オンデック(7360) 「コンサルティング・クオリティ」を守りながら量的拡大を加速できるかに注目
国内の中堅・中小企業に特化してM&A支援サービスを提供
「コンサルティング・クオリティ」を守りながら量的拡大を加速できるかに注目
業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・オンデック(以下、同社)は、大阪を本拠として、国内の中堅・中小企業に特化したM&A支援サービスを提供している。
2.財務面の分析
・15/11期以降、コンサルタント数と成約件数を増やしながら業績を拡大し、22/11期までの7期の年平均成長率は、売上高35.2%、経常利益が21.7%であった。その間18/11期と21/11期に2度減収減益を経験した。
・財務指標では、売上規模が比較対象企業より小さいことと、売上高当期純利益率が低いために収益性指標の自己資本利益率(ROE)が最も低いことが目立つ。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、サービス品質第一を追求し続けた2名の創業者のコミットメント(人的資本)にある。サービス品質第一の姿勢は業務プロセスや仕組み等に反映され、サービス品質に関する業界内での高い評価が案件紹介や成約実績につながるという好循環が描かれている。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、サービス品質の更なる向上、受託した案件が成約に至る成約率の向上、コンサルタントの採用と育成が挙げられる。
・同社は、コンサルティングサービスの高い品質を維持しつつ、量的な拡大を目指す方針へと転換した。そのため、従来からの強みである「好循環成長モデル」をベースに、ソーシング力及びマッチング力の強化等で量的拡大を図っていく考えである。また、中長期的な取り組みとしてM&Aプラットフォームの構築を進めていくことも意図している。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、業界のマッチング優先の風潮から一線を画してサービス品質重視を貫いてきた点を評価している。量的拡大に向け、コンサルタント数とコンサルタント1人当たり成約件数を注視したい。