株式会社メドレックス(4586 Mothers)
相次ぐメガファーマとの提携の先にあるもの
フォローアップレポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯
ニッチな市場で独自の技術
メドレックス社は、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収型製剤として開発し、製薬会社へ導出(ライセンス供与)、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入等を獲得するビジネスモデルの会社である。
通常の新薬創薬ビジネスと比較して、既存の薬剤の有効成分をベースにしているため成功確率は高く、ニッチな分野であるため競合も限定され、しかも独自のILTS®技術やNCTS®技術等で差別化されている
相次ぐメガファーマとの提携
2017年4月のCipla社への導出契約成功、2018年2月の第一三共との共同開発契約締結に続いて、2018年8月の武田製薬との技術ライセンス契約と、大手製薬会社との提携が連続して実現している。実績を重視するメガファーマの性質を考えると、今後のさらなるメガファーマとの提携加速にポジティブと評価すべきである。また、技術ライセンスの対象が、既存の承認された薬効成分ではなく、開発途上のもので、しかも複数の物質を対象としていることの意味を重視したい。ILTS®およびNCTS®といったメドレックスの基盤技術をメガファーマの複数のパイプラインに提供するということは、技術水準の高さを示唆しているのみならず、同社が、プラットフォーム提供企業へビジネスモデルの転換できる可能性も示唆している。
順調な開発進捗
2018年の利益予想は、赤字幅が縮小する見込みである。弊社では、リドカイン・テープ剤の試験が想定より早期に結果を出したと思われることやオキシコドン・テープ剤の経費吸収性改良のため反復投与試験が若干遅れると推察されること等により、研究開発費が当初計画より縮小するためと考えている。ただし、研究開発費は前年比では拡大しており、研究開発全体は概ね順調な進展状況と判断している。マイクロニードル量産工場のための資金調達に目処をつけるような事象(大型導出の成功や大手ワクチン会社との提携など)が出現すれば、市場にとって大きなカタリストとなろう。
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