(9275) 株式会社ナルミヤ・インターナショナル 新事業や中国など新たな市場開拓

2019/11/14

 

石井 稔晃 社長

株式会社ナルミヤ・インターナショナル(9275)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表取締役

執行役員社長

石井 稔晃

所在地

東京都港区芝公園2-4-1

決算月

2月

HP

http://www.narumiya-net.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,231円

10,082,630株

12,411百万円

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

34.00円

2.8%

101.65円

12.1倍

358.86円

3.4倍

*株価は11/6終値。発行済株式数、DPS、EPSは20年2月期第2四半期決算短信より。BPSは19年2月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年2月(実)

23,474

1,157

892

708

74.99

2018年2月(実)

26,954

1,404

1,280

760

80.43

2019年2月(実)

29,700

1,625

1,505

926

94.94

31.00

2020年2月(予)

33,007

1,712

1,646

1,007

101.65

34.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。17年2月期及び18年2月期は連結、19年2月期は非連結、当期純利益及びEPSは抱合せ
株式消滅差益875百万円を調整後。20年2月期は連結見込。配当は上場後の配当のみ記載。

 

株式会社ナルミヤ・インターナショナルの2020年2月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年2月期第2四半期決算概要
3.2020年2月期業績見通し
4.今後の注目点
<参考1:今後の成長戦略>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • ベビー・トドラーおよびジュニア向け(※)子供服を企画・製造し、百貨店、ショッピングセンター(SC)およびEコマースで販売。販売チャネルごと、幅広いブランドをラインアップしている点に加え、トップクラスのブランド力、マーチャンダイジング能力、優良な顧客資産などが特長・強み。SCチャネル及びEコマースの拡大、中国市場の開拓、コト・サービスへの展開などで更なる成長を目指している。(※ベビー・トドラー:0歳~7歳向け、ジュニア:8歳~15歳向け)

     

  • 2020年2月期第2四半期は2桁の増収増益。売上高は前年同期比15.0%増の152億5百万円。第2四半期(6-8月)の悪天候などあったが引き続きSCルート、Eコマースともに2桁増収で好調。既存店売上高は同5.1%増収。全店売上高は同11.8%増だった。営業利益は同50.3%増の4億2百万円。歩合家賃、他社通販サイト出店料など販管費も同14.6%増加したが増収及び粗利率改善で吸収した。

     

  • 通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比11.1%増の330億円の予想。引き続きSCチャネル、Eコマースが牽引する。営業利益は同5.3%増の17億円を見込む。SCにおけるポイントサービス導入により初年度の今期はポイント引当金を計上するため販管費も増加するが吸収して増益へ。配当は34円/株を予定。予想配当性向は34.0%。

     

  • 引続きSC・ECが好調で2桁の増収増益となった。既存店売上高も7月のみ前年割れとなったが、他は対前年同月比増収であった。全店ベースでは6か月すべて増収と、苦戦する同業他社が多い中で好調さが際立っている。「少子化・人口減少」が進行し、子供服業界のプレーヤーが減少する中で、的確なマーケティングで他社が撤退したフィールドに参入したり、M&Aによって新たなブランドを獲得したりすることで成長を追求する同社にとっては、引き続き良好な事業環境と言えよう。

     

  • 上期の進捗率は売上高で46%、営業利益で24%となってはいるが、もとより特に営業利益に関しては年末年始や冬季を含む下期偏重型であり、現在のところ計画通り良好な進捗ということだ。第3四半期の実績を見守るとともに、来期にかけ顧客IDの統合効果がどのように示現していくのかを注目したい。

     

1.会社概要

ベビー・トドラーおよびジュニア向け子供服を企画・製造し、百貨店、SCの直営店で販売。Eコマースも急拡大中。2019年現在のブランド数は約20。販売チャネルごと、幅広いブランドをラインアップしている点に加え、トップクラスのブランド力、2チャネルの両立が可能なマーチャンダイジング能力、優良な顧客資産などが特長・強み。
SCチャネル及びEコマースの拡大に加え、中国市場の開拓、コト・サービスへの展開などで更なる成長を目指している。

 

【1-1 沿革】

1904年、広島で創業した呉服問屋・成宮織物が前身。1952年に成宮織物株式会社設立。1979年、本社を東京・青山に開設し、株式会社ナルミヤに改称。全国に事業拡大するとともに、分社独立及び事業譲渡を経て、1995年8月、株式会社ナルミヤ・インターナショナルに商号変更した。「mezzo piano」(メゾピアノ)や「ANGEL BLUE」(エンジェルブルー)等、カラフルなファッションアイテムとオリジナルキャラクターを特徴とした商品を中心に、百貨店における直営店舗販売と専門店への卸売りを軸
に、業容を拡大。全国各地の百貨店やファッションビルに積極的に出店し、2005年3月、ジャスダック証券取引所に株式を上場した。
しかし、百貨店依存体質からの脱却の遅れや、ブランドコンセプト転換の遅れなどにより、株式上場を果たした事業年度より、業績は減収減益が続く。新たな株主の主導の下、新チャネルの開拓、新会社の設立、M&A、中国への進出に加え、不採算ブランドからの撤退、本社移転や人件費をはじめとした固定費の削減に努めたが業績は回復せず、スピーディーな構造改革推進のため2010年3月、上場を廃止した。

 

上場廃止後、業績回復を目指すために招聘されたのが(株)アダストリア(東証1部、2685)の元社長 石井 稔晃(としあき)氏である。
2010年6月に代表取締役執行役員社長に就任した石井氏は、2011年3月にショッピングセンター向けトドラーサイズのブランド「petit main」(プティマイン)の店頭販売を開始させるほか、ECシステムの刷新を行うなど、これまでの百貨店中心の出店から、ショッピングセンターへの出店およびeコマースの強化へと経営資源を集中させ、事業ポートフォリオの転換を図る。
加えて、仕入れ体制の見直し、効果的な経費削減なども進め企業体質の変革に成功し、業績は順調に回復。

 

2018年9月、東京証券取引所市場第2部に上場し、2019年9月には市場第1部に指定された。
なお、上場廃止後、株主の交代に伴う株式譲渡・吸収合併・商号変更などを経て、2018年3月に現在の株式会社ナルミヤ・インターナショナルが誕生しており、上場廃止前の株式会社ナルミヤ・インターナショナルとは形式上は同一会社ではない。

 

【1-2 経営理念】

以下のようなビジョン、ミッション、バリューを掲げている。

 

ビジョン

世代を超えて愛される企業へ

ミッション

創造的な事業活動を通して「一瞬を」「ライフスタイルを」「未来を」創る

バリュー

一人ひとりがプロフェッショナルとして、今、行動する

 

【1-3 市場環境】

経済産業省の商業動態統計:百貨店・スーパー商品別販売額によれば、百貨店における衣料品販売額は1990年代前半をピークに減少が続いており、2018年の販売額は衣料品合計、婦人・子供服・洋品ともにピーク比45%の水準。
デフレ経済の進行、消費者マインドの変化など百貨店を取り巻く環境は厳しく、今後も大きく良化することは期待しにくいであろう。

 

 

ただ、同じく商業動態統計の業種別商業販売額(小売業)を見ると、2018年の「織物・衣服・身の回り品」販売額はピークであった1991年の約7割まで減少しているものの、下げ止まり横這いとなっている。
単純な比較はできないものの、百貨店以外の販売チャネルは堅調な推移を示していると推測することができる。

 

 

一方、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、2018年の「衣類、服装雑貨等」のBtoC-EC市場規模は1兆7,728億円で前年比7.7%の増加。2013年からのCAGRは8.8%と成長を続けている。
またEC化率(電話、FAX、Eメール、対面等も含めた全ての商取引市場規模に対するEC市場規模の割合)も着実に上昇しており、アパレル市場におけるECのウェイト・重要性は今後ますます高まることとなろう。

 

【1-4 事業内容】

ベビー・子供服をSPA(製造小売)形態で展開している。

 

(1)取扱ブランド
各販売チャネルごとに、以下のようなベビー・トドラー、ジュニア向けブランドをラインアップ。
2019年8月現在のブランド数は、ベビー・トドラー14、ジュニア7の合計21。

 

①ベビー・トドラー(0歳~7歳)向け主要ブランド
◎百貨店

 

 

女の子が誰よりも可愛くなれる、ロマンティック&スウィートなテイストのブランド。カジュアルウェアからフォーマルドレスまで幅広く展開。

 

 

スウェーデン語で「洋服ダンス」を意味する「クレードスコープ」。衣服を通して心を育てる「服育」がテーマのブランド。

 

 

自然や生命の不思議に目を見はる、その感性へのオマージュとして生まれたブランド。ナチュラルカラーをベースに、季節の花や果実など、身近な自然界をモチーフにしたデザイン。 愛らしく、でも甘すぎず、細部にこだわったディテールが特徴です。しなやかな風合いと心地よい肌触りのために、厳しいアメリカ認定のオーガニックコットンを使用しています。

 

◎SCブランド

 

 

トレンドファッションに子どもらしさをプラスした、デイリープライスで楽しめるガールズ&ボーイズブランド。ママをはじめ、活動的な女性に向けたレディースライン「リアン」とリンクコーディネートを楽しめます。

 

 

着心地よくリラックスしたデイリーウェアを提供するユニセックスブランド

 

 

「つながり」が語源である「LIEN」(リアン)はさりげなくトレンドをプラスしたシンプルでクリアなアイテムをあそび心のあるスタイリングで提案。ママをはじめとした活動的な女性のライフスタイルシーンに溶け込み、大人と子どもはもとより大切な人とのつながりを彩ります。

 

◎ライセンスブランド

 

 

「ドリーミー」・「クラシック エレガンス」・「スウィート グランジ」がキーワードの、ANNA SUIの子ども服ブランド。

 

 

1993年にニューヨークで誕生したケイト・スペード ニューヨークは、ハンドバッグ・アパレル・ジュエリー・シューズ・チルドレンズウェア・ギフトなどを展開するライフスタイルブランドです。楽観的で女性らしいアプローチで毎日のパーソナルスタイルを称賛し、若々しいスピリットと自信に溢れた女性たちを応援しています。

(同社ウェブサイトより)

 

②ジュニア(8歳~15歳)向け主要ブランド
◎百貨店

 

 

華やかでロマンティックな女の子のためのブランド。上品なスタイルから、トレンド感のあるカジュアルスタイルまで展開。

 

 

フレンチテイストのカジュアルブランド。モノトーンやパステルのカラーリングにトレンドをプラスした、上品なデイリー&スクールウェアを提案。

 

 

アメリカンカジュアルをベースに、トレンドMIXしたスタイルを、明るく元気にカッコ良く着こなす男の子のブランド。

 

◎SCブランド

 

 

アメカジ・ロック・ガーリッシュなど、トレンドをテイストMIXして着こなす元気な女の子のためのブランド。

(同社ウェブサイトより)

 

(2)販売チャネル
沿革で触れたように、従来は百貨店チャネル販売を中心としていたが、ショッピングセンターとの強いパイプと実績を有する石井社長のリードによりSCチャネル開拓を積極的に進めている。19年2月期には初めてSCチャネル売上が百貨店チャネル売上を上回った。また、Eコマースチャネル強化も積極的に推進している。

 

 

 

 

 

①百貨店
主に都市部の大手百貨店に展開している。1985年にベビー・トドラーを主要顧客とするブランド「MINI-K」(ミニケー)により子供服業界へ進出し、1988年には現在も主力ブランドの一つである「mezzo piano」(メゾピアノ)がデビュー。1991年には、ジュニアブランド第1号の「ANGEL BLUE」(エンジェルブルー)を発表した。「ジュニア服」という新市場を開拓し、その後も次々と新ブランドを発表してきた。ただ、百貨店市場が今後大きく成長する可能性は低いため、現状を維持しつつ収益性の向上を図る考えだ。

 

 

②ショッピングセンター
2005年、ショッピングセンター1号店を出店。イオンモールやららぽーと等、都市近郊及び郊外のショッピングセンターに直営店舗を展開している。
2009年には百貨店系アパレルブランドよりも低価格帯で商品を展開するジュニアブランド「Lovetoxic」(ラブトキシック)を発表。2011年には、「Lovetoxic」同様、ショッピングセンター向け低・中価格帯ブランド「petit main」(プティマイン)をデビューさせた。ユニセックスブランドである「petit main」は0歳から7歳の男女を主要顧客層としている。

 

 

③アウトレットモール
2006年、アウトレット1号店として「りんくうプレミアム・アウトレット」へ出店した。三井アウトレットパークやプレミアム・アウトレットを中心とする郊外のアウトレットに直営店舗を展開している。

 

④Eコマース
2008年、Eコマース事業に本格的に注力し始め、直営のオンラインショップである「NARUMIYA ONLINE」をオープンした。
自社サイトに加え、ZOZOTOWN、楽天、Amazon等の他社通販サイトにも出店し、顧客の利便性および自社ブランドの認知度向上を図っている。
2019年2月期のEC化率は14%、今20年2月期は20%に上昇する見込み。
自社ECサイト比率は19年2月期43%で今期は50%を見込む。2022年2月期60%を目指している。
ECサイト購入者数は2018年約23万人。毎年大幅に増加している。

 

2018年8月より中国アリババグループが運営する世界最大のBtoC-ECサイト「天猫(Tmall)」へ、中国企業へのライセンスアウトによる出店を開始した。
同社の主力ブランド「petit main」は2018年11月11日(独身の日)に約3,000万円を売り上げ、初参加ながら子供服カテゴリーで全体の上位10%に入ることができた。ちなみに日本における「petit main」の平均日販は約100万円。

 

また、2019年3月に男児向けカジュアルウエアを中心に企画販売を行う株式会社ハートフィールの全株式を取得し子会社し
た。ハートフィール社はEコマース比率が90%以上と、Eコマースに特化した事業を展開している。
女児ブランド中心のナルミヤ・インターナショナルにとってはブランドポートフォリオ拡充およびEC強化に繋がるものである。

 

 

⑤その他
地方百貨店やアパレル専門店への卸売販売及び自社ブランド商標のライセンス販売を行っている。

 

(3)新事業への取り組み:ハウススタジオ事業
子供服の製造・販売を手掛けてきた同社だが、今後は提供すべき価値をモノ(洋服)からコト(サービス)へ拡大することで、キッズライフスタイル企業へ進化することを目指している。
その第一歩として、写真館「LOVST」と業務提携し、2018年9月にマリン アンド ウォーク横浜にフォトスタジオ「LOVST BY NARUMIYA」をオープンした。このサービスは、同社の子供服300着から衣装を選び、日常の風景やライフイベントを思い出として写真撮影するというもの。フォトスタジオでレンタルした同社の洋服を写真撮影後の購入に繋げるなど、既存事業とのシナジーも見込んでいる。事業開始から1年で利用者は1,800名を突破。客数・客単価ともに順調に拡大している。

 

(同社資料より)

 

【1-5 特長と強み】

(1)マルチチャネル・マルチブランド戦略
百貨店、SC、ECとバランスの良い販売チャネル展開に加えて、それぞれのチャネルにあった数多くのブランドをラインアップしている点は他社には見られない同社の大きな特長・強みである。
ベビーからジュニア(0歳から15歳)までの幅広い年齢層や価格帯をカバーしており、ロングセラーのブランドだけでなく、その時々の市場の動きを捉えたブランドを、タイミングよく最適なチャネルに配置していくことが可能である
今後も、ハートフィール社のケースの様にM&Aも活用しながら、差別化された複数のブランドを構築し、各チャネルにおける空白領域を埋めていく考えだ。

 

(同社資料より)

 

(2)2チャネルの両立が可能なマーチャンダイジング能力
百貨店とSCでは顧客層及びニーズが異なるため、それぞれ適切なブランドを展開する必要があり、加えてサプライチェーンが下記のように全く異なるため百貨店からSCへ、逆にSCから百貨店へとチャネルを広げるのはいずれも容易ではない。

 

(チャネルごとのサプライチェーンの特長)

販売チャネル

サプライチェーンの特長

リードタイム

百貨店

高価格帯の商品を提供するため、価格以上のクオリティの商品を小ロットで生産可能とするサプライチェーン

長い

SC

中価格帯の商品を提供するため、ファッション性とコストパフォーマンスを両立させるサプライチェーン

短い

 

これに対し、同社は百貨店、SC両チャネルにおけるサプライチェーンマネジメントの仕組みを既に構築済み。
2チャネルを両立できるマーチャンダイジング能力を有していることから、収益源を分散することができており、この点も特筆すべき強みである。

 

特に今後のNo.1成長ドライバーと位置付けているSCチェーンにおける、同社の競争優位性に注目したい。
同社は、強力な企画力と国内外のトレンドおよびブランド情報に関する収集ネットワークを活かし、子供服のトレンドを逐次把握しており、この情報を元に、多様な商社との強固な製品調達ネットワークにより、シーズン中でも売れ筋商品を追加投入することができる
この短期間での商品投入が可能な柔軟な企画・製造・販売システムによって同社は機会損失を減少させ、売上最大化を追求することが可能である。

 

(3)トップクラスのブランド力
同社ブランドはラインアップの幅広さのみでなく、クオリティの高さも大きな特長である。
大手業界紙「繊研新聞」が実施した「2017年度 繊研キッズファッション賞」においては、「petit main」がSC部門第1位を獲得したほか、「ANNA SUI mini」が百貨店トドラー部門第1位、「mezzo piano junior」が百貨店ジュニア部門第1位、「SENSE OF WONDER」が百貨店ベビー部門第2位となるなど、トップクラスの評価を受けている。

 

(4)優良な顧客資産
長い年月をかけて子供服のトップブランドを築き上げてきた同社顧客層の顧客ロイヤルティ(※)は極めて高い。
この顧客資産は安定した販売基盤であると同時に、新たなブランド開発や事業展開に繋がるニーズを吸い上げることもできるなど、同社の企業価値を構成する重要な見えない資産となっている。
※顧客ロイヤルティ:顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のこと

 

2.2020年2月期第2四半期決算概要

【2-1 損益概要】

 

19/2期2Q

対売上比

20/2期2Q

対売上比

対前年同期比

売上高

13,220

100.0%

15,205

100.0%

+15.0%

売上総利益

7,050

53.3%

8,178

53.8%

+16.0%

販管費

6,782

51.3%

7,775

51.1%

+14.6%

営業利益

268

2.0%

402

2.6%

+50.3%

経常利益

197

1.5%

368

2.4%

+86.6%

四半期純利益

37

0.3%

172

1.1%

+361.7%

*単位:百万円。19年2月期第2四半期は単体実績。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。19/2期2Qの四半期純利益は、2018年3月 1日の吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益875百万円を控除した額。

 

2桁の増収増益
売上高は前年同期比15.0%増の152億5百万円。第2四半期(6-8月)の悪天候などあったが引き続きSCルート、Eコマースともに2桁増収で好調。既存店売上高は同5.1%増収。全店売上高は同11.8%増だった。
株式会社ハートフィールの売上高寄与は4億24百万円。粗利率は同0.5ポイント改善した。
営業利益は同50.3%増の4億2百万円。歩合家賃、他社通販サイト出店料など販管費も同14.6%増加したが増収及び粗利率改善で吸収した。ハートフィールののれん償却額は22百万円。

 

【2-2 販売チャネル別動向】

売上高

19/2期2Q

構成比

20/2期2Q

構成比

前年同期比

百貨店

4,550

34.4%

4,317

29.2%

-5.1%

SC

5,283

40.0%

6,426

43.5%

+21.6%

Eコマース

1,696

12.8%

2,108

14.3%

+24.3%

売上総利益

 

 

 

 

 

百貨店

2,399

52.7%

2,181

50.5%

-9.1%

SC

3,057

57.9%

3,858

60.0%

+26.2%

Eコマース

888

52.3%

1,157

54.9%

+30.3%

*単位:百万円。ナルミヤ単体。売上総利益の構成比は売上高利益率。

 

①百貨店
減収減益。
売上は下げ止まらず依然苦戦中で、特にジュニアブランドが不振である。
新規出店18、退店9。

 

②SC
増収増益。
既存店売上高も前年同期比7.8%増と成長トリガーとして引き続き好調だ。
ポイントシステムの導入による顧客ID獲得を進め、EC会員との統合によるCRM強化を図っている。
また、RFIDタグの導入による倉庫作業の効率化、RFID対応POS導入による店舗スタッフ省人化など事業効率化にも取り組んでいる。
新規出店12、退店1。年間目標19店舗に対し順調な進捗である。

 

③Eコマース
増収増益。
成長施策が順調に推移している。

 

自社サイト会員数は33万人と19年3月から12.5万人増加。今年4月のSCとの顧客統合により登録者数が拡大している。
百貨ブランド、SCブランド共に前年同期比でそれぞれ10%増、36%増と増収。また、EC限定ブランドアイテムを15型開発し、7,500万円を売り上げた。
自社サイト売上は前年同期比19.3%増で自社サイト売上比率は43%となった。ZOZOTOWN売上は同40.8%増収で、構成比率は39%。

 

ボーイズブランドをリアルとEC両輪で展開していく計画のハートフィール社は、ボーイズのニーズが大きいことを受け、前倒しでSCでの出店がほぼ確定している。

 

2018年8月に進出した中国Tmallにおけるパートナー企業の今上期売上高は160百万円。
Tmallには子供服ブランドが全部で3,000ブランド販売されているが、上位10%以内に入っており、中国市場でも一定の評価を得ている。ただ、現時点での売上構成は男児服が女児服を上回っており、同社が強みとする女児服の構成を高める必要があると考えている。
中国市場の本質的な傾向をより明確に把握する必要があるため、現地パートナー企業と頻繁にミーティングを重ねている。

 

④ハウススタジオ事業
フォトジェニックなハウススタジオとして人気が上昇中。客単価、客数ともに順調で、単月では黒字も計上し、徐々に形になってきた。更なる出店を見据えてカメラマンを含めた運営スタッフのチーム化に取り組んでいる。

 

【2-3 トピックス】

①SCとECの顧客ID統合
店舗顧客のEC利用・EC顧客の店舗来店など、売場の最適化を図るため、SCとECの顧客IDを統合した。
これにより新規顧客獲得数は前年同期の33,532名から125,142名へ大きく増大した。

 

②東証1部へステップアップと記念配当実施を決議
2019年9月6日、東京証券取引所市場第一部銘柄に指定された。
これに伴い、市場変更を記念して、2020年2月期の期末配当金において3円/株の記念配当を実施することとした。
この結果、今期の期末配当金は、普通配当 31 円/株と合わせて合計 34 円/株となる予定である。

 

③株主優待制度を新設
同社商品を使用する機会を提供することで、同社の中・長期的なファン作りにつなげるため、株主優待制度を新設した。

 

毎年2月末日現在の株主(1 単元、100 株以上の保有)を対象に同社の直営店舗で使用できる 10%ディスカウント券を、保有株式数に応じて贈呈する。店頭販売価格10万円(税抜)を利用上限として、10%の割引を受けることができる。

 

【2-4 財務状態とキャッシュ・フロー】

①主要BS

 

19年2月末

19年8月末

 

19年2月末

19年8月末

流動資産

8,233

7,365

流動負債

5,263

4,913

 現預金

1,847

1,487

 仕入債務

2,698

2,012

 売上債権

2,309

2,611

 短期借入金

450

670

 たな卸資産

3,694

3,182

固定負債

5,362

5,724

固定資産

5,948

6,729

 長期借入金

4,325

4,714

 有形固定資産

1,100

1,145

負債合計

10,626

10,638

 無形固定資産

3,321

3,735

純資産

3,556

3,455

  のれん

3,129

3,475

 利益剰余金

1,515

1,380

 投資その他の資産

1,527

1,847

負債純資産合計

14,182

14,094

資産合計

14,182

14,094

借入金残高

4,775

5,384

 

 

 

自己資本比率

25.1%

24.5%

*単位:百万円。19年2月末は非連結、19年8月末は連結。文中増減は参考数値。

 

固定資産の取得などで現預金が減少。のれん、投資その他の資産が増加したが総資産は前期末比88百万円減少の140億94百万円。仕入債務の減少、ハートフィール買収に伴う長短借入金の増加で負債は同12百万円増加の106億38百万円。純資産は同1億円減少の34億55百万円。自己資本比率は前期末より0.6ポイント低下の24.5%。

 

②キャッシュ・フロー

 

19/2期2Q

20/2期2Q

前年同期比

営業CF

200

445

+244

投資CF

-286

-519

-233

フリーCF

-85

-74

+11

財務CF

-740

-284

+455

現金及び現金同等物

1,158

1,487

+329

*単位:百万円。19年2月期第2四半期は単体実績。

 

たな卸資産の減少などで営業CFのプラス幅は拡大。店舗増などで投資CFのマイナス幅は拡大。
配当金支払額の減少などで、財務CFのマイナス幅は縮小。キャッシュポジションは上昇した。

 

3.2020年2月期業績見通し

【3-1 損益見通し】

 

19/2月期

対売上比

20/2月期(予)

対売上比

対前期比

進捗率

売上高

29,700

100.0%

33,007

100.0%

+11.1%

46.1%

売上総利益

15,937

53.7%

17,898

54.2%

+12.3%

45.7%

販管費

14,312

48.2%

16,186

49.0%

+13.1%

48.0%

営業利益

1,625

5.5%

1,712

5.2%

+5.3%

23.5%

経常利益

1,505

5.1%

1,646

5.0%

+9.4%

22.4%

当期純利益

926

3.1%

1,007

3.1%

+8.7%

17.1%

*単位:百万円。19年2月期は単体実績。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。

 

業績予想に変更無し。増収増益を予想
業績予想に変更は無い。売上高は前期比11.1%増の330億円の予想。引き続きSCチャネル、Eコマースが牽引する。
営業利益は同5.3%増の17億円を見込む。SCにおけるポイントサービス導入により初年度の今期はポイント引当金を計上するため販管費も増加するが吸収して増益へ。
配当は34円/株を予定。予想配当性向は34.0%。

 

【3-2 販売チャネル別売上動向】

 

19/2期

20/2期(予)

前期比

進捗率

百貨店

9,796

9,732

-0.7%

44.4%

SC

11,770

13,066

+11.0%

49.2%

Eコマース

4,286

6,315

+47.3%

40.1%

*単位:百万円。

 

①百貨店
微減収。
下期の挽回策として、外資ブランドのダウンであるピレネックスを投入するほか、新生児ギフト対応商品の拡充、不採算ブランドの縮小(ジュニアブランドの売場縮、ベビー・トドラーの強化)、人材の集約を促進する。また、来期以降の挽回策として、新外資系ブランドの展開を計画中だ。来期大型店を中心に10店舗を展開し、3年で30店舗を展開する。

 

②SC
2桁増収。
今年度も約20店舗の新規出店を継続する。既存店に関しては、ポイントシステムの導入によるCRMの強化、ECとの連携による相互送客の実施など収益力強化を図る。また、事業の効率化を目指して、RFIDの導入による倉庫作業の効率化を進めるほか、セルフレジ導入等による省人化を試行する。

 

③Eコマース
大幅増収。
2020年2月期にEC化率20%を目指している。ハートフィール社寄与によりさらなる拡大を見込んでいる。
利益率が高く、顧客データ獲得が可能な自社ECサイトの強化を更に進め、自社サイト売上高比率を、2019年2月期43%から、2020年2月期50%へと引き上げる。また、デジタルマーケティングの促進にも取り組む。
4月に実施したSCとの顧客ID統合により、店舗顧客のEC利用・EC顧客の店舗来店など、売場の最適化を図る。

 

2021年2月期には自社アプリの導入を検討している。加えて、経営効率化のためにSCとECの物流統合について検討を開始する。中国Tmallのパートナー企業の下期売上は前年同期の2億円を大きく上回る3億60百万円の計画。通期では5億20百万円を見込む。

 

4.今後の注目点

引続きSC・ECが好調で2桁の増収増益となった。既存店売上高も7月のみ前年割れとなったが、他は対前年同月比増収であった。全店ベースでは6か月すべて増収と、苦戦する同業他社が多い中で好調さが際立っている。
「少子化・人口減少」が着実に進行し、子供服業界のプレーヤーが減少する中で、的確なマーケティングで他社が撤退したフィールドに参入したり、M&Aによって新たなブランドを獲得したりすることで成長を追求する同社にとっては、引き続き良好な事業環境と言えよう。

 

上期の進捗率は売上高で46%、営業利益で24%となってはいるが、もとより特に営業利益に関しては年末年始や冬季を含
む下期偏重型であり、現在のところ計画通り良好な進捗ということだ。
第3四半期の実績を見守るとともに、来期にかけ顧客IDの統合効果がどのように示現していくのかを注目したい。

 

<参考1:今後の成長戦略>

(1)各チャネルの取り組み

百貨店中心の販売形態から、石井社長就任後、SC、Eコマースを強化してきた同社は各チャネルにおいて以下のような取り組みを進めていく。

 

 

①SCチャネル
引き続き同社成長を牽引するNo.1のトリガーである。
成長を続けてきた国内のSC総数は現在約3,200で、ここ数年はほぼ横這いの推移となっている。同社ではこのうち約1,200のSCを出店ターゲットと想定しているが、2019年8月末のSC直営店舗数は171店。出店余地は依然として大きい。

 

そうした中、SCチャネルにおける販売力を更に強化するためにショッピングセンターブランド専門の「SC事業部」を組成し、経営資源の集中とブランド運営の更なる効率化を進めている。
SC間の優勝劣敗が明らかになりつつあることから、より精緻に出店先を選別し、成長が続く優良SCへの出店を推進する。また、収益力を向上させるために、事業規模の拡大によりボリュームディスカウントを実現するほか、各種原価低減施策により高い粗利を確保する。

 

また、ファッショントレンドをいち早く捉え、企画・製造・販売のビジネスサイクルを更に短縮化する。
「特長・強み」でも触れたように、企画力、情報収集力、製品調達力に優れた同社はシーズン中でも売れ筋商品の追加投入が可能であり、この優位性を活かしてSCチャネルにおける売上高を一段と拡大させていく。

 

 

②Eコマース
急成長するEコマースチャネルについては第2の成長トリガーと位置付け、以下のような取り組みによって更に成長させる。

取組み

具体的な施策

消費者が選びやすく購入しやすい自社ECサイトの構築

*購入者が増えるスマホ向けサイトの利便性向上

顧客データ活用の強化

*ECと店舗の在庫一元管理化及び顧客IDの統合

*オムニチャネル化を進め、リアル店舗とネットの双方による強固な顧客接点の実現を目指す。

優良顧客の囲い込み

*購買履歴などから最適な商品を提案

*ポイント特典など顧客サービスの充実(ロイヤルティの向上)

 

③百貨店チャネル
百貨店チャネルの売上高を大きく成長することは難しいが、以下のような取り組みによって着実な伸長、顧客基盤の強化、収益性の改善を図る。

 

*多ブランド展開の強みを活かし残存者利益を享受
競合が撤退した売場スペースに自社の他ブランドを追加し、売場シェアを拡大させる。
また、適宜必要に応じて新規ブランドを投入できる体制を構築する。

 

*ロングセラーブランドの顧客維持
子供服に特化したアパレルとして歴史のある同社は場合によっては3世代にわたる関係性の濃密な顧客層を有している。
こうした顧客との付き合いの長いスタッフによる関係の維持・深化、顧客のライフステージに適した施策を実施することで顧客基盤の更なる強化を図り、LTV(※)の最大化を目指す。
※LTV: Life Time Value。一人の顧客が生涯で、商品またはサービス購入に使用した金額を指す。LTVが高いということは、その顧客が自社商品やサービスを何度もリピートして購入、使用してくれていることを意味する。

 

*人件費抑制による事業の効率化
異なるブランドの売場を近接させるなどして販売効率を引き上げる。

 

この他、通常、百貨店チャネルでは従来の商習慣などからシーズン中の商品追加投入は難しいが、SCチャネル同様に短期間での商品調達・投入ができるようなシステム構築を目指し、百貨店側への働きかけを進めていく。

 

(2)中国市場への進出

中国のアパレル市場は2020年までに約54兆円と世界最大の市場となると予測されている。また、子供服に関しても「一人っ子政策」の影響により出生数自体はほぼ横這いとなっているが、年間出生数は約1,700万人と、100万人に満たない日本と比較してそのボリュームは圧倒的である。
前述のように、同社は2018年8月、中国のビジネスパートナーへのライセンスアウトにより、Tmallへ出店した。
これを足掛かりとし、様々な形態によって本格的に巨大な中国市場を開拓していく。
また、他アジア近隣諸国へのリサーチも開始する。

 

(3)コト・サービスへの展開

これも前述のように、子供服の製造・販売を手掛けてきた同社は、今後は提供すべき価値をモノ(洋服)からコト(サービス)へ拡大することで、キッズライフスタイル企業へ進化することを目指している。
その第一歩として立ち上げた、ハウススタジオ事業は順調な立ち上がりを見せている。
今後も強みである、トップクラスのブランド力や優良な顧客資産を活かして新たなフィールドでの事業展開に取り組んでいく。

 

(4)M&Aやアライアンスの推進

ハートフィール社のケースに見られるように、子供服の中でもまだ手付かずのポジションをM&Aやアライアンスによってカバーしマルチブランド戦略を更に強化する。

 

<参考2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

6名、うち社外4名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日: 2019年5月30日

 

<基本的な考え方>
当社は企業行動憲章の中で、世界の子供たちの夢を育み、子供たちに充実した豊かな暮らしを提供する企業として、子供たち、お客様、株主・投資家のみなさま、取引先のみなさま、地域社会のみなさまとの信頼関係を築き、私たちに対する期待に誠実にお応えし、社会的責任を果たすために、次の10の行動原則を掲げております。

 

(1)社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・顧客情報の保護に十分配慮し開発、提供し、常にお客様の満足と信頼を獲得するよう行動します。
(2)公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行います。また、政治、行政との健全かつ正常な関係を保ちます。
(3)株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
(4)従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
(5)環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動します。
(6)「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動を行います。
(7)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決します。
(8)国際的な事業活動においては、国際ルールや現地の法律の遵守はもとより、現地の文化や習慣を尊重し、その発展に貢献する経営を行います。
(9)経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、社内に徹底するとともに、取引先に周知します。また、社内外の声を常時把握し、実効性のある社内体制の整備を行うと共に、企業倫理の徹底を図ります。
(10)本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、権限と責任を明確にした上、自らを含めて厳正な処分を行う。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則1-2.(4)議決権の電子行使、招集通知の英訳】

当社は、招集通知の英訳を行っておりますが、議決権の電子行使ができる環境づくりを構築しておりません。今後において、議決権の電子行使を可能とする環境づくりを検討してまいります。

【原則1-4 政策保有株式】

(1)政策保有株式に関する方針

 

当社は、取引関係強化等の中長期的な視点も踏まえた上で、取引先の株式を保有しておりますが、当社の資産効率に極めて影響の少ない範囲での保有であります。そのため、当社では定期的に政策保有株式の保有の適否に関する検証を実施することまでは考えておりません。ただし、経営判断により随時保有の意義が失われたと認められる場合には、売却等による処分を検討します。

 

(2)政策保有株式に係る議決権行使について適切な対応を確保するための考え方について

 

政策保有株式の議決権行使に関する基本的な考え方は以下のとおりであります。

当社は、政策保有株式に係る議決権の行使については、投資先企業が適切なガバナンス体制を構築し中長期的な企業価値の増大につながる適切な意思決定を行っているかという観点を踏まえ、議案毎に賛否を総合的に判断します。

 

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

原則

開示内容

【原則3-1 情報開示の充実】

(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画

企業理念や中期経営計画については、当社ウェブサイト、決算説明資料等にて開示してまいります。

 

(2)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、本報告書「Ⅰ コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報 1.基本的な考え方」をご参照下さい。

 

(3)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続

当社は、コーポレート・ガバナンスの強化の一環として、取締役・執行役員の人事及び報酬制度に関する審議ならびに取締役会に対する答申を行うことにより経営の客観性と合理性を高め、企業価値の最大化を図ることを目的とする指名報酬委員会を設けております。なお、当委員会は、代表取締役社長及び全ての非業務執行取締役から構成され、委員長は、非業務執行取締役の中から委員の互選によって選定されます。

 

(4)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補者の指名を行うに当たっての方針と手続

取締役会は、取締役・監査役としてその役割・責務を適切に果たし、豊富な経験・高い見識・優れた人格を有する者を候補者に選定いたします。取締役・執行役員の選解任については、客観性や透明性を確保するため、取締役会または代表取締役社長が会社の業績等の評価を基に指名報酬委員会に諮問し、同委員会の答申を踏まえ取締役会が決定しております。なお、監査役候補者の指名については、監査役監査基準に基づきこれを行い、指名手続きは、監査役会規程に基づき監査役会の同意を得ております。

 

(5)取締役・監査役候補者の個々の選解任・指名理由

取締役・監査役候補者の個々の選任・指名理由については、株主総会招集通知に記載してまいります。解任が行われる場合には、方針と手続に則り適宜適切に開示いたします。

【原則5-1 株主等の建設的な対話に関する方針】

当社の株主等との建設的な対話を促進するための体制整備及び取組等に関する方針は、以下のとおりであります。

(1)企業価値向上に資するIR活動を推進するため、情報開示担当役員をIRの統括責任者として、経理部及び経営企画室が連携を図ってまいります。

 

(2)株主等との対話は、経営企画室が窓口となり、合理的な範囲で代表取締役社長または情報開示担当役員が対応してまいります。

 

(3)定期的に株主調査を行うことで株主構成の把握に努め、より効果的なIR活動の実施を目指してまいります。

 

(4)機関投資家・アナリストに対し、定期的に決算説明会を開催するほか、事業の進捗に応じて個別にミーティングや説明会を実施してまいります。また、個人投資家に対しては、迅速性・利便性を重視した情報提供に努めていく予定であります。

 

(5)開示資料作成にあたっては、決算短信・有価証券報告書・計算書類等の決算情報は経理部が中心となり、その他の開示資料は経営企画室が中心となり、経理部・経営企画室・人事総務部が連携を図り、適切な情報収集とともに開示情報の正確性を期してまいります。さらに、開示資料等は当社ウェブサイト上に英語版も併せて開示してまいります。

 

(6)株主・投資家等の対話の中で把握された意見・懸念については、適宜経営企画室から取締役会へ報告をしてまいります。

 

(7)株主との対話にあたっては、法令および関連規則等を遵守し、インサイダー情報を適切に管理しております。

 

 

 

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