エナリス(6079東証マザーズ)

2014/04/18

業種:サービス業
アナリスト:大竹喜英

1.会社概要
・エナリス(以下、同社)は、エネルギー情報を管理・提供し、電力需要家の 最適な電源選択を可能にし、効率的なエネルギー利用を促進する各種 サービスの提供を業務としている。
・ビルの使用電力の監視や自動制御をするシステムの販売や電力代理購 入等を行うエネルギーマネジメント事業に注力している。

2.事業環境と業績
・同社の取り組みは、政府による省エネ、安定的かつ効率的な電力流通 の仕組み作りに合致しており、成長性が高いと考えられる。
・上場後初の13/12 期決算は99.4%増収、31.1%経常増益。14/12 期は、 M&A や電力代理購入の契約増加等で更なる成長が予想される。

3.非財務面の分析
・事業の方向性は明確で、いち早く節電、電力卸売りや代理購入をビジネ スとして展開した着眼点は優れている。知的資本(顧客、ブランド力)の充 実に取り組み、先駆者としてノウハウの蓄積も進んでいるが、こういった知 的資本が同社の優位性を保ち続けられるかを、今の時点で判断するの は困難である。

4.経営戦略
・多様な電力購入ミックスの提案及び代理購入を中核事業として育成し ており、飛躍的な市場成長が期待される分野である。
・三菱地所と締結した、新丸ビルの契約電力の約半分に相当する電力を 同社が再生可能エネルギーで代理購入・供給するという契約は注力事 業の順調な展開を意味し、将来を予測する上で明るい材料と言える。

5.アナリストの評価
・経営戦略は的確であり、新丸ビルの事例のように成果を見せている。業 績面でも飛躍的な成長が可能と見ている。
・一般的な株価評価指標では評価が困難である。短期的なバリュエーシ ョン評価ではなく、同社の事業展望と成長性、今後の業績の進捗度合い などを勘案して、中長期の視点で投資判断を検討すべきと証券リサーチ センターでは考えている。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。