株式会社キャンバス(4575 Mothers)
成功への期待は持続:CBP501拡大相の中間結果

2020/05/15

ベーシックレポート 改訂版
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

CBP501拡大相中間結果が公表された
2020年5月13日(現地時間)、米国臨床癌学会(ASCO)のウェッブサイトで、ASCO年次総会で発表予定であるCBP501(カルモジュリン・モジュレーター)の第Ⅰ相臨床試験(Phase1b)拡大相に関する抄録の内容が公表された。すい臓がん対象の薬剤開発では、多くの製薬会社が挑戦し苦戦している。近年がん治療の中心に、免疫チェックポイント阻害剤(例:オプジーボ、キイトルーダ)が浮上してきたが、すい臓がんの場合、免疫チェックポイント阻害剤の奏効率は高くない。CBP501は、免疫チェックポイント阻害剤等との併用で高い効果をもたらす薬剤として開発中の薬剤の一つで、他の多くの併用試験が討ち死にしていると言われている中、既にPh1b前半(用量漸増相)で良好な奏効を提示し (2019年4月公表済 )、すい臓がんと直腸大腸がん(MSS)にがん種を絞ったPh1b後半(拡大相)の結果が注目されていた。

用量漸増相と同様の評価が可能
拡大相の中間解析結果の内容は、次の通りである。①注目を集めているすい臓がん対象で、他の類似の試験と対比し、2倍程度のOS (全生存期間中央値)である5.9ヵ月を達成し、奏効例こそ出現していないものの、長期病勢安定率は50%であった。この結果は、既治療歴の多い症例を対象としたものであることを考えると、用量漸増相と同様に良好な結果が持続していると評価することが可能であろう。②直腸大腸がん(MSS)対象の試験は、症例組入が遅れているが、拡大相の全投与例と用量漸増相の合計(10例)で見ると、OS (全生存期間中央値)は17.5ヵ月を達成しており、こちらも他の類似の試験と対比し、2倍程度のOSである。

成功への期待は持続
拡大相の症例数は、すい臓がん、直腸大腸がんとも10例を目標としているため、1 例でも奏効例が出現すれば導出・提携など次のステップに向けた展望が開けてくる可能性が高まる。今回の中間発表では、奏効例こそ出現しなかったものの、すい臓がんでは、まだ8例を評価した段階であり、大腸がんでは4例を評価した段階である。すい臓がん対象の中間結果のOS(生存期間中央値)や長期病勢安定率などを見る限り、今後改めて公表される試験の最終結果まで、成功への期待を持続させるだけの内容を得ることはできたと考えられる。

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