GCC経営™分析レポート:株式会社明豊エンタープライズ(東証スタンダード 証券コード:8927)
GCC経営™分析によると最大6.8倍の時価総額アップサイドの可能性

2024/09/27

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修 宮下明久

高品質な住宅と垂直統合戦略で富裕層市場に強みを発揮
 株式会社明豊エンタープライズは、顧客との信頼関係を最優先に、高品質かつデザイン性と機能性を兼ね備えた新築1棟投資用賃貸住宅を提供している。当社のブランド「MIJAS」や「EL FARO」は、スペインの街並みや灯台をモチーフに設計され、⾧期的に住み続けられる住まいを提案している。また、土地取得から開発、販売、管理、アフターサービスまでを一貫して提供する「ワンストップサービス」により顧客は安心して物件購入と管理を任せることができる。さらに、一級建築士による品質管理や瑕疵担保責任保険の加入により、信頼性の高いサービスを実現している。当社は、東京都23区内を中心に高級賃貸物件を展開し、特に城南・城西地区での堅固な地盤と優れた交通アクセスを背景に、富裕層や不動産投資家に向けた安定した収益源を提供している。安定した収益を確保する不動産投資戦略により、高い稼働率と収益性を実現している。将来においても、相続税や節税対策を背景に、高級賃貸市場における需要の堅調さが見込まれ、特に富裕層や国内外の投資家にとって、当社の物件は魅力的な投資先となり続けるだろう。⾧期的なサステナビリティが十分あると考えられる。また、当社の強みは土地取得から建築、賃貸管理、アフターサービスまでを一貫して行う垂直統合戦略にあり、外部委託のコストを削減しつつ、効率的かつ高品質なサービスの提供を実現している。持続可能な開発にも注力し、既存建築物のリノベーションや省エネルギー設計を推進することで資産価値の最大化を図っている。こうした垂直統合戦略と持続可能な開発によって、当社は国内外で多様な収益源を確保し財務基盤を強化している。

富裕層をターゲットにした高付加価値賃貸ブランドと安定収益の実現
 当社の強みは、東京都23区内の高級賃貸市場において展開している「EL FARO」と「MIJAS」の2つのブランドに集約されている。「EL FARO」は、5億円前後の高級賃貸マンションシリーズであり、駅徒歩10分以内の高い利便性を持つエリアに位置し、富裕層や不動産投資家を対象に安定した収益を提供している。建物はRC造であり、耐用年数は47年である。「MIJAS」は、3億円前後の新築賃貸アパートメントであり、耐用年数は34年である。いずれのブランドも単身者やDINKS(共働きで子どもを持たない夫婦)向けの部屋を提供し、高い稼働率を誇り、差別化された付加価値を提供している。今後、当社は国内市場のみならず、台湾を中心としたアジア市場での不動産販売を拡大することで、リスク分散と収益基盤の多様化を進めていく計画である。これらの戦略により、2021年7月期から2025年7月会社計画値でCAGR30%という高い成⾧を実現している。

最近の売上高CAGRは30%。高成⾧が維持されれば大幅なアップサイド
 以上説明した前提が⾧期的に持続するとの前提で、売上高はCAGRで2035年7月期まで16.6%成⾧、ROICは2025年7月期の会社計画ベースで9.4%から、2035年7月期までに10.3%へと上昇すると予想した。WACCは5.4%で一定で推移するという前提にした。この前提によって株価推計した結果、10年分の成⾧価値を織り込めば株主価値は703.6億円、株価は09/24終値の6.8倍の2,142円となる。ただし、2024年6月に開示されたエクイティファイナンスの内容を見ると最大で株数は10.02%増加する。それを考慮すると、最大のアップサイドは、6.2倍になろう。

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