マニー(7730 東証一部)
2013/01/18
業種:精密機器
アナリスト:馬目 俊一郎
1.会社の概要
・同社は手術用縫合針や眼科ナイフ、歯科用根幹治療機器など、高度な微細加工技術でニッチ市場に特化した医療機器メーカー。
・販売は日・米・欧・アジアなど100カ国以上に及び、主要製品の世界シェアはリーマが推定50%、眼科ナイフは同30%とトップクラス。
2.財務面の分析
・販売エリアの拡大や新製品投入をドライバーに12年8月期まで18期連続増収の一方、08年8月期以降の営業利益は横ばい。
・当センターでは欧州での価格政策の影響で13年8月期会社計画の未達を予想。15年8月期までの年平均成長率は売上高2.4%増、営業利益1.2%増を見込む。
3.非財務面の分析
・同社のビジネスモデルは、事業領域をニッチ市場に絞り込み、特許権で武装した独創的固有技術によってライフサイクルの長い製品を生産。これが長期に渡る安定した収益を稼ぎ出す。
4.経営戦略の分析
・同社の主力製品は消耗品のため単価が低く、持続的な売上高成長にはシェアアップやエリア拡大による数量増、新製品開発による製品ポートフォリオの拡充が必要不可欠。
・課題は利益成長。それには、術式の変化や多様な医療ニーズによってカテゴライズされた医療機器市場の中で、ファーストインクラスもしくはベストインクラスの製品を投入できる製品開発力が求められる。
5.アナリストの評価
・現在の株価バリュエーションは、同業他社比較で割安感に乏しい水準。
・業界の妥当バリュエーションをPER10倍~15倍と仮定すると、当センターの15年8月期予想EPS196.7円を基にした中期的な適正株価水準は、1,970円~3,000円を想定。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。