株式会社リボミック(4591 Mothers)
単発機から双発機へグレードアップ
フォローアップ・レポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯
RBM-007 地域限定の導出発表
2019年 12月 26日、リボミックは、韓国の AJU薬品会社との間で、加齢黄斑変性(AMD を対象とするライセンス権許諾の契約に関する基本合意に達したと発表した。ライセンス権供与の地域は、韓国・東南アジアである。今回のライセンスが締結されることになると、リボミックは最大 600万ドル(約 6.6億円)の対価を受け取ることになるという。 この対価をベースにすると、市場規模を日米欧に拡大した場合、 400億円台のパイプライン価値は十分あり得る数値である。 次は、 TOFU studyの結果が判明してくる頃( 2021年頃)に、大手製薬会社と欧米を対象とした提携がまとまり、大型提携が浮上する可能性に期待したい。
第2、第3の柱も 中期計画に浮上
2020年1月15日、リボミックの中村社長は、 JP モルガン・ヘルスケア・カンファレンス にて、今後の事業展開に関するプレゼンテーションを行った。主力開発品である wet-AMD対象の RBM-007に関して、新規の内容を含む発表はなかったようだが、リボミックでは、「既存薬や競合開発品との差別化ポイント( Dual Mechanism 及び既治療患者対象の開発)が理解され、聞き手が強い興味を持って傾聴していたと感じている。」との評価である。さらに、心不全対象の RBM-003や変形性膝関 節症対象の RBM-010が紹介され、 2022年には臨床試験入りするとの計画が公表された。
裏付けとなる 資金調達計画の発表
2020年1月10日、リボミックは、 TOFU Studyまで独力で遂行し、さらに、その他の有望な候補の開発を推進するため、資金調達計画(第15回新株予約権発行)を発表した。調達予定額は約 56億 6千万円であり、希薄化率は 73.32%となる 。ただし、 行使期間は向こう 3年間であり、 リボミックが行使をコントロールできるようファシリティ契約も結んでいる。 また、 調達額は、 RBM-007 のパイプライン価値(日米欧対象で 425億円)に比べれば、一桁小さい規模である こと を 指摘しておきたい 。今回の資金調達により、 RBM-007単発機の経営から、 RBM-003 という第二エンジンを備えた双発機へグレードアップされ、さらには RBM-010 という第三のエンジンも用意することで経営の安定度が向上することに着目したい。
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