global bridge HOLDINGS<6557>保育園は認可保育園のみで千葉県中心だが、今後は東京都でも施設増を計画

2020/01/10

保育園を中心とした総合福祉事業を展開
保育園は認可保育園のみで千葉県中心だが、今後は東京都でも施設増を計画

業種: サービス業
アナリスト:松尾 十作

◆ 福祉事業を展開
global bridge HOLDINGS(以下、同社)は15年11月にAOKIホールディングス(8214東証一部)の代表取締役会長である青木拡憲氏の資産管理会社であるアニヴェルセルHOLDINGSから会社分割により設立された持株会社である。保育・介護事業の運営を目的に07年1月に設立されたglobal bridgeを15年12月に連結子会社化して、現在の体制の基礎が出来あがった。18年7月に買収した東京ライフケア注1は保育事業を、18年11月に買収したglobal life careは介護事業を営んでいる。この他には保育・介護分野におけるICT事業を営むsocial solutionsを傘下に持つ。

18/12期の事業別売上構成は図表1のとおりである。

保育事業が売上高の85.4%を占め、次いで介護事業が11.1%を占めている。ICT事業とその他事業の売上構成比は各々2.4%、1.2%と僅かである。なお、その他事業とは不動産貸借事業や研修事業で、主に同社が運営している。

19年10月末の事業別運営施設数は保育事業が55施設、介護事業が15施設である。都府県別では千葉県の施設数が最も多い(図表2)。

◆ 保育事業
保育事業は、認可保育園注2と小規模保育施設注3を運営している(図表3)。18/12期までは認可外保育園を運営していたが、全て認可保育園に転換している。認可保育園は児童福祉法が定める基準を満たし、都道府県知事などに認可された児童福祉施設である。小規模保育施設は自治体が定めた基準を満たし、自治体の認可を受けた児童福祉施設である。

認可保育園の運営費は、自治体に請求する、国の補助金が原資の委託費で賄われている。保護者は、国が基準を定めた保護者の世帯収入に応じた保育料を自治体に納付する。小規模認可保育園の運営費は国の補助金を自治体に請求し、世帯収入に準じた保育料を保護者から同社が徴収している。保護者は保育料の補助金を自治体に請求する仕組みである。集客はいずれも自治体が行っている。

また認可保育園及び小規模保育園を新設すると保育園の開設に要した設備投資や費用等に関する補助金を認可した自治体から受け取る仕組みとなったおり、営業外収益として計上している。

児童数60名定員の認可保育園を新規に開設した場合、60名を想定した保育士を開園時から揃える必要がある。また開設時は年齢別定員として0歳児5名(誕生直後は預かれないため)、1歳から5歳はそれぞれ11名とする場合が多い。したがって開設時では3歳児、4歳児、5歳児が定員に満たない場合が多く、全体として定員割れとなる。そのため、認可保育園は、開設当初の乳児・児童が3歳児、4歳児クラスとなる開設3年目で保育園の経営は赤字から黒字となる場合が多く、同社でも同様な収益構造となっている。

◆ 介護事業
介護事業はさまざまな世代に対して介護サービスを提供している(図表4)。放課後等デイサービスは療育・居場所機能を備えた施設で、障がいのある学齢期児童・生徒(6歳から18歳)が学校終了後や学校休業日に通え、生活・学習できる福祉サービスを提供している。

サービス付き高齢者向け住宅は、同社が一棟借りしているマンションにおいて、高齢者単身又は高齢者夫婦を対象に訪問介護等のサービスも提供する賃貸施設である。

住宅型有料老人ホームは、同社が土地・建物を所有している高齢者向けの賃貸の居住施設である。介護が必要となった場合は居住者の選択により地域の訪問介護等の介護サービスを利用することができる。他には生活介護施設や児童支援施設等を運営している。

介護事業の運営費は、国民健康保険団体連合会に同社が請求する介護報酬・障害福祉サービス費と同社が利用者に請求する自己負担分である。

◆ ICT事業
同社の保育事業で培ってきたノウハウを活かした、保育施設での業務効率化のためのICTソリューションを提供している。

保育士の事務作業の簡素化のための保育園管理システム「Child Care System(CCS)」をリリースし、全国の保育施設に利用料を徴収するかたちで販売している。同社が11年7月にシステムを開発し外部に販売した後に、厚生労働省が16年2月に補助金注4制度を設けたため、保育園施設は補助金を申請して利用するようになり、同社のシステム販売には追い風となった。また、保育・介護用品専門のネットショップである「g-mall shop」を運営している。

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