(4783:JASDAQ) NCD 大幅増益で中期計画上方修正
今回のポイント |
・19/3期3Q累計は前年同期比3.3%増収、30.8%経常増益。システム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業が、いずれも安定した受注獲得が続いた。中期経営計画で掲げた「業務プロセスの改善による収益性の向上」のための諸施策が効果を現し安定的な収益を生み出せる体質を確立、大幅な増益となった。・通期予想に修正はなく、4.7%増収、17.6%経常増益を計画する。通期配当も修正なく、14.00円/株を見込む。売上高3Q累計実績の通期予想に対する進捗率は72.9%、前年同期実績ベース73.9%から低下しているが、前年同期には大型受注案件があったため。自治体との取引も多い同社は4Qに売上が偏りやすい傾向があることを考慮すると、高い進捗率といえる。経常利益については89.6%に達しており、中期計画の前倒し達成も視野に入る。
・大型案件の反動で減収であったパーキングシステム事業だが、減収率は上期から大きく縮小し、急速にキャッチアップしている。本邦企業のIT投資は引き続き増加傾向、東京オリンピックや自転車活用推進法、新規事業への積極投資等、様々な成長要素があり、中期的な見通しも明るい足元の勢いを鑑みれば中期計画は再度上方修正、あるいは前倒し達成して上乗せされた新たな中期計画策定も考えられる。 |
会社概要 | |||||||||
独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行うパーキングシステム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引が特徴。また、電磁ロック式駐輪場での導入実績No.1を誇るパーキングシステム事業は成長性に富み、収益性も高い。
事業拠点は本社(東京都品川区)のほか、江東サービスセンター(東京都江東区)、福岡営業所(福岡県福岡市)、長崎営業所(長崎県長崎市、2018年3月に開設した新たなMSC(マネージドサービスセンター)を含む)を構えている。連結子会社は、国内にはIT関連事業、パーキングシステム事業を行うNCDテクノロジー(株)(東京都品川区)、IT関連事業を行う(株)ゼクシス(大阪府大阪市)、アジア諸国より人材を斡旋するEast Ambition(株)がある。2018年3月には、品質の高い駐輪場管理の実現を目的としてNCDプロス(株)(東京都品川区)を設立した。海外では中国天津市に天津恩馳徳信息系統開発有限公司(NCD China)があり、アジア日系企業向けサービスや日本向けオフショア開発を行っている。 社名の”日本コンピュータ・ダイナミクス”には、「コンピュータをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)」と言う創業時の思いが込められている。尚、2017年3月16日付けで創立50周年を迎えた。 【特徴と強み】 主な取引先と取引期間 システム開発事業の事例 ~パッケージソリューション~
◆グローバル展開 ◆クラウドへの取り組み サポート&サービス事業の成長 ◆大型一括受託サービス 「パーキングシステム事業」 導入事例
◆放置自転車台数の減少とNCD管理台数 |
2019年3月期第3四半期決算 |
前年同期比3.3%の増収、30.8%の経常増益
売上高は前年同期比3.3%増の123億94百万円。引き続きシステム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業とも順調な受注状況を維持した。パーキングシステム事業については、前年同期との比較では大型案件の反動で減収となった。 経常利益は同30.8%増の8億51百万円。前期と比較して利益率が大幅に上昇した。中期経営計画で掲げた「業務プロセスの改善による収益性の向上」のための諸施策が効果を現し、安定的な収益を生み出せる体質を確立することができ、大幅な増益となった。パーキングシステム事業は大型案件があった前年同期比では減収減益ではあるものの、前々年同期比では売上高16.9%増収、営業利益は32.6%増益となる。利益改善が進んだサポート&サービス事業、システム開発事業はともに大幅な増益。 システム開発事業は売上高45億37百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益5億32百万円(同52.0%増)。順調に案件獲得が進み、前年同期と比較して増収。さらに地道なプロジェクト進捗管理活動の定着や、採算管理の強化等が利益率向上に寄与したことにより大幅な増益となった。 3Q末の総資産は前期末比4億42百万円減少し、106億28百万円となった。売上債権や現預金といった流動資産が減少した。負債は前期末比7億95百万円減少し、71億86百万円となった。退職給付に係る負債の減少などで固定負債が減少、賞与引当金の減少等で流動負債も減少した。 |
2019年3月期業績予想 |
増収・増益予想
通期予想に修正はなく、19/3期は売上高が4.7%増収の170億円、経常利益は17.6%増の9億50百万円を計画する。システム開発事業では、パッケージ/クラウド利用による中小型案件の積極的獲得を図る。サポート&サービス事業では、長崎マネージドサービスセンターの機能充実による新規顧客の受注拡大を図る。パーキングシステム事業では、自治体の入札案件の着実な受注、月極駐輪場システム「ECOPOOL」の拡販、及び子会社NCDプロスによる競争力強化を図る。 期末配当は7.00円/株(通期で14.00円/株)、予想配当性向は17.4%。 また、株主優待制度の変更を発表し、2019年9月末を基準日として長期保有優遇制度を新設した。 |
中期経営計画「Vision 2020」(2018年3月期~2020年3月期)の上方修正 |
17年5月に公表した中期経営計画「Vision 2020」の数値目標を2018年5月、下記の通り修正した。
同社は「お客様の“ありがとう”のために、価値あるサービスを」を基本コンセプトに、18/3期を初年度とする中期経営計画「Vision2020」を策定し、以下の基本方針を掲げている。 ① 収益性の高い企業になる ② NCDブランドを高め、世の中に認知される企業になる ③ 社員が仕事に誇りとやりがいを持った活力ある企業になる 中期経営計画で掲げている基本方針・重点施策に変更はなく、引き続き新たなライフスタイルや技術環境の変化に迅速かつ適切に対応できる、更なる成長企業を目指す。 |
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<参考:コーポレート・ガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年7月3日。 <基本的な考え方> <コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について> <その他> 指名・報酬委員会の構成 |