新田ゼラチン(4977 東証一部)
2013/01/18
業種:化学
アナリスト:馬目 俊一郎
1.会社の概要
・同社は加工食品や化粧品、写真フィルムなどに広く使われるゼラチンの世界的メーカー。グローバル生産体制を軸に、ゼラチンシェアは世界4位、国内では堂々の1位を誇る。
2.財務面の分析
・過去の業績推移から、売上高は総じて横ばいながら、収益性は海外子会社の寄与で改善。
・13年3月期は北米ゼラチンの値上げ効果が発現しておらず、利益面でウェイトの高いコラーゲン事業の収益性回復に課題を残していることから、当センターでは会社計画の未達を予想する。
3.非財務面の分析
・同社は約100年に及ぶゼラチン単一事業の中で、蓄積されたノウハウをベースに市場変化に対応し、事業ポートフォリオ拡大と世界戦略を推進。
4.経営戦略の分析
・同社は中長期展望「CFG 戦略2016」を公表。この内容は、経済成長の続くアジア市場で生産能力を増強。コラーゲンペプチドやコラーゲンケーシングなどの拡販で、16年3月期には売上高400億円、営業利益40億円を目論む。
5.アナリストの評価
・同業他社との比較から、現在の株価水準はフェアバリュー。同社は子会社の繰越欠損金で税率が数年間に渡って軽減され、予想EPS は通常税率より約10%程度押し上げられることに留意。
・当センターの15年3月期予想EPS105.9円を基にした同社の中期的な適正株価水準は850円~1,060円を想定。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。