ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン 来期計画に対して順調スタート

2019/09/26

 

 

 

越智 通勝 会長

 

鈴木 孝二 社長

エン・ジャパン株式会社(4849)

 

会社情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表者

越智 通勝、鈴木 孝二

所在地

東京都新宿区西新宿 6-5-1

決算月

3月

HP

https://corp.en-japan.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

3,960円

45,605,596株

180,598百万円

25.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

85.50円

2.2

180.02円

22.0倍

762.51円

5.2倍

*株価は8/30終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*2016年4月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割。上記は分割後の数値。
*BPS、ROEは19年3月期実績。数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

EPS

配当

2016年3月(実)

26,135

5,118

5,047

2,756

60,79

34.50

2017年3月(実)

31,719

6,856

6,848

4,005

88.03

27.60

2018年3月(実)

40,710

9,626

9,731

6,366

139.93

46.50

2019年3月(実)

48,733

11,661

11,834

8,144

178.97

62.80

2020年3月(予)

60,000

12,200

12,219

8,210

180.02

85.50

(単位:百万円、円)
*予想は会社予想。12/3期は15ヶ月決算。13年10月1日に1株を100株に分割。2014年3月期以降のEPSと配当は分割後の数値。
*16年4月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割。16/3期と17/3期のEPSは株式分割後の数値。16/3月期までの配当金は当該株式分割前、17/3期以降は当該株式分割後の配当。

 

 

エン・ジャパンの2020年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.新中期経営計画(20/3期~22/3期)
3.2020年3月期第1四半期決算
4.2020年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/3期第1四半期は売上高が前年同期比22.7%の増収、営業利益が同16.0%の減益。売上面は、国内求人サイトにおいて、主力の「エン転職」は採用予算が大きい顧客内のシェア向上が順当に進み、掲載単価の上昇に繫がった。また、人材紹介向けサイトは「ミドルの転職」と「AMBI」経由の入社成約数が増加するなど好調に推移した。人材紹介は、子会社のエンワールド・ジャパン(以下、EWJ)が好調に推移した。海外事業は、今四半期よりインドFuture Focus Infotech (以下、FFI社)が新規連結となり好調なスタートを切った。費用面では、国内求人サイトと HR-Techサービスengageの広告宣伝費、中期的な成長に向けた国内人材紹介の人員増に伴う人件費及び関連費用が増加した。
  • 第1四半期が終わり、20/3期の会社計画は、前期比23.1%の増収、同4.6%の営業増益から修正なし。売上面は、引き続きエン転職を中心に求人サイトが順調に拡大する他、人材紹介においてもエン エージェントとEWJの人員増強により拡大する見込み。また、新たに連結対象となるインドのIT派遣会社であるFFI社の業績も寄与する。利益面は、国内人材紹介や新規サービス関連の人員増強のための人件費の増加等が影響する。1株当たりの配当も、前期末から22.7円増配の85.5円の予定を据え置き。株式給付信託分の自己株式を考慮した同社設定の配当性向は50%となる。
  • 認知度向上のための積極的なプロモーションの実施、有料プランの拡充、競争力強化のためのM&Aの実施など、HR-Techセグメントの拡大に向け投資が加速している。現在実施している各種の施策が、今後どれくらいのインパクトでHR-Techセグメントの売上高拡大に結び付くのか注目される。

1.会社概要

「人材採用・入社後活躍」を支援する企業として、採用事業のほか、顧客企業の社員に対する集合型研修サービスを中心とした教育・評価事業も展開。創業以来、「独自性」、「社会正義性」、「収益性」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく人材紹介サービスと海外展開、HR-Techサービスなどの新規事業を推進している。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく方針。
同社は、入社後活躍がゴールとの考えのもと、就職・転職自体をゴールとせず、「入社者の仕事人生の充実」・「企業の業績向上への貢献」をゴールとし、サービスを提供している。

 

(同社決算説明資料より)

 

主なグループ企業

連結子会社

事業内容

エンワールド・ジャパン(株)

グローバル企業向け人材紹介・人材派遣

(株)アイタンクジャパン

インターン/新卒採用支援事業、大学生向けメディア事業

en world Singapore Pte. Ltd.(シンガポール)

人材紹介

en world Australia Pty Ltd.(オーストラリア)

人材紹介、人材派遣

Navigos Group, Ltd.(ベトナム)

ベトナムNo.1の求人サイト運営及び人材紹介

en world Recruitment(Thailand) Co., Ltd.(タイ)

人材紹介、人材派遣

New Era India Consultancy Pvt. Ltd.(インド)

人材紹介

Futuer Focus Infotech Pvt.Ltd.(インド)

IT人材派遣

英才網聯(北京)科技有限公司(中国)

中国4番手規模の総合求人サイト

 

国内求人サイト

内容

特徴

顧客企業

エン転職 総合転職情報サイト ・一般企業直接募集原稿は、1社1社独自に

取材・撮影

・求職者の立場に立った正直かつ詳細な求人

情報

一般企業
ミドルの転職 人材紹介会社集合サイト ・ミドル層の転職に強い500社以上の人材紹介会社及び求人情報を掲載

・コンサルタントの得意領域、実績などに加え

ユーザーからの評価を公開

人材紹介会社

一般企業

AMBI 20代ハイクラス特化型求人サイト ・20代X年収500万円以上の案件が中心

・一般企業、人材紹介会社によるスカウトに軸を置いたサイト設計

人材紹介会社

一般企業

エン派遣 人材派遣会社集合サイト ・人材派遣会社の情報及び求人情報を掲載

・ユーザーが直感的に操作しやすい検索機能

人材派遣会社
エンバイト アルバイト求人情報サイト ・主に人材派遣会社が保有するアルバイト求人情報を掲載

・ユーザーの閲覧履歴からお勧めバイトを提案する等、ユーザーの希望にあったバイト探しをサポート

人材派遣会社
ウィメンズワーク 女性向け求人情報サイト ・正社員として働くことを希望する女性向け求人サイト

・「正社員または正社員登用あり」の求人のみ

掲載

・オフィスワーク系職種を多数掲載

人材派遣会社
女の求人マート 女性向け求人情報サイト ・パート・女性向け求人のまとめサイト

・就業エリアを軸とし、雇用形態を問わず求人

情報を掲載

人材派遣会社

 

国内人材紹介

内容

特徴

顧客企業

エンワールド・ジャパン 人材紹介 ・日本国内に営業・サービス・製造などの拠点を設けている

外資系企業及びグローバルな展開を行っている日系企業がクライアント

・日英バイリンガルの中間管理職~エグゼクティブレベルの案件を取扱い

・グローバル人材の紹介領域において、国内トップクラスのシェア

外資系企業

日系企業

エン エージェント 人材紹介 ・エン・ジャパンが持つ求職者データベース及び企業顧客との取引実績を活用した人材紹介サービス。 日系企業

 

海外事業

内容

特徴

顧客企業

en world シンガポール 人材紹介 ・シンガポールで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント

・主に現地の人材及びグローバル人材の紹介

現地企業

グローバル企業

タイ 人材紹介 ・タイで事業を行う現地企業及びグローバル

企業がクライアント

・管理職以上の案件を中心に取り扱っており、高年収層に強み

現地企業

グローバル企業

オーストラリア 人材紹介 ・オーストラリアで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント

・エンジニアを中心とした人材の紹介に強み

現地企業

グローバル企業

Navigos Search ベトナム 人材紹介 ・ベトナムにおいてNo.1の人材紹介

・現地企業・グローバル企業に対し、管理職

レベルの人材を紹介。日系企業も強化

現地企業

グローバル企業

日系企業

VietnamWorks 総合求人情報サイト ・ベトナムにおいてNo.1の求人サイト

・主に現地の人材と現地企業・グローバル企業が顧客対象。日系企業も強化

現地企業

グローバル企業

日系企業

英才網聯(北京)科技有限公司 中国 求人サイト ・2004年に設立。建築・不動産領域に強みを

もつ求人サイトを運営

・近年では建築・不動産以外の領域も強化

現地企業

グローバル企業

NEW ERA インド 人材紹介 ・インドで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント

・高年収層の案件を中心に取り扱っており、IT関連に強み

現地企業

グローバル企業

Future Focus Infotech IT人材派遣 ・IT派遣で20年の実績があり、代表的なIT

企業を数多く顧客に持つ

・AIやIoTなど先端技術への投資・教育に力を入れている

現地企業

グローバル企業

 

HR-Tech

内容

特徴

顧客企業

engage 採用・入社後の活躍を目的としたデジタルプラットフォーム ・フリーミアムモデルの採用支援ツール

・高クオリティな企業の採用ホームページ、求人募集を簡単かつスピーディーに作成可能

・作成した求人は自動で「indeed」や「googleしごと検索」等に連携

・有料プランの利用により、より多くの応募獲得を顧客企業に提供し、採用強化をサポート

・適性テストやリテンション対策ツール等、関連サービスもengage上に搭載       等

一般企業

 

国内その他事業・子会社

内容

特徴

顧客企業

3Eテスト

en-college、HR OnBoard

社員の活躍・定着を図る各種サービスの提供 ・適性テストの開発・販売

・研修サービス「エンカレッジ」の運営

・リテンション対策ツール「HR OnBoard」の開発・販売

・人事評価制度の構築 等

一般企業

人材派遣会社

ZEKU 株式会社ゼクウ 採用管理システム

業務管理システム

・求人情報、面接者、応募対応、効果測定などの各種管理を一元化

・採用後のスタッフや求人募集案件を一元管理

人材派遣会社

一般企業

O.W.L.S Webサイト及びアプリケー ションのデザイン・開発受託 ・UI×UXグロース事業を展開。デザインだけではなく、ユーザーがサイトやアプリを通じて得る適切な体験までを設計・コンサルティングの上でサービスを提供 一般企業
キャリアバイト 大学生向けインターン情報サイト ・時間の切り売りではなく「成長できる有給インターン」を目的とした 大学生向けサイト

・インターンシップサイトのパイオニアであり、国内最大級の実績、求人件数

一般企業
Japan Work 外国人向け求人事業 ・チャットで日本国内の外国人求職者と採用企業とのやり取りを代行

・日本語のみの求人案件や電話での会話が難しいことなど、求職者側の不自由を解決

・コミュニケーション不足により、求職者が面接に来ない等、採用企業側が抱える課題を解決

一般企業

 

その他新規事業  ※非連結子会社含む

内容

特徴

顧客企業

Insight Tech マーケティングリサーチ

Aiを活用したデータ解析

・消費者から買い取った「不満」をDB化~解析し、商品開発に役立つ商品として企業へ販売

・高度なデータ解析技術を元に企業が保有するデータを解析。課題解決のソリューション提供

一般企業
エン婚活エージェント オンライン

婚活支援サービス

・「結婚後の幸せ」をゴールとした新しいコンセプトの婚活サービス 一般消費者

(同社決算説明資料より)

 

採用事業のビジネスモデル

 

(同社決算説明資料より)

 

同社の強み
同社は、1,000万人を超える求職者のデータベースを有する。現在、主に求人サイト領域で年間約300億円の売上高を上げているが、今後はこうした国内トップクラスの求人サイト資産を有効活用し、人材紹介やHR-Tech領域での売上高拡大を目指している。
また、直販中心の営業体制、理念を重視した経営、求職者重視、クオリティ重視、採用・教育・評価連動、企業規模と資金力など強みが複合的な要素で構成されており、模倣が困難となっている。

 

(同社決算説明資料より)

 

海外進出の状況
同社はアジア圏を中心に海外にも展開している。2011年5月にシンガポール拠点を設立、2013年4月にはベトナム最大の求人サイト及び人材紹介を手掛ける「Navigos Group」を子会社化した。また、同年12月にはタイの人材紹介会社「The Capstone Group Recruitment and Consulting(現、en world Recruitment(Thailand) )」、2014年6月にはインドの人材紹介会社「New Era India Consultancy」を子会社化した。更に、2019年3月にインドのIT人材派遣会社「Future Focus Infotech」を子会社化した。
現在は、中長期観点からベトナム・インドにリソースを集中している。

 

(同社決算説明資料より)

 

ESGの取り組み状況
同社は、採用した人が定着せず、転職を繰り返すほうが短期的な収益に貢献する業界構造は課題であり、持続的な事業成長につながらないという考え方のもと、就職・転職自体をゴールとせず、「入社者の人生の充実」・「企業の業績向上への貢献」をゴールとし、入社後に活躍できるための各種のサービスを提供している。具体的には、エン転職に100%取材・正直・詳細な原稿や担当者名、顔写真入りの責任原稿を掲載。加えて、業界初で口コミサイトと求人広告を連動させ、企業からの口コミに関するコメント機能も充実。更に、従業員の離職リスクを早期に可視化し適切なフォローを実施でき、入社者の早期離職を防ぐことのできるリテンション対策ツールであるHR OnBoardを提供している。

 

また、ダイバーシティとして、女性の活躍推進と福利厚生の適用拡大を充実している。女性の活躍推進では、女性活躍を推進するプロジェクト「WOMen らぼ」を展開し、育児休暇をとる社員のサポートとして交流会、ランチ会の開催、女性社員満足度調査、スマートグロース制度(育休復帰後の時短勤務による、キャリア停滞・収入減を防ぐことを目的とした制度)などを実施。こうした取り組みにより、エン・ジャパン単体(2018年11月現在)で従業員に占める女性の割合45.9%、取締役における女性の割合20%(1名)となっている。
更に、同性のパートナーがいる社員向けにも福利厚生制度を適用し、拡大している。従来男女の婚姻関係がある社員に提供していた福利厚生制度を同性のパートナーがいる事実婚関係の社員へも適用。結婚記念日お祝い金、慶弔休暇、単身赴任時の金銭補助、退職給付株式の遺族給付なども提供している。

 

2.新中期経営計画(20/3期~22/3期)

同社は、2017年5月に20/3期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定していたが、前回中計を公表以降業績が順調に推移していること、前回中計に織り込んでいなかったHR-Tech関連事業が本格的に稼働し始めたこと、事業規模が大きいM&A(インド:Future Focus Infotech)が成約となったことなどにより、1年前倒しで新中期経営計画(20/3期~22/3期)を策定した。中期経営計画の基本方針は、①国内求人サイトは、売上高拡大重視から安定的な利益成長を重視、②国内人材紹介は、売上高成長・シェア向上による規模の拡大、③海外事業は、ベトナム・インドにリソースを集中、Tech 領域の強化、④HR-Techは、積極的な投資を行い、高収益モデルを確立。最終年度である22/3期に、売上高850億円(19/3期比74%増)、営業利益230億円(19/3期比97%増)を目指す。

 

中期経営計画(連結)

19/3期

実績

20/3期

前回計画

20/3期

今回計画

21/3期

今回計画

22/3期

今回計画

売上高合計

487.3

552.7

600

700

850

営業利益

116.6

127.3

122

164

230

配当性向 実績・計画

37%

40%を目標

50%

(単位:億円)

 

中期経営計画のセグメント別計画

区分

20/3期

会社計画

21/3期

会社計画

22/3期

会社計画

国内求人サイト

338

368

395

国内人材紹介

128

158

190

海外事業

111

135

164

HR-Tech

5

20

80

その他事業・子会社

21

28

36

全社調整

-3

-9

-15

売上高合計

600

700

850

国内求人サイト

122

138

148

国内人材紹介

15

23

40

海外事業

9

13

17

HR-Tech

-12

2

32

その他事業・子会社

-3

1

1

全社調整

-9

-13

-8

営業利益合計

122

164

230

国内求人サイト

36.1%

37.5%

37.5%

国内人材紹介

11.8%

14.6%

21.1%

海外事業

8.3%

9.6%

10.4%

HR-Tech

-248%

10.0%

40.0%

その他事業・子会社

-13.6%

3.6%

2.8%

売上高営業利益率

20.3%

23.4%

27.1%

(単位:億円)

 

成長戦略のサマリー

①人材紹介とHR-Techが成長のドライバー
  ・伸びしろが大きい人材紹介領域で成長を拡大。人員増強と組織化・標準化を進める
  ・HR-Techサービス「engage」の拡大とマネタイズによる成長
②テクノロジー分野におけるM&A強化
  ・中期経営計画期間中において、200億円規模のM&A・出資枠を設定
  ・国内外において、テクノロジー分野のM&Aを中心に積極的に行っていく方針

 

各事業の中期戦略(2019年5月策定の中期経営計画基本方針から)

(1)国内求人サイト
国内求人サイトは、規模拡大ステージから収益重視へ戦略をシフトし、求人サイト全体での利益成長を目指す。

サイト

従来

中計方針

エン転職 ・売上高成長を重視

・全てのサイトで高成長を図る

・先行投資を含む、プロモーション強化

・利益成長を重視

・顧客・エリアを集中

(紹介会社向けサイト)

ミドルの転職

AMBI

・(ミドルの転職)利益成長を重視

・(AMBI)売上高成長を重視

(派遣会社向けサイト)

エン派遣

エンバイト

・利益成長を重視

・大口顧客深耕、コンサルティング強化

 

 

(2)国内人材紹介
国内人材紹介は、市場規模に比べシェアが低いこともあり、エン エージェントの領域中心に今後拡大余地が大きいと判断。エン転職、ミドルの転職、AMBIが正社員領域で有する800万人以上のサイト会員のデータベースを武器に、エンエージェントとEWJの人員を当初の想定よりも増強し、マーケット全体をカバーするサービスラインナップにより積極的に規模拡大を図る計画。

 

 

(3)海外事業
海外事業は、ベトナムとインドにリソースを集中すると共に、Tech領域も強化する。選択と集中を進め、成長の確度を高める。各国における今後の人材ビジネス拡大の可能性、ポジション、強みを再評価する。また、最も成長の確度が高いベトナムとインドにリソースを集中する。

 

【ベトナム】
ベトナムは、圧倒的なシェアとブランド力を活かし、エリアやサービスの拡充を図り、ジュニアからエグゼクティブまでのホワイトカラー全体をカバーする。

      新規強化領域
PRIMUS ・国内最大のハイクラス人材DB

・人材紹介 Navigos Searchでの活用

VietnamWorks learning ・エン・ジャパンで培った採用と教育・評価の連動をベトナムで展開

・ビジネスパーソン向け教育プラットフォーム

RPO

Recruitment Process Outsourcing

・RPO事業を強化し、顧客企業のHR領域全般をコンサルティング
新拠点(ダナン) ・ベトナム中部に位置し、物流拠点として 成長するダナンに新オフィス設立

・日系企業の進出も盛ん

 

【インド】
インドは、豊富なITエンジニアの資産を多様なサービスで顧客へ提供していく。

      新規強化領域
人材紹介 ・自動車領域・IT領域を強化
RPO ・RPO事業を強化し、顧客企業のHR領域全般をコンサルティング

・大量の人材ニーズにも対応

先端テクノロジー分野派遣 ・IT派遣において、先端テクノロジー技術の従業員教育⇒高単価派遣へ
紹介予定派遣 ・人材紹介と派遣の連携により、新たなマネタイズ手法の確立

 

 

(4)HR-Tech
採用(Employment)、評価(Evaluation)、教育(Education)の3つの「E」を連動させるエン・ジャパンの3Eメソッドに テクノロジーを掛け合わせ、より多くの「入社後活躍」を実現する。HR-Techサービス「engage」の利用により、企業は人材に関わる全ての企業活動の一元化が可能となる。Engageの利用者数は2019年6月末で21万社を超え、日本最大級の人事プラットフォームへ成長した。同社は、今後もプロモーションの強化によりengageの利用者数の拡大とマネタイズによる成長を図る。

 

 

M&A・出資方針
同社は、20/3期~22/3期の新中計期間において、総額200億円の投資枠を設定した。国内は、同社のTechサービスの成長加速に結び付くTech関連企業のM&Aと出資を実施する。また、海外は、ベトナム・インドの強化につながるM&Aに加え、国を問わず、グループ全体のTech強化につながるM&Aを実施する方針。

 

3.2020年3月期第1四半期決算

(1)2020年3月期第1四半期連結業績

19/3期

第1四半期

構成比

20/3期

第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

11,213

100.0%

13,763

100.0%

+22.7%

売上総利益

10,070

89.8%

11,221

81.5%

+11.4%

販管費

6,611

59.0%

8,316

60.4%

+25.8%

営業利益

3,459

30.8%

2,904

21.1%

-16.0%

経常利益

3,546

31.6%

2,892

21.0%

-18.4%

親会社に株主に帰属する

四半期純利益

2,463

22.0%

1,917

13.9%

-22.1%

(単位:百万円)
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

 

売上高は前年同期比22.7%増収、営業利益は同16.0%減益
売上高は前年同期比22.7%増の137億63百万円(25.5億円増加)。国内求人サイトの売上高は、前年同期を上回り、概ね会社計画並みの着地となった。主力のエン転職において、中期戦略方針に基づき、組織体制及び販売戦略の大幅な変更を実施。これにより、 採用予算が大きい顧客企業内のシェアが拡大し、掲載単価が上昇したものの、体制変更に伴う大規模な引き継ぎ等の発生により、中小顧客を中心とした広告件数は減少した。人材紹介向けサービスは、ミドルの転職及び若手ハイキャリア向けサイトAMBIともに順調な結果となった。顧客企業のサイト活用度が高まっていること、ターゲットに合った求職者会員数が順調に増加していること等から、サイトの価値向上に繋がり、両サイト経由の入社成約数が増加した。また、派遣会社向けサービスは、エン派遣、エンバイトともに顧客である大手派遣会社の出稿が増加し、 応募単価が上昇した。国内人材紹介の売上高は、前年同期を上回り、会社計画を上回る着地となった。子会社のEWJは主力の人材紹介が好調に推移した。エン・ジャパンの人材紹介エン エージェントは、中期的な成長に向けた人員の増強を実施した。また、海外事業の売上高は、前年同期を上回り、会社計画を上回る着地となった。注力国のインドにおいて今第1四半期よりFFI社の業績が連結されたことに加え、持分法適用会社であった英才網聯社を連結化したことも寄与した。その他、HR-Techは、積極的なプロモーション活動が奏功し、利用社数が21万社(2019年6月現在)まで拡大。採用を強化する顧客企業向けに有料プランの提供を開始し、会社計画通りの進捗となった。
利益面では、国内求人サイトと HR-Techサービス「engage」の広告宣伝費、中期的な成長に向けた国内人材紹介の人員増に伴う人件費及び関連費用が増加した。営業利益は前年同期比16.0%減の29億4百万円。売上総利益率は前年同期比8.3ポイント低下し、売上高対販管費比率は同1.4ポイント上昇した。持分法による投資利益の減少や為替差損の発生などによりし、経常利益の減益率が営業利益の減益率を上回った。その他、特別損益の計上はなかった。

 

売上原価の主な費用

 

※19/3期は英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値

 

20/3期第1四半期の売上原価は、前年同期の英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値との比較で117.8%増加した。これは、新規連結のIT派遣会社、FFI社に関連する派遣スタッフの労務費、業務委託費が増加したもの。また、期初計画時にFFI社で原価の労務費計上していたものの一部が、業務委託費に計上となっている。

 

販管費の主な費用

 

※19/3期は英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値

 

20/3期第1四半期の販管費は、前年同期の英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値との比較で21.4%増加した。これは、国内求人サイトと engageの広告宣伝費及び国内人材紹介の人件費が増加したもの。また、期初計画時にFFI社で原価の労務費計上していたものの一部が、販管費の人件費に計上となっている。

 

(2)セグメント別動向

国内求人サイト【エン転職、ミドルの転職、AMBI、エン派遣、エンバイト、その他関連商品販売等】

19/3期 第1四半期

20/3期 第1四半期

増減額

(百万円)

増減率

(百万円)

営業利益率

(百万円)

営業利益率

売上高

7,301

7,550

+248

+3.4%

営業利益

2,844

37.7%

※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

エン転職は、戦略方針変更に伴う大幅な顧客引き継ぎが発生し、営業活動量が減少。掲載件数は減少したものの、大口顧客内のシェアが向上し、単価は大幅に上昇した。人材紹介会社向けサイトは、ミドルの転職、AMBIともに顧客企業および求職者の活用量が増加。AMBIは会員数が20万人を突破し高成長が継続している。派遣会社向けサイトは、主要顧客である大手派遣会社の出稿マインドは想定よりも高く、追加受注等により、順調な結果となった。前期の第1四半期は、広告宣伝費が少なく、今第1四半期の費用は前年同期比で大幅に増加したものの当初の計画通り。

 

国内人材紹介【エンワールド・ジャパン、エン エージェント、 その他関連商品販売等】

19/3期 第1四半期

20/3期 第1四半期

増減額

(百万円)

増減率

(百万円)

営業利益率

(百万円)

営業利益率

売上高

2,760

3,049

+288

+10.5%

営業利益

370

12.1%

※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

エン エージェントは、売上高が前年同期比横ばいとなったものの、当初の想定をやや上回る結果となった。中期的な成長に向け、4月に人員を大幅増強。早期の戦力化を図るが、今期は先行投資の時期。EWJは、前期の第4四半期に積み上がった内定承諾が順調に入社成約につながり、想定を上回る着地となった。エン エージェント及びEWJにおいて人員の先行投資を実施したものの、売上高の増加により、想定を上回る利益となった。

 

海外事業【ベトナム、インド、中国、シンガポール、タイ、オーストラリア (求人サイト、人材紹介、IT派遣)】

19/3期 第1四半期

20/3期 第1四半期

増減額

(百万円)

増減率

(百万円)

営業利益率

(百万円)

営業利益率

売上高

1,149

2,728

+1,579

+137.4%

営業利益

285

10.5%

※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

海外事業全体の業績は、期初の想定を上回る着地となった。ベトナムは、求人サイトが順調に推移し、業績を牽引。新規拠点のダナンも稼働が開始した。今後の成長が見込まれるハイクラス向けサービスや教育サービスの強化を継続中。インドは、新規に連結したFFI社が期初想定を上回る結果となったものの、一過性要因もあり、第2四半期以降は 当初計画並みの進捗を予定している。

 

HR-Tech【engageおよび関連サービス販売】

19/3期 第1四半期

20/3期 第1四半期

増減額

(百万円)

増減率

(百万円)

営業利益率

(百万円)

営業利益率

売上高

43

+43

営業利益

-393

-914.7%

※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

engageは総アカウント数が6月に21万社を突破。 4月から開始した有料プランの利用社数は順調に推移し、想定通りの売上高となった。営業赤字の幅も予定通り。オンラインプロモーションを中心に、積極的な投資を実施。HRカンファレンスなどへの出展も利用社数の増加につながった。その他、 認知度向上を目的としたタクシーの車内動画広告も実施した。

 

国内その他事業・子会社【教育評価商品、新卒採用商品、ゼクウ、アウルス、 新規事業開発他】

19/3期 第1四半期

20/3期 第1四半期

増減額

(百万円)

増減率

(百万円)

営業利益率

(百万円)

営業利益率

売上高

524

514

-10

-1.9%

営業利益

9

1.9%

※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

前期の第3四半期に売却したシーベース社の売上高が剥落し、全体では減収となったものの、想定を上回った。 エン・ジャパンの教育評価商品、子会社のゼクウは順当な結果となり、安定的な増収が続いている。新規事業開発の投資に関連した人件費・業務委託費等が増加しているものの全体では若干の黒字となり利益面でも想定を上回った。

 

(3)財政状態

財政状態

19年3月

19年6月

19年3月

19年6月

現預金

28,409

25,159

仕入債務

126

578

売上債権

5,614

5,385

未払法人税等

2,072

1,111

有価証券

2,000

2,000

流動負債

13,274

11,032

流動資産

37,255

33,697

資産除去債務

279

284

有形固定資産

719

730

固定負債

1,111

1,255

無形固定資産

6,858

6,869

純資産

35,466

34,259

投資その他

5,018

5,249

負債・純資産合計

49,852

46,546

固定資産

12,596

12,848

有利子負債合計

0

0

(単位:百万円)
※ 有利子負債=リース債務含まず

 

19/6月末の総資産は前期末比33億5百万円減少の465億46百万円。資産サイドでは、現預金、売上債権等が、負債・純資産サイドでは、未払法人税等、賞与引当金等が主な減少要因。総資産の約72%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も72.2%と、高水準を維持している。

 

(4)最近のトピックス

Engageの利用社数が21万社を突破
プラットフォームとして重要なKPIである利用社数が2019年6月現在で21万社を超え、国内最大級の人事プラットフォームへ成長した。今後も有料プランの拡充と有料利用者数の拡大が期待される。

 

(同社決算説明資料より)

 

JapanWork社の新規M&A
同社は7月12日付で、自己株式処分による株式交換にて、株式会社JapanWorkを子会社化した。2019 年4月1日より改正出入国管理法が施行され、外国人の受け入れ拡大を目的とした単純労働者に対する就労ビザの取得が認められた。ホテルや飲食業界などの現場では慢性的な人手不足が問題となっており、今後外国人労働者市場の大きな成長が期待されている。今回子会社化するJapanWorkは、外国人向け求人一括検索サイト”JapanWork”を運営しており、企業と外国人のやりとりを代行するチャットコンシェルジュサービスを実施している。本サービスは、テクノロジーを活用することで、採用担当者の負担を減らす効果だけではなく、言葉の壁がある外国人労働者の採用成功率向上にも寄与している。JapanWorkは本サービス開始直後より清掃や工場系派遣企業を中心に顧客を拡大させており、今後同社の顧客企業においても採用の拡大が期待される。

 

(同社決算説明資料より)

 

4.2020年3月期業績予想

(1)連結業績

19/3期 実績

構成比

20/3期 予想

構成比

前期比

売上高

48,733

100.0%

60,000

100.0%

+23.1%

売上総利益

44,051

90.4%

49,114

81.9%

+11.5%

販管費

32,389

66.5%

36,914

61.5%

+14.0%

営業利益

11,661

23.9%

12,200

20.3%

+4.6%

経常利益

11,834

24.3%

12,219

20.4%

+3.2%

親会社株主に帰属する当期純利益

8,144

16.7%

8,210

13.7%

+0.8%

(単位:百万円)

 

前期比23.1%の増収、同4.6%の営業増益予想
第1四半期が終わり、20/3期の会社計画は売上高、各段階利利益ともに修正なし。
売上面は、引き続きエン転職を中心に国内求人サイトが前期比で売上高の増加を牽引する他、国内人材紹介と海外事業も増加する見込み。国内求人サイトは前期比24億円の増収、国内人材紹介は同17億円の増収、海外事業は同65億円の増収を計画。海外事業の増収が大きいのは、インドFFIの連結化による影響。
利益面は、IT派遣事業を営むインドFFIの連結化による人件費の増加などにより売上原価が前期比132.5%増加する他、エン・ジャパン単体とEWJの人員増強などにより販管費も同14.0%増加する見込み。20/3期の広告宣伝・販促費は116億31百万円と19/3期から6.8億円(前期比+6.3%)増加と通期で平準化する見込み。売上高総利益率は前期比8.5ポイント低下の81.9%、売上高対販管費比率は、5ポイント低下の61.5%の計画。営業利益が前期比4.6%の増加と成長率が低下するのは、中期経営計画に則り、HR-Tech等の新規投資や国内人材紹介の強化のための人員増強を実施する影響。なお、こうした新規投資による利益の押し下げ効果約18億円を除いた営業利益は約140億円と同社では試算している。
20/3期の1株当たりの配当も、前期末から22.7円増配の85.5円の予定を据え置き。株式給付信託分の自己株式を考慮した同社設定の配当性向は50%となる。

 

(2)20/3期のセグメント別の基本戦略と会社計画

同社は、これまで採用と教育・評価セグメントの2つであった財務会計基準セグメントを20/3期より人材サービスセグメントの単一セグメントへ変更する。一方で、管理会計ベースの非公式セグメント区分を新設し、国内求人サイト、国内人材紹介、海外事業、HR-Tech、その他事業・子会社の5つの事業区分での開示を行う。今後各事業の状況がより把握しやすくなるものと期待される。

 

セグメント別の基本戦略
【国内求人サイト (エン転職、ミドル、AMBI、エン派遣、エンバイト、その他関連商品販売等)】
・エン転職は、顧客のターゲット及びエリアを集中し、営業組織体制を再編成。売上高は市場成長並になるものの、安定的な利益成長に向けた基盤を作る。
・人材紹介会社向けサイトは、ミドルの転職の後課金モデルが好調。 AMBIはダイレクトリクルーティングの強化により先行投資を行う。

派遣会社向けサイトは、市場成長は落ち着く想定。大手派遣会社シェアの拡大を図ると共に、安定的な利益成長を図る。

 

【国内人材紹介 (エンワールド・ジャパン、エンエージェント、その他関連商品販売等)】
・エンエージェントは、中計期間内での売上高の拡大を一層強化。 従来想定よりも人員の増強を図ることから、費用先行するが来期以降利益改善につなげる。
・エンワールド・ジャパンは、前期想定以上の生産性向上。人材紹介強化方針に伴い、今期も人員を増強する。

 

【海外事業 (ベトナム、インド、中国、シンガポール、タイ、オーストラリア -求人サイト、人材紹介、IT派遣-)】

・M&Aによりインドの派遣会社が加わり売上高が大幅に増加。引き続きインド・ベトナムを強化する。・ベトナムは、今後成長が見込まれるハイクラス向けサービスを強化。新たにダナン拠点を新設。・インドは、人材紹介とIT派遣の連携強化。IT派遣は顧客ターゲットの見直し等を進め、利益率の改善を図る。

 

【HR-Tech (engageおよび関連サービス販売)】

・積極的な投資を実施していくため、今期は赤字の計画。地方エリアを中心に、マネタイズのトライアルを開始。来期以降の拡大に向けた基盤を作る。

【国内その他事業・子会社 (教育評価商品、新卒採用商品、ゼクウ、アウルス、新規事業開発他)】

・教育評価サービス、ゼクウは安定的な成長を図る。 新規事業関連の先行投資により、利益は赤字を計画。

 

管理会計ベースのセグメント別売上高・営業利益(会社計画)

19/3期 実績

20/3期 計画

増減額

増減率

国内求人サイト

売上高

31,400

33,800

2,400

+7.6%

営業利益

12,200

営業利益率

36.1%

国内人材紹介

売上高

11,150

12,830

1,680

+15.1%

営業利益

1,520

営業利益率

11.8%

海外事業

売上高

4,640

11,120

6,480

+139.7%

営業利益

920

営業利益率

8.3%

HR-Tech

売上高

500

営業利益

-1,240

営業利益率

-248.0%

国内その他事業・子会社

売上高

2,020

2,130

110

+5.4%

営業利益

-290

営業利益率

-13.6%

(単位:百万円
※19/3期のセグメント営業利益は配賦基準が異なるため比較・算出なし。

 

 

5.今後の注目点

20/3期第1四半期決算は、前年同期比22.7%増収、同16.0%営業減益となった。減益幅が大きく一見すると厳しい決算に見えるものの、新中計の達成にむけ先行投資を積極化している時期であり致し方ないと思われる。管理会計上の各事業セグメントは売上高、利益ともに概ね当初の会社計画を上回って着地しており、20/3期の会社計画の達成に向け順調なスタートを切ったと言えよう。続く第2四半期では、国内求人サイトセグメントにおいて、戦略方針変更に伴う大幅な顧客引き継ぎの発生により営業活動量の減少を受け掲載件数が減少したエン転職で、混乱一巡により再度成長性が高まってくるのか注目される。また、現在人員を大幅に増強するなど先行投資を積極化している国内人材紹介セグメントでは、早期の戦力化を達成し、会社計画を上回る成長を実現できるのかが注目される。加えて、HR-Techセグメントにおいては、engageの有料プランの利用者数の拡大ペースが注目される。現在、認知度向上のため、積極的なオンラインプロモーション、HRカンファレンスなどへの出展、認知度向上を目的としたタクシーの車内動画広告の配信などを実施している。更に、今後も新たな有料プランの導入が予想される。積極的なプロモーション投資と新サービスの提供が、今後どれくらいのインパクトでHR-Techセグメントの売上高拡大に結び付くのかにも注目される。
また、同社は豊富な現預金を有するだけではなく、毎年安定的なキャッシュ・フローを稼ぎ出すビジネスモデルが確立されている。こうした財務体質を武器に今後積極的なM&Aの実施が予想される。今回実施した企業と外国人のやりとりを代行するチャットコンシェルジュサービスを提供するJapanWorkのM&Aもその一環であろう。HR-Techの強化に繋がる大型M&Aの動向にも期待を込めて注目したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

<組織形態および取締役・監査役の構成>

 

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2019年6月28日

 

<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り組んでおります。 また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えております。当社の 経営理念の一つに、社会に対して正しいことを行い、社会に役立つ存在たることが当社の存在意義であることを謳った「社会正義性」があります。今後もこの理念・考え方を役職員の行動の支柱に据えて、コンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適 正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【補充原則4-10 ①】
当社は、経営陣幹部のアカウンタビリティを高め、より一層の透明性の向上を図ることを目的として、取締役5名中2名の独立社外取締役を選任しており、取締役の選解任・報酬などの重要事項の決定については、独立社外取締役が出席する取締役会の承認を得る必要があります。当社では、任意の委員会等を設置しておりませんが、重要事項の検討にあたっては、取締役会において独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることとしております。

 

【補充原則4-11 ③】
取締役会は実効性確保のために機能の向上を図っておりますが、現時点で実効性に関する分析及び評価は実施しておりません。今後、実効性 評価の実施について、方法を含めて検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>
【原則1-4】
上場株式を保有しないことを原則としますが、業務提携その他経営上の合理的な目的に基づき上場株式を保有する場合には、その目的に応じた 保有であることを定期的に確認し、中長期的な視点で保有目的にそぐわないと判断した企業の株式については、株価や市場動向等を考慮して売却いたします。 政策保有株式に係る議決権行使については個別に中長期的な視点での企業価値向上、株主還元向上につながるかどうか等の視点に立って判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断します。

 

【原則1-7】
当社は、関連当事者取引の範囲の把握及び取引を適切に管理するためのフローを明確にするため、「関連当事者取引管理ガイドライン」を制定 しております。関連当事者の範囲については、総務部が作成及び年一回更新する「調査票」により把握しており、関連当事者取引が発生する場合 には、その重要性によって事前に取締役会による決議もしくは「稟議・申請規程」に基づく決裁を必要としております。実施した関連当事者取引については、管理本部長がその重要性を「関連当事者開示にする会計基準適用指針」に基づき判断したうえで、その概要を有価証券報告書等において開示しております。

 

【原則2-6】
当社は、企業年金の制度がございません。従いまして、本件に関しまして当社の財政状況に対するリスクが生じることはありません。 将来、導入を検討する場合がございましたら運用に対する十分なスキルを有した人材の配置を検討いたします。

 

【原則3-1】
(ⅰ)当社は、「『人間成長』の実現」として、「成果を求められる日々の働く場で、仕事の能力を高め、精神面だけでなく、物質面(収入面)でも豊かになること、つまり心物両面で豊かになること」を経営理念としております。

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