モルフォ (3653 東証マザーズ)

2014/09/29

携帯・スマホ向け画像処理ソフトウェアの開発主導型ベンチャー企業
海外メーカーへの営業積極化でライセンス数増加、業績回復本格化へ

業種:情報・通信業
アナリスト:大竹 喜英

1.会社概要
・モルフォ(以下、同社)はデジタル画像処理技術の研究を行ってきた東 京大学出身の技術者を中心に、04 年5 月に設立された研究開発主導型 ベンチャー企業である。
・最先端の画像処理技術を駆使した各種ソフトウェアを製品化し、スマート フォン等を中心とした機器に組み込まれており、効率的かつ高品質な次 世代のデジタル画像処理フレームワークの提供も可能である。

2.事業展開と業績
・12/10 期は国内市場における国内携帯電話端末機器メーカー各社のシ ェア低下が原因で479 百万円の営業赤字に転落している。
・14/10 期は業績が着実に回復し、前期比29.5%増収、売上高営業利益 率は18.8%まで上昇すると予想した。

3.非財務面の分析
・会社設立以来33 件の発明につき国内外で特許を出願し、13 年10 月現 在で権利化されたものは国内で17 件、米国8 件、欧州3 件、韓国1 件 である。新たな技術開発及びその権利化は同社にとって収益の柱であり 事業継続の生命線でもある。

4.経営戦略
・モバイル端末向け画像処理技術のデファクトスタンダードとなることを中 期経営目標としており、人、知財、海外、新規事業領域が課題となる。
・同社はロイヤリティ収入の増大を図り、高い利益率を確保した事業運営 に努める方針である。具体的な数字は明確にしていないが、重視する経 営指標は、売上高営業利益率及び1 株当たり当期純利益としている。

5.アナリストの評価
・LG、Huawei、サムスン等海外勢への営業活動が奏功し、14/10 期に 入り累計ライセンス数が急増している。業績は回復基調にあると判 断した。
・足元での業績急回復、利益率の改善、同社の高い技術力、海外携帯 メーカー顧客開拓の成功などを考慮すれば、その成長性は高く評価 できる。中長期の視点で堅実な投資判断をすべきと証券リサーチセ ンターでは考えている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。