資源を集中させたことと、エンジニアを多く確保できたことにある。クラウドシステムへの需要は当面堅調と予想される。あえて既存事業でのリスク要因をあげるとすれば、エンジニアの流出が起きないかという点である。
・中長期的には、salesforce への過度の依存の解消の先に、クラウドソリューションプロバイダーになれる可能性に注目する。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。