東京一番フーズ(3067 東証マザーズ)
2013/07/26
業種:小売業
アナリスト:柴田郁夫
1.会社概要
・関東圏を地盤に国産のとらふぐ料理専門店「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」を直営展開している。
・自社で使用するとらふぐの他、クロマグロやヒラマサ等の海面養殖事業も 手掛けている。東京都のふぐ取扱い規制緩和(12 年10 月)を契機に、ふ ぐ加工品の卸売も開始した。
2.財務面の分析
・景気後退の影響から新規出店を控えたことで業績はしばらく停滞してい たが、12/9 期決算は、客足の戻りや季節限定の業態転換の効果により既 存店売上高が伸長し、4 期ぶりの増収増益となった。
・13/9 期の会社予想も、客数の伸びや足元好調な新業態の貢献により増 収増益を見込んでいる。証券リサーチセンター(以下、当センター)は会 社予想の達成は可能と判断している。
3.非財務面の分析
・生産(仕入)から加工、販売までの価値創造プロセスは、ふぐ一筋の経験 の中から蓄積されたもので、東京一番フーズ(以下、同社)の知的資本を 形成している。
4.経営戦略
・同社は、ふぐビジネスの拡大に加えて、養殖事業の展開、外食店舗の業 態多様化で成長軌道への回帰を目指している。東京都のふぐ取扱いに 関する規制緩和は、同社にとって業容拡大のチャンスとなる。また、養殖 ビジネスの展開は、収益構造の変化や新たなリスク要因を抱え込むこと に留意したい。
5.アナリストの評価
・当センターでは、ふぐ加工品の卸売事業と養殖事業が同社の成長を牽 引すると考え、15/9 期までの年率成長率を売上高8.1%、営業利益 12.2%と予想している。
・現在の株価水準は、東京都の規制緩和等による成長期待を考慮すれば、 フェアバリューの範囲内と考えられる。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。