フロイント産業株式会社(6312 東証ジャスダック)
売上の期ズレにより業績は落ち込むも、受注は好調を維持
フォローアップレポート
㈱スクアード・リサーチ&コンサルティング
奥山 智子/坂本 貞夫
国内医薬品製造装置事業で検収期間の長期化が発生
2015 年上期の売上は74 億円で、前年同期比17%減(15 億円減)と苦戦を強いられた。営業利益は黒字を確保したものの、減収に伴う粗利の減少の影響が大きく、8 億円から1 億円へと悪化している。
本年度に入り、主力の国内医薬品装置分野(機械部門)の一部案件で医薬品工場建設遅延などに伴い検収期間が長期化し、売上計上の期ズレが発生、加えて、年度を通じて検収期が下期に偏重していこともあり、大幅減収を強いられる形となった。また、納期ズレの影響を勘案し、2014 年10 月に業績予想の下方修正を発表、売上予想値を180 億円から175 億円へと引き下げている。検収期間の長期化という一過性の要因により業績悪化を強いられたものの、本年度は、「ジェネリック薬の使用拡大」など医薬品業界の構造変換がプラスに作用し、受注は好調が続いていることから、下期には業績回復が期待される。
下期に錠剤印刷装置「TABREX」1号機を納品予定
2013年7月にリリースした錠剤印刷装置「TABREX」の納品は、上期はなかったものの、下期に1号機が納品される予定である。但し、印刷装置は初めて手掛ける分野であることから、追加対応が必要となる可能性もゼロではない。また、2014 年4 月には文字視認性の向上を実現した新モデル「TABREX-DOD」を上市、既に受注獲得に成功している。錠剤への印字は、誤飲防止や調剤ミスの予防等の観点から医療関係者を中心にニーズが拡大してきており今後成長が期待できる分野であるが、新規参入も見られるなど競争は激しくなりつつある。
グローバル展開については、インド市場開拓は苦戦が続いているが、ブラジルでトップセールスを実施するなど、成長市場での顧客開拓に注力している。また、11月にはミラノのテスト施設がオープンする予定であり、欧州圏での営業力の強化、受注獲得に期待がかかる。
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