イーブックイニ<3658> 20 年 1 月期に売上高 300 億円、経常利益率 10%を目標に掲げる

2015/05/19

コミックの品揃えに強みを持つ電子書籍配信事業のパイオニア
20 年 1 月期に売上高 300 億円、経常利益率 10%を目標に掲げる

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾  十作

◆ 独立系の電子書籍配信専業大手
・イーブックイニシアティブジャパン(以下、同社)は、電子書籍配信事業のパイオニアで、コミックの品揃えは業界最大規模を誇る。小説などを拡充して総合電子書籍 No.1 を目指している。
・15 年 5 月上旬にオンライン書店を経営しているブークスと漫画家及び作家向けの新しい制作及び配信システムを手がけているマグネットを子会社化した。

◆ 15 年 1 月期はほぼ想定通りの大幅営業減益
・15/1 期よりトキオ・ゲッツの子会社により、連結決算へと移行した。同期の業績は前期単体比 23.4%増収、30.4%営業減益であった。電子書籍配信事業やプロモーション・その他事業が増収に貢献したが、電子書籍配信事業での販売促進費増大により減益となった。
・同社の予想に対する達成率は、売上高 101.2%、営業利益 105.0%とほぼ想定線であった。

◆ 16 年 1 月期業績予想
・同社は海外事業など事業領域の拡大期にあるとして、業績予想をレンジで公表しており、16/1 期の売上高は 60〜70 億円、営業利益は 2 億円の赤字から 1 億円の黒字としている。なお、同社予想に、ブークス及びマグネットの子会社化は織り込まれていない。
・証券リサーチセンターでは、15/1 期実績並びにブークスの子会社化を織り込んで 16/1 期は 46.2%増収、84.0%営業減益と予想する。

◆ 投資に際しての留意点
・米国で定額書籍読み放題のサービスが始まった。日本でも定額書籍読み放題のサービスが普及する可能性がある。同社は既に定額書籍読み放題に関するシステムは準備した模様である。期間やジャンル限定等で、新規顧客開拓手法の一つとして考えているようである。

 >>続きはこちら(845 KB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ