アーキテクツSJ<6085> 16 年3 月期上期は一転営業赤字 業績回復には時間を要する可能性

2016/01/20

建築家・建設会社・顧客の三位一体の家づくりを支えるネットワーク運営会社
16 年3 月期上期は一転営業赤字 業績回復には時間を要する可能性

業種:サービス
アナリスト:藤野敬太

◆建築家設計の良質な住宅を提供する仕組みを有する
・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(以下、同社)は、登録建築家と加盟建設会社の協力のもとで「ASJ建築家ネットワーク」を運営し、富裕層でなくとも建築家の設計による良質な家づくりを可能にする仕組みを構築している。

◆16年3月期上期決算の概要
・16年3月期第2四半期累計(以下、上期)決算の営業利益は、期初の黒字予想に対し、46百万円の赤字となった。売上高の期初計画に対する達成率が77.1%にとどまったことが響いた。
・売上高の不振は、地域の工務店が運営するスタジオの新規加盟数と、設計契約の伸び悩みが要因である。家を建てる顧客と直接の接点を持つスタジオの動きが鈍く、関連するフィー収入が計上できなかった。

◆16年3月期の業績予想
・16/3期業績について、同社は、売上高1,450百万円(前期比0.1%減)、営業利益15百万円(同79.7%減)と、期初の業績急回復予想から大幅に下方修正した。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、売上高1,452百万円(前期比0.1%増)、営業利益9百万円(同87.8%減)と予想する。低調な上期の状況から、営業利益は会社計画を下回る水準まで引き下げた。

◆中期業績予想
・当センターでは、同社の有する仕組みの参入障壁は高く、独自の成長軌道を描く潜在性を持つという評価は変えていない。しかし、スタジオと同社との間での温度差が成長速度に影響するという前回レポートでの懸念が顕在化していると判断し、業績回復ペースの鈍化の可能性を反映し、中期業績予想も下方修正した。
・売上高は、17年4月に予定の消費税率引き上げの影響を加味し、17/3期は前期比18.7%増、18/3期は同1.7%増と予想する。また、営業利益率も前回は20%台まで上昇するとしていたが、17/3期、18/3期とも、11%程度までの回復に留まるものとした。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。