ベルーナ 増収減益、利益は修正計画を下回る
 
![]() 安野 清 社長  | 
 株式会社ベルーナ(9997)  | 
 
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企業情報
| 
 市場  | 
 東証1部  | 
| 
 業種  | 
 小売業(商業)  | 
| 
 代表取締役社長  | 
 安野 清  | 
| 
 所在地  | 
 埼玉県上尾市宮本町4-2  | 
| 
 決算月  | 
 3月末日  | 
| 
 HP  | 
株式情報
| 
 株価  | 
 発行済株式数  | 
 時価総額  | 
 ROE(実)  | 
 売買単位  | 
|
| 
 650円  | 
 97,244,472株  | 
 63,208百万円  | 
 5.8%  | 
 100株  | 
|
| 
 DPS(予)  | 
 配当利回り(予)  | 
 EPS(予)  | 
 PER(予)  | 
 BPS(実)  | 
 PBR(実)  | 
| 
 16.00円  | 
 2.5%  | 
 53.77円  | 
 12.1倍  | 
 1,054.14円  | 
 0.6倍  | 
*株価は6/16終値。各数値は20年3月期決算短信より。
業績推移
| 
 決算期  | 
 売上高  | 
 営業利益  | 
 経常利益  | 
 当期純利益  | 
 EPS  | 
 DPS  | 
| 
 2017年3月(実)  | 
 146,083  | 
 10,882  | 
 12,188  | 
 5,802  | 
 59.68  | 
 12.50  | 
| 
 2018年3月(実)  | 
 161,673  | 
 13,008  | 
 13,248  | 
 9,665  | 
 99.41  | 
 12.50  | 
| 
 2019年3月(実)  | 
 177,648  | 
 12,005  | 
 15,309  | 
 10,343  | 
 106.39  | 
 15.00  | 
| 
 2020年3月(実)  | 
 179,948  | 
 10,311  | 
 10,365  | 
 5,862  | 
 60.62  | 
 16.00  | 
| 
 2021年3月(予)  | 
 175,000  | 
 7,000  | 
 7,800  | 
 5,200  | 
 53.77  | 
 16.00  | 
*単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。
ベルーナの会社概要、2020年3月期決算概要等について、ご紹介します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2020年3月期決算概要
3.2021年3月期業績見通し
4.今後の注目点
<参考1:第四次経営計画:経営方針と取り組み>
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 20年3月期の売上高は前期比1.3%増の1,799億円。総合通販およびその他を除く5セグメントで増収だった。粗利率が1.3%改善し、粗利額は同3.6%増加したが媒体費や運賃増で販管費が同6.0%増加したため、営業利益は同14.1%減の103億円と減益となった。為替差損、デリバティブ評価損計上もあり経常利益は同32.3%減の103億円。売上はほぼ修正計画通りとなったが、利益は修正計画を下回った。
 - 21年3月期の売上高は前期比2.8%減の1,750億円、営業利益は同32.1%減の70億円の予想。上半期中心に新型コロナウイルスの影響を織り込み、減収減益の予算としている。配当は前期同様、16.00円/株の予定。予想配当性向は29.8%。
 - 新型コロナウイルスについては、足元では巣ごもり需要等、新たな機会は生まれているものの、外出需要の減少や店舗、ホテルにおける休業の影響がでている。主に影響を受けている部門は、総合通販事業、店舗販売事業、プロパティ事業。一方、専門通販事業、ソリューション事業、ファイナンス事業は影響が小さく、または追い風を受けている。
 - 新型コロナウイルスの影響もあり、減収減益予想ではあるが、同社の特長・強みである事業ポートフォリオによる分散効果も期待できるだろう。また、ここ数期低迷してきた総合通販事業にとっては、新規顧客を獲得し事業基盤を強化するチャンスともいえる。
 
1.会社概要
総合通信販売大手。取扱商品を特定ジャンルに絞った専門通信販売も手掛けるほか、店舗販売事業、通販事業で培ったノウハウやインフラを法人に提供するソリューション事業なども展開。ミセス層を中心とした顧客データベース、ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性などが強み・特長。M&Aも積極的に展開。
【1-1 沿革】
1968年に現・代表取締役社長である安野清氏が、印鑑の訪問販売「友華堂(ゆうかどう)」として創業。その後、衣料品の通信販売を皮切りに、食品、化粧品など取り扱いジャンルを拡大し、専門通販事業も展開するのに並行し、通販顧客を対象としたファイナンス事業、プロパティ事業、店舗販売事業、ソリューション事業など事業ポートフォリオの拡充も進めてきた。2000年3月、東証1部に指定替え。M&Aも積極的に展開し事業基盤のさらなる強化を進めている。
【1-2 経営理念】
◎経営理念
| わが社の事業の原点
 
  | 
わが社は国際的視野に立って、地域に生活するより多くのお客さまの、衣食住遊を豊かにする商品及びサービスを他社に先がけて提案し、より高い利便性、経済性、ファッション性、アソートメントを他社より優れたシステムと企画力で提供して、お客様の生活と幸せの向上に貢献する。 | 
| わが社の求める社員像
 
  | 
わが社の人材は何事に対しても、明るく、ポジティブに取組み、お客様の満足とより良い仕事にこだわり(責任を持ち)、困難から逃げることなく、自分の能力とキャパシティを拡げ、信頼を高めるため常に挑戦する。 | 
| わが社の目指す企業像
 
  | 
わが社は国際的視野で、衣食住遊分野の事業を他社との競合で圧倒的優位に展開し、安定性、成長性、継続性、収益性とイメージをより高め、有能な人材の集まるエクセレント企業を実現し社会に貢献する。 | 
また、同社ではベルーナ社員としての心の在り方を示す「Basic Mind」、行動規範である「Basic Action」を定めている。「当事者意識」、「利益意識」、「ゲーム感覚」、「ポジティブ思考」、「成長意欲」からなるBasic Mind、「1.情報の収集」、「2.事例研究」、「3.データの活用」、「4.仮説検証」、「5.他者活用」、「6.知的理解」、「7.討議」、「8.報告、連絡、相談」からなるBasic Action(8か条)は、ベルーナ社員が課題に向き合った際に常に立ち戻るべき原点となっている。
この他、多くの成長企業に共通する成長要因として「CCBSKKKS」(C:チェンジ C:チャレンジ B:ブラッシュアップ S:スピード K:気付き K:改善 K:客指向・客密着 S:SAクラス企業事例研究)を挙げ、自らの成長のためのチェックポイントとして認識している。
【1-3 市場環境】
経済産業省が発表した「平成26年商業統計表 業態別統計編(小売業)」(2016年3月9日公表)によれば、通信・カタログ販売およびインターネット販売の年間商品販売額は3.9兆円。
詳細な統計は未確認であるものの、ネット通販が急成長を続ける一方、総合通販の同業他社が大きく売上を減少させるなど、カタログ通販市場は足元で1~2%縮小したとみられる。
こうした中、ネットに注力中とはいえ、カタログ通販が8割を占めるベルーナの総合通販事業と専門通販事業両セグメントの売上高合計額は2020年3月期までの過去5年間で年率約4%の増収と着実にシェアを拡大している。
◎主要通販各社比較
| 
 コード  | 
 社名  | 
 売上高  | 
 増収率  | 
 営業利益  | 
 増益率  | 
 営業利益率  | 
 ROE  | 
 時価総額  | 
 PER  | 
 PBR  | 
| 
 3092  | 
 ZOZO  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 65.9%  | 
 688,110  | 
 –  | 
 19.5  | 
| 
 4921  | 
 ファンケル  | 
 127,000  | 
 +0.1%  | 
 14,500  | 
 +2.6%  | 
 11.4%  | 
 15.8%  | 
 410,612  | 
 38.0  | 
 5.7  | 
| 
 4927  | 
 ポーラ・オルビスHLD  | 
 190,000  | 
 -13.6%  | 
 19,000  | 
 -39.0%  | 
 10.0%  | 
 10.4%  | 
 505,932  | 
 58.2  | 
 2.6  | 
| 
 8005  | 
 スクロール  | 
 75,000  | 
 +3.3%  | 
 1,900  | 
 -11.4%  | 
 2.5%  | 
 3.3%  | 
 13,056  | 
 9.2  | 
 0.6  | 
| 
 8165  | 
 千趣会  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
 21.2%  | 
 21,447  | 
 –  | 
 0.5  | 
| 
 9997  | 
 ベルーナ  | 
 175,000  | 
 -2.8%  | 
 7,000  | 
 -32.1%  | 
 4.0%  | 
 5.8%  | 
 59,416  | 
 11.4  | 
 0.6  | 
*単位:百万円、円、倍。売上高、営業利益は今期会社予想。ROEは前期実績。時価総額、PER、PBRは2020年6月5日終値ベース。ZOZOと千趣会は今期予想未定。
総合通販の同業他社であるスクロール、千趣会との比較では、売上及び時価総額規模はトップで、利益率高い。
【1-4 事業内容】
(1)セグメント
中核事業である総合通販事業を始め、専門通販事業、店舗販売事業、ソリューション事業、ファイナンス事業、プロパティ事業、その他の事業の7セグメントで構成されている。総合通販事業と専門通販事業が全売上の約7割を占める。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
?総合通販事業
◎概要
衣料品、ファッション雑貨、インテリアなど多彩な商品を、カタログ・チラシ、インターネットを通じて受注・販売している。
(主要カタログ)

(同社HPより)
◎会員属性
2020年3月末現在の登録会員数は約2,030万人で、そのうち40代以上のミセス層が約8割を占める。
ミセス層の中心年代である65歳~69歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、およそ3人に1人(34.3%)がベルーナの登録会員であり、圧倒的なシェアを有している。

(同社資料より)
登録会員のうち2年以内に商品を購入した会員である「稼働会員数」は2020年3月期で511万人。
上下はありながらも着実に会員数は増加している。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
同社は社内に約70名のマーチャンダイザーを擁しており、大手スーパーマーケットや女性向けファッション衣料販売店に比べてファッション性の高い商品を提供している。特に、加齢とともに変化するミセスの体形カバーを意識したデザイン性は、ユーザーから高く評価されている。
また50代から70代を対象とした他社にはない豊富なカタログをラインアップしている。こうした点が、ミセス層からの圧倒的に高い支持獲得につながっている。
◎顧客セグメント
女性顧客層を年齢別に、50代以上の「ミセス」、40代向けの「ラナン」、30代向けの「ジーラ」の3つにセグメント化。各年代の嗜好、ニーズにきめ細かく対応した商品を提供している。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
◎EC化への取り組み
カタログが中心的な販売チャネルであるが、近年はネット通販への取り組みも強化している。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
◎年代別の特長
ハイミセス層では50%を超す高リピート率となっているのに対し、30才代以下のリピート率改善が課題と認識している。
また、50代が年間購入金額トップ。ハイミセスでは同時購入点数の引き上げが課題である。

?専門通販事業
特定ジャンルを専門的に扱うことで商品展開や価格、サービスに特徴を持たせているため顧客の囲い込みが容易で、リピートオーダーを獲得している。
| 
 主要ジャンル  | 
 カタログ、サイト  | 
 概要  | 
| 食品・花・ワイン | ベルーナグルメ | 食品と花を扱っており、単品販売のみでなく、月に一回商品を届ける「頒布会」やお中元などの「ギフト」など多様な販売形態を展開している。 | 
| My Wine CLUB | 現地から直輸入した日本ではめずらしいワインを取り揃え、国内におけるワイン通販売上シェア調査では、11年連続1位を獲得している。(2008年度~2018年度) | |
| 化粧品 | オージオ | 安全性を追求した洗顔・化粧水・乳液といった化粧品やサプリメントを扱っている。 | 
| なちゅライフ | オールインワン化粧品を中心に扱っている。特に、肌にやさしい植物原料を主成分とした商品を提供している。 | |
| サプリメント | リフレ | 「明日のカラダ、今日からだ」をコンセプトに、何度も品質検査を受け、厳選された素材を用いた健康食品やサプリメントを扱っている。また、2013年にはリフレ研究所を設立し、食の安全性や製品の品質確保、健康被害防止などに取り組んでいる。 | 
| 看護師向け通販 | ナースリー
 アンファミエ  | 
リーズナブルな価格が強みの「ナースリー」、豊富な品揃えや他社ブランドとのコラボレーション商品が魅力の「アンファミエ」の2つを展開しており、看護師向け通販市場では圧倒的なシェアを占めている。 | 

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
?店舗販売事業
通販・インターネット・店舗の各チャネルの相乗効果を狙い、通信販売ではアプローチできない顧客をターゲットとし、和装とアパレルの店舗をショッピングセンターやショッピングモールに出店している。
和装では、着物や和装関連商品を販売する「BANKAN」および「わものや」に加え、2018年6月には、「さが美グループホールディングス株式会社」を連結子会社とした。
さが美グループホールディングスは、「さが美」と「東京ますいわ屋」の2ブランドで店舗を運営しており、きものの文化や取り扱いに関する知識やノウハウが豊富で、着付けのスキルも高い点が特長。
アパレルでは、40代~50代女性を主なターゲットとしたカジュアル衣料品を低価格で提供する「BELLUNA」を運営している。
店舗面積は和装店舗が約30坪、アパレル店舗が80~100坪。客単価の高い和装店舗の収益性の高さが特徴である。
2020年3月末現在の店舗数は和装店舗89店舗、アパレル店舗83店舗の合計172店舗。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
?ソリューション事業
長年の通販事業で培ったノウハウやインフラを活用して、「封入同送サービス」、「通販代行サービス」を法人向けに提供している。
封入同送サービスでは、ベルーナが保有する膨大な顧客データベースを活用して、クライアント企業のチラシやサンプルなどの販促物を商品やカタログに同梱して配送する。クライアント企業のニーズに合わせて対象をセグメントし、ターゲットを絞り込むことも可能であり、クライアント企業にとっては効果的なプロモーションが期待できる。
通信販売を行う企業に対して、ベルーナのインフラとノウハウを含む一連の機能を受託するのが「通販代行サービス」。物流倉庫でのストックやコールセンターでの対応、顧客への発送までトータルに受託している。
通販事業に新規参入する企業でも、自前のインフラを備える必要がなく、スピーディかつ安価に商品やサービスを提供することが可能となる。
?ファイナンス事業
通販で培ったデータベースを活用した消費者金融事業。
主として通販利用者に対し、チラシを同封するなど融資の案内を行っている。過去の購買行動及び支払い状況をデータとして把握しているため与信力は高く、融資残高が順調に拡大する一方、貸倒率は他社よりも低い。
通販利用者を対象としているため集客コストが低い点も高い収益性につながっている。

(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)
?プロパティ事業
オフィスビルなどの不動産賃貸やホテル事業などを展開している。
?その他の事業
百貨店や生協に向けた卸売事業を行っている。また、保険事業も展開している。
【1-5 特長と強み】
?約40年の通販事業で培ったミセス層を中心とした顧客データベースやノウハウ
事業内容の項で触れたように、同社の2,000万人を超す登録会員のうち、約8割が40代以上の女性、ミセス層。
ミセス層の中心年代である65歳~69歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、3人に1人以上、34.3%がベルーナの登録会員である。
約40年にわたる通販事業で培った強力な顧客データベースやノウハウは、同社企業価値創造の源泉であり、大きな特徴である。中核事業の通信販売事業においては、販売実績、購買行動、アンケートを通じた顧客の要望などをベースに、ニーズに合致した商品を提案することでミセス層の顧客から強い支持を得ている。
また、ファイナンス事業ではまさにデータベースを活用して安定的に売上、利益を生み出しており、ソリューション事業においては、顧客データベースやノウハウ、インフラを外部に提供することで新たな事業機会を創出している。
?ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性
同社を特徴づけるもう一つの側面が、通信販売で培った経営資源を有効活用し多角的に事業を展開することで、安定的な成長性、収益性を実現する「ポートフォリオ経営」というビジネスモデル。
これによって、社会情勢や経済動向といった環境変化のリスクを分散しつつ、それぞれの事業が一つ一つの柱としてその強みを発揮するとともに、事業間の相乗効果を生み出して安定した収益性、成長性を実現している。
【1-6 株主還元】
業績の状況および中期的な成長のための戦略的な投資を勘案した上で、配当を決定している。今期20年3月期の配当予定額は1株当たり16円。前年より1円増配予定。また、以前より株主優待制度を実施し、毎年3月末・9月末の100株以上保有株主に対して、年2回贈呈しているが、株主に対する感謝の意を表するとともにより多くの株主に理解を深めてもらうことを目的とし、2017年11月、株主優待制度の拡充を発表、選択内容に、ベルーナネットで使用できる優待クーポンを追加した。優待対象基準や発行時期、有効期限には変更は無い。
| 
 100株以上 500株未満  | 
 500株以上 1,000株未満  | 
 1,000株以上  | 
|
| 「総合通販の優待券」
 「ネット専用優待クーポン」 「自社取扱商品(食品またはワイン)」の3つから1つを選択  | 
 1,000円分  | 
 3,000円分  | 
 5,000円分  | 
| 裏磐梯レイクリゾート宿泊優待券 | 
 1枚  | 
 2枚  | 
 4枚  | 
| ルグラン旧軽井沢宿泊優待券 | 
 1枚  | 
 1枚  | 
 1枚  | 
*ルグラン旧軽井沢の宿泊優待券は年1回(12月上旬発行分のみ)の贈呈。
【1-7 ROE分析】
| 
 14/3期  | 
 15/3期  | 
 16/3期  | 
 17/3期  | 
 18/3期  | 
 19/3期  | 
 20/3期  | 
|
| 
 ROE (%)  | 
 10.0  | 
 8.4  | 
 4.4  | 
 7.0  | 
 10.9  | 
 10.8  | 
 5.8  | 
| 
 売上高当期純利益率(%)  | 
 5.59  | 
 5.30  | 
 2.69  | 
 3.97  | 
 5.98  | 
 5.82  | 
 3.26  | 
| 
 総資産回転率(回)  | 
 1.02  | 
 0.85  | 
 0.84  | 
 0.86  | 
 0.86  | 
 0.87  | 
 0.81  | 
| 
 レバレッジ(倍)  | 
 1.75  | 
 1.85  | 
 1.97  | 
 2.06  | 
 2.12  | 
 2.13  | 
 2.22  | 
売上高当期純利益率の低下で20年3月期のROEは5%台となった。第四次経営計画では「最終年度 22年3月期 10%以上確保」を目標としている。
2.2020年3月期決算概要
(1)連結業績概要
| 
 19/3期  | 
 構成比  | 
 20/3期  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
 期初計画比  | 
 修正計画比  | 
|
| 
 売上高  | 
 177,648  | 
 100.0%  | 
 179,948  | 
 100.0%  | 
 +1.3%  | 
 -2.7%  | 
 0%  | 
| 
 売上総利益  | 
 101,364  | 
 57.1%  | 
 105,062  | 
 58.4%  | 
 +3.6%  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 販管費  | 
 89,359  | 
 50.3%  | 
 94,751  | 
 52.7%  | 
 +6.0%  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 営業利益  | 
 12,005  | 
 6.8%  | 
 10,311  | 
 5.7%  | 
 -14.1%  | 
 -26.4%  | 
 -6.3%  | 
| 
 経常利益  | 
 15,309  | 
 8.6%  | 
 10,365  | 
 5.8%  | 
 -32.3%  | 
 -30.9%  | 
 -5.8%  | 
| 
 当期純利益  | 
 10,343  | 
 5.8%  | 
 5,862  | 
 3.3%  | 
 -43.3%  | 
 -44.2%  | 
 -16.3%  | 
*単位:百万円。売上総利益は差引売上総利益。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
増収・減益。売上、利益とも期初計画を下回る。
売上高は前期比1.3%増の1,799億円。総合通販およびその他を除く5セグメントで増収だった。
粗利率が1.3%改善し、粗利額は同3.6%増加したが媒体費や運賃増で販管費が同6.0%増加したため、営業利益は同14.1%減の103億円と減益となった。為替差損、デリバティブ評価損計上もあり経常利益は同32.3%減の103億円。
2020年1月に、総合通販事業において原価率の改善が想定を下回る見込みであることに加え、店舗販売事業においてはさが美グループホールディングス(株)が第3四半期の催事販売にて台風の影響を受け受注が低迷していること、プロパティ事業において前期にオープンした海外ホテルの稼働に遅れが生じていることなどから、業績予想を下方修正した。
売上はほぼ修正計画通りとなったが、利益は修正計画を下回った。

(2)セグメント別動向
| 
 19/3期  | 
 構成比  | 
 20/3期  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
 修正計画比  | 
|
| 
 売上高  | 
||||||
| 
 総合通販事業  | 
 77,603  | 
 43.7%  | 
 73,378  | 
 40.8%  | 
 -5.4%  | 
 -0.6%  | 
| 
 専門通販事業  | 
 47,852  | 
 26.9%  | 
 49,774  | 
 27.7%  | 
 +4.0%  | 
 +3.7%  | 
| 
 店舗販売事業  | 
 28,146  | 
 15.8%  | 
 30,402  | 
 16.9%  | 
 +8.0%  | 
 -2.0%  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 6,257  | 
 3.5%  | 
 8,330  | 
 4.6%  | 
 +33.1%  | 
 -2.1%  | 
| 
 ファイナンス事業  | 
 3,829  | 
 2.2%  | 
 4,396  | 
 2.4%  | 
 +14.8%  | 
 +1.5%  | 
| 
 プロパティ事業  | 
 8,072  | 
 4.5%  | 
 8,690  | 
 4.8%  | 
 +7.7%  | 
 -1.1%  | 
| 
 その他の事業  | 
 6,912  | 
 3.9%  | 
 5,943  | 
 3.3%  | 
 -14.0%  | 
 -24.2%  | 
| 
 調整額  | 
 -1,026  | 
 –  | 
 -968  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 177,648  | 
 100.0%  | 
 179,948  | 
 100.0%  | 
 +1.3%  | 
 -0.0%  | 
| 
 営業利益  | 
||||||
| 
 総合通販事業  | 
 3,816  | 
 4.9%  | 
 1,713  | 
 2.3%  | 
 -55.1%  | 
 -2.4  | 
| 
 専門通販事業  | 
 3,260  | 
 6.8%  | 
 3,906  | 
 7.8%  | 
 +19.8%  | 
 +1.9  | 
| 
 店舗販売事業  | 
 1,000  | 
 3.6%  | 
 310  | 
 1.0%  | 
 -69.0%  | 
 -4.5  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 2,272  | 
 36.3%  | 
 2,652  | 
 31.8%  | 
 +16.7%  | 
 +1.5  | 
| 
 ファイナンス事業  | 
 1,759  | 
 45.9%  | 
 1,874  | 
 42.6%  | 
 +6.5%  | 
 +1.3  | 
| 
 プロパティ事業  | 
 244  | 
 3.0%  | 
 658  | 
 7.6%  | 
 +169.7%  | 
 -0.6  | 
| 
 その他の事業  | 
 237  | 
 3.4%  | 
 -392  | 
 –  | 
 –  | 
 -6.0  | 
| 
 調整額  | 
 -586  | 
 –  | 
 -410  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 12,005  | 
 6.8%  | 
 10,311  | 
 5.7%  | 
 -14.1%  | 
 -6.9  | 
*単位:百万円。利益の構成比は売上高利益率。営業利益の計画比は単位:億円。
◎総合通販事業
減収減益。
用紙代の値上げに伴うカタログ等の発行部数抑制、運賃単価上昇等の影響を受けた。
◎専門通販事業
増収増益。
化粧品事業、ワイン事業を中心に好調に推移した。
◎店舗販売事業
増収減益。
前期に取得したさが美グループホールディングス(株)について、費用が先行する第1四半期の損益が今期から反映される影響などで減益。
◎ソリューション事業
増収増益。
通販代行サービス事業及び封入・同送サービス事業が共に好調に推移した。
◎ファイナンス事業
増収増益。
国内消費者金融事業の貸付金残高が増加した。
◎プロパティ事業
増収増益。
前期に開業したホテルが売上に寄与したことに加え、今期は新規ホテルの開業費用が無かった。
◎その他の事業
減収損失。
衣裳レンタル事業を展開する(株)マイムにおいて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い多くの卒業式が中止となりキャンセルが増加した。
(3)財務状態とキャッシュ・フロー(CF)
◎主要BS
| 
 19年3月末  | 
 20年3月末  | 
 19年3月末  | 
 20年3月末  | 
||
| 
 流動資産  | 
 99,244  | 
 103,683  | 
 流動負債  | 
 53,463  | 
 50,135  | 
| 
 現預金  | 
 22,071  | 
 22,788  | 
 仕入債務  | 
 17,093  | 
 18,225  | 
| 
 売上債権  | 
 9,739  | 
 9,391  | 
 短期借入金  | 
 14,368  | 
 12,046  | 
| 
 たな卸資産  | 
 22,319  | 
 22,313  | 
 固定負債  | 
 59,790  | 
 70,467  | 
| 
 固定資産  | 
 114,542  | 
 119,445  | 
 長期有利子負債  | 
 55,339  | 
 65,774  | 
| 
 有形固定資産  | 
 83,204  | 
 88,651  | 
 負債合計  | 
 113,253  | 
 120,602  | 
| 
 無形固定資産  | 
 11,253  | 
 11,827  | 
 純資産  | 
 100,533  | 
 102,525  | 
| 
 投資その他  | 
 20,084  | 
 18,966  | 
 利益剰余金  | 
 80,816  | 
 85,177  | 
| 
 資産合計  | 
 213,786  | 
 223,128  | 
 負債純資産合計  | 
 213,786  | 
 223,128  | 
*単位:百万円
有形固定資産増加等により資産合計は同93億円増加の2,231億円となった。長期借入金の増加などで負債合計は同73億円増加の1,206億円。利益剰余金増などで純資産は同19億円増の1,025億円。この結果、自己資本比率は前期末から1.0ポイント低下し45.7%となった。
◎キャッシュ・フロー
| 
 19/3期  | 
 20/3期  | 
 増減  | 
|
| 
 営業CF  | 
 8,558  | 
 6,624  | 
 -1,934  | 
| 
 投資CF  | 
 -12,724  | 
 -11,108  | 
 +1,616  | 
| 
 フリーCF  | 
 -4,166  | 
 -4,484  | 
 -318  | 
| 
 財務CF  | 
 3,577  | 
 5,712  | 
 +2,135  | 
| 
 現金同等物残高  | 
 21,351  | 
 22,292  | 
 +941  | 
*単位:百万円
税金等調整前四半期純利益の減少などで営業CFのプラス幅は縮小し、フリーCFのマイナス幅は拡大した。長期借入による収入増などで財務CFのプラス幅は拡大。キャッシュポジションは上昇した。
(4)トピックス
◎シンガポールの医療人材の紹介・派遣企業を子会社化
2020年1月、シンガポールで医療機関向けに医療人材の紹介・派遣事業を展開するJOBSTUDIOPTE.LTD.の全株式を取得し子会社化した。
(JOBSTUDIO PTE. LTD.概要)
2010年10月設立。シンガポール国内の有力医療機関に対し医師・看護師を中心に様々な職種の人材を紹介・派遣し着実な成長を遂げている。ベルーナは、JOBSTUDIO PTE.LTD.がシンガポールにおいて確かな信頼とブランド力を保有しているものと評価している。
2019年9月の売上高約4.8億円、税引前当期利益約89百万円。
(株式取得の背景)
ベルーナは株式会社ナースステージにおいて看護師向け商品販売を展開しており、看護師向け通販国内売上高日本一の実績を有している。(ベルーナ リリースより)
また、2018年度より株式会社ナースステージは国内医療機関向けの看護師人材紹介事業を開始している。
JOBSTUDIO PTE.LTD.をグループに迎え入れることで、シンガポールを中心としたアジア諸国における医療人材の紹介・派遣事業の継続発展、医療機関・医療人材への業務用品販売の展開をはじめ、アジア諸国から日本への人材紹介事業の展開等の可能性も踏まえ、企業価値を高めることに資すると判断し、株式取得することとした。
3.2021年3月期業績見通し
(1)通期業績予想
| 
 20/3月期  | 
 構成比  | 
 21/3月期(予)  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 179,948  | 
 100.0%  | 
 175,000  | 
 100.0%  | 
 -2.8%  | 
| 
 営業利益  | 
 10,311  | 
 5.7%  | 
 7,000  | 
 4.0%  | 
 -32.1%  | 
| 
 経常利益  | 
 10,365  | 
 5.8%  | 
 7,800  | 
 4.5%  | 
 -24.8%  | 
| 
 当期純利益  | 
 5,862  | 
 3.3%  | 
 5,200  | 
 3.0%  | 
 -11.3%  | 
*単位:百万円。予想は会社側発表。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
減収減益を予想
売上高は前期比2.8%減の1,750億円、営業利益は同32.1%減の70億円の予想。上半期中心に新型コロナウイルスの影響を織り込み、減収減益の予算としている。
配当は前期同様、16.00円/株の予定。予想配当性向は29.8%。
| 
 21/3期 上(予)  | 
 前年同期比  | 
 21/3期 下(予)  | 
 前年同期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 77,900  | 
 -8,322  | 
 97,100  | 
 +3,374  | 
| 
 営業利益  | 
 -600  | 
 -4,463  | 
 7,600  | 
 +1,152  | 
| 
 経常利益  | 
 -100  | 
 -3,396  | 
 7,900  | 
 +831  | 
| 
 四半期純利益  | 
 -60  | 
 -1,738  | 
 5,260  | 
 +1,076  | 
*単位:百万円。上期予想は会社側発表。下期予想は通期予想から上期予想を控除。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。
(2)セグメント別動向
| 
 20/3月期  | 
 構成比  | 
 21/3月期(予)  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 売上高  | 
|||||
| 
 総合通販事業  | 
 733.8  | 
 40.8%  | 
 699.8  | 
 40.0%  | 
 -4.6%  | 
| 
 専門通販事業  | 
 497.7  | 
 27.7%  | 
 531.2  | 
 30.4%  | 
 +6.7%  | 
| 
 店舗販売事業  | 
 304  | 
 16.9%  | 
 257.2  | 
 14.7%  | 
 -15.4%  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 83.3  | 
 4.6%  | 
 91.6  | 
 5.2%  | 
 +10.0%  | 
| 
 ファイナンス事業  | 
 44  | 
 2.4%  | 
 45.6  | 
 2.6%  | 
 +3.6%  | 
| 
 プロパティ事業  | 
 86.9  | 
 4.8%  | 
 94.7  | 
 5.4%  | 
 +9.0%  | 
| 
 その他の事業  | 
 59.4  | 
 3.3%  | 
 69.0  | 
 3.9%  | 
 +16.2%  | 
| 
 調整額  | 
 -9.7  | 
 –  | 
 -39.1  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 1799.5  | 
 100.0%  | 
 1,750.0  | 
 100.0%  | 
 -2.8%  | 
| 
 営業利益  | 
|||||
| 
 総合通販事業  | 
 17.1  | 
 2.3%  | 
 -1.2  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 専門通販事業  | 
 39.1  | 
 7.8%  | 
 45.0  | 
 8.5%  | 
 +15.1%  | 
| 
 店舗販売事業  | 
 3.1  | 
 1.0%  | 
 -19.7  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 26.5  | 
 31.8%  | 
 25.9  | 
 28.3%  | 
 -2.3%  | 
| 
 ファイナンス事業  | 
 18.7  | 
 42.6%  | 
 22.4  | 
 49.1%  | 
 +19.8%  | 
| 
 プロパティ事業  | 
 6.6  | 
 7.6%  | 
 2.7  | 
 2.9%  | 
 -59.1%  | 
| 
 その他の事業  | 
 -3.9  | 
 –  | 
 2.2  | 
 3.2%  | 
 –  | 
| 
 調整額  | 
 -4.1  | 
 –  | 
 -7.3  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 103.1  | 
 5.7%  | 
 70.0  | 
 4.0%  | 
 -32.1%  | 
*単位:億円。利益の構成比は売上高利益率。
新型コロナウイルスについては、足元では巣ごもり需要等、新たな機会は生まれているものの、外出需要の減少や店舗、ホテルの休業の影響がでている。
主に影響を受けている部門は、総合通販事業、店舗販売事業、プロパティ事業。
専門通販事業、ソリューション事業、ファイナンス事業は影響が小さく、または追い風を受けている。
◎総合通販事業
| 
 20/3期 上(実)  | 
 21/3期 上(予)  | 
 前年同期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 360.2  | 
 329.0  | 
 -8.7%  | 
| 
 営業利益  | 
 8.3  | 
 -10.4  | 
 -18.8  | 
*単位:億円
9月まで影響が残ることを想定して、計画に織り込んでいる。
既存顧客は、家具雑貨の販売は好調なものの、外出着を中心に販売鈍化を想定している。
新規顧客は、店舗が閉鎖している影響もあり、レスポンスが好調。新規獲得コストを積み増す。
既存顧客のレスポンスは鈍化しているものの新規顧客の獲得が好調なことから、積極的に顧客開拓に注力し来期からの増収増益の土壌づくりの1年と位置付けている。
◎店舗販売事業
| 
 20/3期 上(実)  | 
 21/3期 上(予)  | 
 前年同期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 156.7  | 
 98.1  | 
 -37.4%  | 
| 
 営業利益  | 
 3.4  | 
 -24.9  | 
 -28.3  | 
*単位:億円
アパレル店舗は、5月15日現在、84店舗中43店舗が休業中で、上半期中は段階的に開業し下半期は正常化する想定である。BANKANわものやは、5月15日現在、88店舗中28店舗が休業中で同じく上半期中は段階的に開業し、下半期は正常化する想定。
さが美GHDは、5月12日現在、159店舗中56店舗が休業中で、こちらも上半期中は段階的に開業し、下半期は正常化する想定。構造改革のチャンスと捉え、BANKAN化を本格的にスタートさせる。
◎プロパティ事業
| 
 20/3期 上(実)  | 
 21/3期 上(予)  | 
 前年同期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 44.5  | 
 27.8  | 
 -37.6%  | 
| 
 営業利益  | 
 3.0  | 
 -3.5  | 
 -6.5  | 
*単位:億円
国内ホテルは、上半期中は休業、もしくは低稼働を想定し、下半期は影響が残るものの段階的に縮小する。
海外ホテルも同じく、上半期中は休業、もしくは低稼働を想定。前下半期からのコスト改善策が奏功し、上半期利益への影響は限定的と見ている。
不動産賃貸事業は、オフィスビル中心に保有しているため影響はほぼ無い。
その他、2019年にスタートした太陽光事業の稼働は想定を上回っており、増収増益を見込んでいる。
4.今後の注目点
新型コロナウイルスの影響もあり、減収減益予想ではあるが、同社の特長・強みである事業ポートフォリオによる分散効果も期待できるだろう。
また、ここ数期低迷してきた総合通販事業にとっては、新規顧客を獲得し事業基盤を強化するチャンスともいえる。
<参考1:第四次経営計画:経営方針と取り組み>
同社では現在第四次経営計画を推進中である。新型コロナウイルスの影響により事業環境の変化はあるものの、基本的には以下のような考え方で事業の拡大を図る。
(1)経営環境
デフレマインドの強まり、ネットの伸長、宅急便や送料の値上げといった外部環境の変化に、「オージオ、ナースリー、ワインといった単品通販の伸長」、「各ポートフォリオの成長」、「ホテル事業の回復」といった内部環境により柔軟に対応する経営方針を策定している。
(2)第四次経営計画
◎位置づけ
第三次経営計画では過去最高の売上、利益を達成できたことをうけ、第四次経営計画では外部環境の変化を織り込み、目標達成へ向けた土壌を構築する。
(3)主力4事業の取り組み
「総合通販事業の復活」、「専門通販事業の拡大」、「店舗販売事業の拡大と収益改善」、「稼げるホテルを中心にしたプロパティ事業の強化」という、主力4事業の拡大・強化を推進する。
①総合通販事業の復活
夏シーズン、売上に関しては用紙不足の影響もあり、カタログ送付数の削減という大きな影響が出た逆風の中で、業績の維持と次の再成長へ向けた取り組みを積極的に行っている。
◎カタログ販売の復活
第四次経営計画では総合通販を成熟部門と捉え、売上高750~800億円の継続を目指す。
そのために、「紙の復活」、「「20代~70代向けまで幅広い商品を提供」、「メンズ、インナーの強化」、「ベルーナらしい商品の開発」に取り組む。
ベルーナらしさとは同社の祖業ともいえる頒布会形式のことで、その販売形態にあった商品開発に取り組む。
◎ネットの強化
ミセス向け・若年層向けにそれぞれ特化した勝ちパターン作りに取り組む。
ミセス向け「ベルーナサイト」では、2019年夏シーズンより再成長をスタートさせた。
ネット専用商品の投入や、体型カバー特集および大きいサイズ特集の展開など、ミセスに特化した商品コンテンツを強化する。
また、セール依存から脱却し、通常販売商品を中心としたサイト作りに取り組む。
2019年6月にオープンした若年層向けファッションECモール「リュリュモール」は、20代30代向けに豊富なサイズを展開し、自社商品開発経験を活かしたセレクト・顧客提案をコンセプトとしている。
現在は試行錯誤の段階であり、下半期に成長軌道に乗せていく。
②専門通販事業の拡大
営業利益は予算比および前年比共に上回っており、順調な進捗である。
化粧品通販オージオ、ワイン事業の更なる成長に期待している。特に化粧品通販は国内外での展開を積極的に進めていく。
◎化粧品通販オージオ
卵殻膜配合美容液の「ビューティーオープナー」が2年連続で売上No1となった。(東京商工リサーチ調べ:ベルーナ提供)
また、新たに「ビューティークレンジングバーム」がヒットの兆しを見せている。
新規顧客獲得数は着実に増加している。
◎ワイン通販
2018年度の売上高は41億円で、ワイン通販国内売上ランキング11年連続No.1となった。販売本数は約580万本で前年比2割増。ネット販売が好調に推移し、成長を牽引している。
③店舗販売事業の拡大と収益改善
(和装店舗)
◎BANKANわものや
出退店の結果、店舗数は19年9月末83店舗。上半期は増収増益となり、下半期で予算のキャッチアップを目指す。
◎さが美GHD
組織体制を刷新し、意識改革を進めている。BANKANわものやの経営及び運営方式導入を目的として、さが美新コンセプトショップ1号店(愛知県小牧市)を2019年11月にオープンした。
今期中に3店舗開店を予定している。
④稼げるホテルを中心にしたプロパティ事業の強化
予算との乖離の原因は主にリゾートホテルの進捗が遅れていること。
積極的にテコ入れを行い早期の立て直しを図る。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
| 組織形態 | 監査等委員会設置会社 | 
| 取締役 | 8名、うち社外2名 | 
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2019年6月28日
<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、取締役会が決定した方針のもと、執行役員が担当業務を執行する権限と責任を持つことで迅速化を図るとともに、経営の公正性及び透明性を高めることによりコンプライアンス体制、効率的な経営体制の確立を実現することにあります。また、社外の有識者も参加するコンプライアンス委員会を設置し、権限を付与することによって第三者の視座が経営判断に反映される体制を構築しております。
<実施しない主な原則とその理由>
| 
 原則  | 
 実施しない理由  | 
| 《補充原則1-2-④》 | 当社の株主構成を勘案し、国内外問わず株主が議案の検討をしやすくするために、英文招集通知の開示を当社ホームページにて行っております。議決権電子行使プラットフォームの利用については今後検討していきます。 | 
| 《補充原則4-10-①》 | 独立社外取締役は現時点で2名に留まりますが、各独立社外取締役とも、自身の高い専門的な知識と豊富な経験を活かして取締役会や各取締役へ意見を述べるとともに、必要に応じて助言を行っております。今後は、必要があれば独立社外取締役を主要な構成員とする任意機関を設置することも検討してまいります。 | 
| 《補充原則4-11-3》 | 取締役会全体の実効性の分析・評価については、今後、取締役会の機能を向上させるという観点から、その具体的な評価手法も含め、引き続き検討してまいります。 | 
<開示している主な原則>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の実施状況につきましては、「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」として次の当社ホームページ (コーポレート・ガバナンス)にて開示を行っております。
| 
 原則  | 
 開示内容  | 
| 【原則 1-4】 | 当社は、取引先との良好な取引関係を構築し、事業の円滑な推進を図る為、主として取引先からの保有要請を受け、保有することがあります。なお、取引関係の強化によって得られる当社グループの利益と投資額等を総合的に勘案して投資可否については判断しております。また議決権行使については提案されている議案について株主価値の毀損につながるものではないかを確認し、投資先企業の状況等を勘案しております。 | 
| 【基本原則5】 | 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきであり、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行うべきと認識しております。そのため、IR体制を整備し、当社への理解を深めてもらうために、年2回の決算説明会に加えおよび個別IRや個人投資家向け会社説明会の実施を行うなど、投資家と積極的な対話を心がけております | 



