さくらインターネット (3778 東証マザーズ)

2014/07/28

双日傘下のデータセンター大手
継続的な設備投資で増加が続く固定費負担を吸収できる売上高の確保が課題

業種:情報・通信業
アナリスト:馬目俊一郎

◆ 双日傘下のデータセンター大手
・さくらインターネット(以下、同社)は双日傘下の国内データセンター大手 である。企業や個人向けにインターネット用サーバを貸し出すホスティン グを主力に、大口顧客のサーバ管理やラックスペース貸しなどのコロケ ーションなども行っている。
・データセンターに対する需要が高まるなか、拡張余力の大きい石狩デー タセンターを受け皿にすべく増設を進めるなど、同社は将来の成長に向 けた投資フェーズにある。現状では設備投資による増収効果よりも減価 償却費増による利益圧迫が先行しており、同社の短期的な課題としては 固定費の増加を吸収するだけの売上高成長の確保が挙げられる。

◆ 14 年3 月期決算は15.0%営業減益
・14/3 期決算は売上高が前期比5.9%増の100.4 億円、営業利益は同 15.0%減の7.3 億円であった。VPS・クラウドサービスの牽引で増収となっ たものの、石狩データセンターの設備投資による減価償却費増が利益を 圧迫した。

◆ 15 年3 月期の会社計画は4%増収6.4%営業減益の見通し
・15/3 期について同社は、売上高が前期比4.0%増の104.5 億円、営業利 益は同6.4%減の6.9 億円を見込んでいる。レンタルサーバサービスと VPS・クラウドサービスの好調から増収を計画しているが、減価償却費増 などが利益を圧迫する見通しである。

◆ 証券リサーチセンターは業績予想を減額修正
・証券リサーチセンターは、石狩データセンターのスケールメリットが活か せる大口顧客の獲得に苦戦していることから業績予想を見直し、15/3 期 は売上高117.0 億円→105.5 億円(前期比5.0%増)、営業利益11.0 億円 →7.0 億円(同4.9%減)に減額修正する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。