GCC経営™分析レポート:株式会社ウェルディッシュ(東証スタンダード 証券コード:2901)
GCC経営™分析によると最大11.4倍の時価総額アップサイドの可能性

2024/11/15

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

人々の健康と笑顔を支える、安全で安心な価値創造企業を目指す
 株式会社ウェルディッシュ(以下「ウェルディッシュ」)は、小松社⾧が6月に就任して短期間で2025年3月期第2四半期に12期ぶりの黒字化という実績を達成し、新たな成⾧ステージに入った。国内ウェルネス分野は2024年から2028年にかけてCAGR16.5%の成⾧が見込まれ、ウェルネス食品900億円、医療化粧品460億円、フードサービス480億円の市場規模となっている。この成⾧市場において、「自ら考え、行動し、日々成⾧する」という価値観のもと、社会課題の解決に取り組んでいる。医療福祉関連事業では1施設あたりの売上高を705万円から2,500万円へ、利益率を3-4%から8-10%へ引き上げる計画を推進。2025年3月期は売上高20.8億円、当期利益3億円、FCF2億円を見込み、2028年3月期
には売上高180億円、当期利益20億円、FCF30億円、2033年3月期に売上高1000億円を目指している。「ヒトが生きていくために必要なモノに注力することで持続社会を支える存在でありたい」という理念のもと、医療・介護施設向けのサービス展開を強化している。環境面での取り組みも重視し、製造工程の環境負荷低減やパッケージの環境配慮設計を推進。2028年3月期までに株主優待の強化と復配で配当性向40%の実現を目指し、すべてのステークホルダーにとっての価値最大化を推進している。

57年の技術と革新で築く、未来志向の価値創造プラットフォームへと変貌
 理念に基づき顧客に対して包括的なウェルネスソリューションを提供している。1965年の水出し麦茶パック開発以来、ミネラル技術を核とした研究開発を重ね、食品事業では売上高212百万円(前年同期比37.9%増)、化粧品事業では139百万円(前年同期比15,501.8%増)と大幅な成⾧を実現している。21の医療法人と58の医療施設を有する今村メディカルグループとのパートナーシップにより、医療現場の知見を活かした製品開発を推進。中国の卸売企業との協業では3年間で約1億元の売上高を見込んでいる。品質管理では国際基準に準拠した管理体制を構築し、研究開発では基礎研究と製品開発の二層構造により、継続的なイノベーションと市場ニーズへの迅速な対応を実現している。第三者割当増資により200百万円を調達し債務超過を解消、自己資本比率53.5%と財務体質が大幅に改善。全事業セグメントで黒字化を達成し、卸売リピート率92%、ROAS 244%、CVR 10.4%という具体的な成果を示している。2028年3月期までに商品数50商品以上、提携施設数500施設の達成を目標とし、研究開発人材とマーケティング人材の育成に注力。デジタルトランスフォーメーションの推進により、業務効率の向上とデータ活用の高度化を進め、持続的な成⾧基盤の構築を目指している。

2028年3月期までの中計を織り込んだ推計株価は1,528円
 新社⾧の短期間で素早く価値創造の実績を築上げる力は注目される。その有言実行の実行力に裏付けれた中期経営計画が実現していくとの前提で、売上高はCAGRで2035年3月期まで50.1%成⾧、ROICは2025年3月期の会社計画ベースで9.3%から、2035年3月期までに43.1%へと上昇すると予想した。WACCは5.7%で一定で推移するという前提にした。この前提によって株価推計した結果、2028年3月期までの中計を織り込んだ推計株価は1,528円、売上1,000億円超達成の10年分の成⾧価値を織り込めば株主価値は1,651.7億円、株価は11/13終値の11.4倍の9,499円となる。なお、2024年10月29日の有償ストックオプション発行に関する開示エクイティファイナンスの内容を見ると最大で株数は約5%増加する。それを考慮すると、最大のアップサイドは、10.8倍になろう。

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TIW/ANALYST NET
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