中国の18年10-12月期GDPについて

2019/01/21 <>
  1. 実質GDPは前年同期比+6.4%と、091-3月期以来の低成長でした。個人消費が減速しました。
  2. 貿易黒字が拡大しましたが、輸出入共に大幅な減速で、米中貿易摩擦の影響が出始めたと見られます。
  3. 当局は財政拡大と金融緩和で景気を下支えしますが、19年は+6%台前半への減速が予想されます

四半期では約10年、年間では28年ぶりの低成長

本日、中国国家統計局が発表した18年10-12月期の実質GDPは前年同期比+6.4%でした。09年1-3月期以来の+6%台前半の低成長にとどまりました。また、18年年間では前年比+6.6%でした。当局が目標とした+6.5%前後はクリアしたものの、天安門事件後の景気低迷(89~90年)から立ち直った91年以降では最低となりました。

個別の経済指標を見ると(前年同月比の10-12月平均)、小売売上高は+8.3%と、7-9月平均の+9.0%から減速しました。鉱工業生産も同+5.7%と+6.0%から減速でした。一方、固定資本投資は同+7.1%と、+4.6%から加速しました。積極的な財政支出と金融緩和の効果が出たと見られます。また、貿易黒字の拡大がGDPを押し上げたと見られます。ただし、10-12月期は輸出が前年同期比+4.6%、輸入が同+5.2%と、7-9月期のそれぞれ+11.7%、+20.7%から大幅に減速しました。世界的に減速気味な景気に加え、米中貿易摩擦の影響が顕在化したと見られます。

201901211

中国元はプラスマイナス両材料が拮抗

19年の成長率目標は公表されていませんが、従来の+6.5%前後から、+6.0~6.5%への引き下げが、指導部に示されたと見られています。政府は積極財政と、預金準備率引き下げを通じ、景気を下支えしており、米中貿易摩擦による輸出入の伸び悩みはあっても、景気減速は緩やかになると予想されます。

中国元は、米利上げ打ち止めが追い風ですが、財政、金融の緩和は押し下げ要因です。当面は、双方が影響し合い、レンジ相場を形成する公算が大きいと思われます。

201901212

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会